大手企業では企業の認知度や商品に対する安心感が一定数見込めるのと比較し、中小企業ではまずターゲットにそれを知ってもらうことからスタートしなければなりません。自社の認知度を向上させ、親近感を持ってもらうのに役立つのが、企業が自社で運営するオウンドメディアです。
中小企業における自社メディア活用法についてご説明します。

中小企業のオウンドメディア運営時のポイント

中小企業のオウンドメディア運営時のポイント

中小企業がオウンドメディアを始める際には、まず運営者がそのためのポイントを押さえておく必要があります。なぜなら、大手企業と比較して中小企業は自社の宣伝にかけることができる予算が少なく、限られた広告宣伝費の中で自社をアピールしなければいけないからです。

また、中小企業の情報や認知度は低いため、オウンドメディアを「この会社のことをもっと知りたい」と思ってもらうためのツールにすることが大切です。

オウンドメディア運営で参考になる、3つのポイントを解説します。

目的・ゴール地点を決める

オウンドメディアの運営だけでなく他のことにも言えますが、それを始める目的と目指すべきゴールを設定することは非常に重要なことです。

もちろん、中小企業の中には「他の多くの会社がやっているから」という動機づけでオウンドメディアをスタートする会社もありますが、それでは多くの会社の中の1社として埋もれてしまうだけです。

目的なく始めたものは、ゴールも定まらず読者を混乱させるだけです。オウンドメディアを作る際には目的を明確にし、ゴール地点を決めることによって、オウンドメディア担当者のモチベーションを向上させ、時間を有効に使いながら効率良く集客につなげることができるでしょう。

SNSとの連携強化

最近では、SNSの役割は遊びや友達作りのためのツールに留まることはなくなってきました。もちろん、そのような使い方をしている人も多いのですが、InstagramやTwitterは一人で複数のアカウントを持つことができます。

SNSでビジネスアカウントを持つ企業も多く、SNS内でオウンドメディアの記事を紹介する投稿を発信し、自社サイトに呼び込むためのWEB広告を利用するなど使い方は多彩です。特に、中小企業の場合には社名だけでは企業としてのブランド力は弱いため、集客にはSNSとの連携を強化させることが必須だと言えます。

書き手の「顔」が見える記事

会社のホームページや求人サイト、オウンドメディアで実際にその企業で働いている先輩や書き手の写真が使われることも多いですよね。WEBだけではなく、雑誌や小説などの書籍、漫画などでも書き手の写真は頻繁に使われています。

もちろん、オウンドメディアも企業ホームページも芸能人などと違ってルックスを売りにするものではありません。しかし、読み手の中には「この会社ではどんな人が働いているのか」ということや「書き手がどんな人なのか」ということが気になる人もいます。

そのような読み手に親近感や共感を持ってもらうためにも、文末などに書き手の写真やプロフィールを入れておくことも効果的です。そうすることによって、複数の担当者で運営しているオウンドメディアでは自社だけでなく書き手のファンを作ることができます。

ファンがいればオウンドメディアのアクセス数を稼ぐ効果もあり、成功につながりやすくなります。

記事数も必要?

人気のあるオウンドメディアはおしゃれなだけでなく新しい記事が定期的に更新されていますが、実際にオウンドメディアでは記事数も必要なのでしょうか。

結論から言えば、Googleでは数よりも「質」に重きを置くべきだと言われています。つまり、低品質の記事を大量に更新するよりも、企業のイメージアップのためには、記事数は少なくても品質の良い記事を更新するべきだと言えます。

WEBで情報を探す人は記事の品質が悪ければ継続して利用してくれないことがほとんどであるため、一定の質を保つことは重要です。

ただし、更新頻度が少なすぎて記事がほとんど掲載されていないオウンドメディアからも読者はいずれ離れてしまうでしょう。オウンドメディアでは高品質な記事を投稿することはもちろん、ある程度の記事数も必要となります。

デザインはモバイル重視

企業がオウンドメディアを作成する時にはパソコンから記事を作成することが多いですが、注意しなければいけないのはモバイル版で見てもおかしいところはないかという点です。

最近では、オウンドメディアは隙間時間にモバイルで読まれることが一般的となってきました。そのため、オウンドメディア担当者はモバイルからの読者にも配慮したデザインにすることが求められています。

モバイルでも読みやすいデザインにするにあたって表示がおかしくないか、文字が小さすぎて読みにくくなっていないかなどは要チェックポイントです。モバイルでも読みやすくするためには細部までの確認が必要となります。

社内チームの編成

オウンドメディアを運営する時には社内チームを編成することをおすすめします。オウンドメディアを活用する企業に社内チームが必要な理由は、中小企業であってもオウンドメディアをひとりで回すのは非常に難しいことだからです。

そのようなオウンドメディアを回して定期的に高品質な記事を更新するためには、社内チームの中で役割を決めることが大切です。

例えば、WEBデザイン担当、編集担当、記事担当やライターへの指示を出す人、効果を検証する人、そして全体の統括を行うリーダーのような役割を担う人も必要です。これらのことを全てやろうとすると、ひとりでは時間が足りないことがわかりますよね。

社内チームを編成することによって、それぞれが自分の仕事に集中することができるので自然とオウンドメディア全体の質も上がります。もちろん、作り上げるのはひとつのものなので連携を取りながら業務をこなす必要があり、チームワークやコミュニケーション力も大切です。

継続する

オウンドメディアはすぐに結果が出るものではないので、すぐにやめずに継続することが重要です。短期的に結果を出そうとするとせっかくつかみかけたターゲットまで逃してしまうことにもなりかねません。

また、読み手が好むのは新しい情報です。そのため、定期的にオウンドメディアの記事を更新していかなければ頻繁に訪れてくれる人も離れていってしまうかもしれません。

さらに、SNSにも同じことが言えますが、最終更新日時が古すぎるオウンドメディアは今でも企業として存続しているかが不安視され、いい加減な印象を与えます。

中途半端な状態で、途中で投げ出したと思われてしまうとせっかく作ったオウンドメディアをほとんど活用できなくてもったいないだけでなく企業のイメージダウンにもなる可能性があるため、必ず継続してきちんと活用することを心がけてください。

オウンドメディアの目的

オウンドメディアの目的

オウンドメディアを活用するとたくさんの効果を得ることができますが、そもそもどんな目的を持ってオウンドメディアが作られているのかを整理しておくことで、より効果的な集客ができます。

「メディア」と呼ばれるものにはそれぞれの目的と効果がありますが、企業が自社で運営するオウンドメディアはコストを削減しながら自社をコントロールできるという強みを持っています。まずは、そのようなオウンドメディアの4つの目的についてより深く学んでみてください。

認知度向上

中小企業は認知度がないため、初めて取引をする企業にリスクを感じられることがあります。

オウンドメディアは自社の認知度の向上に役立ち、オウンドメディアが有名になれば「○○というメディアを運営している企業」というように認知度が上がります。そして、オウンドメディアが人気になれば、それがそのまま企業のイメージアップにも直結します。

中小企業にとっての最初の課題は存在を知ってもらうことなので、認知度が向上すれば新しい顧客も取り込みやすくなります。

見込み顧客の獲得と育成

見込み顧客とは今の段階では自分の顧客となっていない、潜在的な顧客のことです。

ほとんどの人は必要なものの情報をWEBで探したりはしても、しつこい勧誘を嫌います。オウンドメディアはWEB上で「待ち」の姿勢でありながら、まだ顧客となっていないターゲット層に自社の顧客となるよう訴えかけることができるメリットがあるものです。

見込み顧客は、ネットの検索機能を使って自分が使いたいサービスを提供している会社や商品を探します。そこで、そのような見込み顧客に向けて自社のサービスや商品をオウンドメディアで紹介することによって、見込み顧客を新たな顧客として獲得したり育成したりすることができます。

これまでは見込み顧客だった顧客を育成することで、売上アップだけでなくさらに認知度の向上にも期待が持てるといった目的も同時に達成可能となるでしょう。

見込み顧客の好きな時にオウンドメディアを閲覧してもらい、気に入ればSNSでシェアしてもらうことができるかもしれません。SNSなどのツールで自社を顧客目線から宣伝してもらえれば、より多くの人にオウンドメディアに訪れてもらうきっかけとなります。

信用を得る

今はインターネットを利用することが主流となっている時代でもあり、ネットで調べても情報が出てこない企業は信用を得にくいという実情があります。

特に、若い人の場合はインターネット利用率も高く、商品に魅力を感じても自分が知らない企業で信用できるかがわからない場合、不安を感じてその企業のサービスを受けることをやめてしまう人もいます。

中小企業がそのような層の信用を得る目的で始めるべきなのがオウンドメディアです。オウンドメディアは初めて会社のことを知ってくれた人にも自社のことを知ってもらい、信用を得るのに役立つメディアです。

ホームページは堅い文章になってしまいがちですが、オウンドメディアはホームページと違った使い方や目的を持って運営するものであるため、ホームページよりも親近感を抱きやすいページにすることができます。

読者が「自分と距離が近い」という印象を持つオウンドメディアは、新規の顧客からの信用を得るためにも使えるのが良い点だと言えます。

ファンを増やす

オウンドメディアの目的は認知度を向上させることだけにとどまらず、「ファンを増やす」というところまでです。なぜなら、認知度があるだけでは企業側に利益は生まれないですし、一度だけの利用者を増やすだけではあまり意味がないからです。

オウンドメディアの目的はファンを増やして、そのファンにリピーターになってもらうことです。ファンは増えれば増えるほど企業の利益ともなりますし、多くの人が自社を知ってくれます。潜在的なファンを本物のファンに育てるためには、見込み顧客との信頼関係を築くことが重要です。

信頼関係を築くために積極的にSNSと連携してコミュニケーションを取り、ファンにとって身近な存在に思えるようなオウンドメディアを作っていきましょう。

中小企業のオウンドメディア活用事例

中小企業のオウンドメディア活用事例

そもそも中小企業とは資本金の金額または出資の総額が少なく、かつ従業員の人数が少ない企業のことを指します。この定義によると、資本金額・出資総額と従業員数がどのくらいになるかは企業の業種によって異なりますが、その数字が多い業種でも3億円以下・300人以下と定められています。

中小企業の数はかなり多く、その中で自社のオウンドメディアを作っている企業もたくさんあるでしょう。だからこそ、中小企業が他社に負けないように戦略を立て、ファンが定着するようなオウンドメディアを運営する必要があります。

実際にオウンドメディアで成功した3つの中小企業をご紹介します。

株式会社クラシコム

株式会社クラシコムが運営しているオウンドメディアは「北欧、暮らしの道具店」です。

この「北欧、暮らしの道具店」のすごいところは、中小企業の成功事例で取り上げられているオウンドメディアに必ずと言っていいほど入っていて、公式アプリのダウンロード数が100万を超えているところにあります。100万人以上にダウンロードされていることを考えると、認知度が高く、かつ人気があると言うことができます。

ナチュラルでターゲット層も広い北欧の商品に特化しているオウンドメディアで、欲しい商品を探すことができるだけではなく定期的に記事も更新されています。商品を探す時にもカテゴリー分けされているので、顧客はストレスなく自分の欲しいものを見つけられるでしょう。

また、記事の中では「この商品はどう使ったらいいの?」という疑問や、「他社の同じような商品とどう違うの?」ということにまで答えてくれています。記事では実際にその商品を使っている写真も満載で解説しているので、読者はその商品に対する購買意欲が高まります。

商品の写真だけでなく、利用しているシーンの写真が多いため、自分の暮らしに溶け込みやすく、イメージもしやすくなります。

株式会社LPN

株式会社LPNは体幹を整えるための商品を販売し、ストレッチなどによって身体を健康に保つための情報提供サービスを行っている会社です。

「ストレッチポール®」というオウンドメディアを展開し、商品であるストレッチポールを使用したトレーニングやストレッチを紹介し、オウンドメディアを見て販売した実績は月間800件以上とその数を伸ばすことに成功しました。

ただ商品を販売するだけでなく関連した記事をオウンドメディア経由で載せることによって、その有効性を示すことにもつなげています。

また、コロナ禍にある現在ではトレーニングジムでのクラスターも発生しているため、気軽にジム通いをすることも躊躇する人が増えています。そのような人に嬉しいのが、自宅で運動不足やデスクワークによる体の歪みを解消できるストレッチポールです。

使用後10分で効果を実感できる即効性もあり、アスリートや医療現場にも活用されています。実際に利用している人の顔も出ていることから、親近感や安心感も湧いてきます。

オーマイグラス株式会社

オーマイグラス株式会社は「メガネスタイルマガジンOMG PRESS」というオウンドメディアを運営している会社です。

「オーマイグラスオンラインストア」は中小企業が運営しているにもかかわらず、国内最大級と言われるメガネECオンラインストアとされていて、日本製の上質なメガネを販売するサービスを展開しています。また、店舗派の人向けにも嬉しい「オーマイグラス東京」という眼鏡店は、全国に10店舗あります。

特に若い人ではメガネでなくコンタクト派の人も多いですが、「こんなメガネなら欲しい」と思えるようなブランドや、インフルエンサーを活用したおしゃれな記事を定期的に更新しています。

今は視力が悪い人が増えているにもかかわらず、少しダサいイメージのあるメガネはあまり売れなくなったと思われがちです。しかし、メガネスタイルマガジンOMG PRESSを読めば、そのイメージが一新され、洗練されておしゃれなアイテムでもあり実用的なメガネが欲しくなってくるのが不思議です。

メガネスタイルマガジンOMG PRESSがオウンドメディアとして成功した理由も、メガネをファッショナブルで便利なものとして認識させたことにあるのかもしれません。

中小企業のオウンドメディア成功術の合言葉は”おしゃれ”と”親近感”!

中小企業がオウンドメディアを成功させるためには、オウンドメディアにおしゃれで惹きがあることと親近感を与えることが大切です。もちろん、商品に魅力がなければ購入には至らないので、記事の中で商品が欲しくなるような紹介をすることも忘れないでください。

オウンドメディアの中では商品を購入できるページと運営が更新する記事、SNSへのリンクを作るようにしましょう。そして、更新するときにはおしゃれで親近感があるページになっているかを確認し、徐々に訪れるファンを増やしていけるように、都度チームで話し合ってみてください。