「自社のオウンドメディアを立ち上げたいけど、何から始めて良いかわからない」。そんなWeb担当者の方に、初めてオウンドメディアを立ち上げるときに必要な準備や具体的な制作手順、運用のコツなどをわかりやすくまとめてご紹介します。この記事を読めば、効果的なオウンドメディアの立ち上げ手順がまるごとわかります。ぜひご参考にしてください。
オウンドメディアの立ち上げ手順【準備編】

オウンドメディアの立ち上げ手順で最も重要なのが「準備」です。オウンドメディアはやみくもに立ち上げたからといって成果が出るわけではありません。目的やコンセプトなどを明確にすればするほど、コンテンツ制作の方向性もはっきりします。
オウンドメディアの目的を決める
まず、なぜオウンドメディアを立ち上げるのか、目的を明確にしましょう。オウンドメディアを立ち上げる目的には以下のようなものが考えられます。
- 自社商品・サービスの販売促進
- 見込み顧客(リード)の獲得
- 認知度の向上・ブランディング
- アフィリエイトや純広告による収益化
目的によってサイト設計も大きく変わります。オウンドメディアを運用することで何を得たいのかを事前にはっきり決めておきましょう。
オウンドメディアのコンセプトを決める
次に、オウンドメディアのコンセプトを決めましょう。コンセプトで最も大切なのは、「誰のどのような悩みや疑問を解決するメディアを作るか」です。
そのためには、以下の項目を明確にしておきましょう。
- 読者像(ターゲット)はどのような人か
- 目的を達成するためにどのようなコンテンツが必要か
- 読者に伝わりやすいサイトデザインやカラーは何か
- 競合サイトにはない強みや特色などを出せるか
また、次のような具体的な計画も立てておくと、見通しが立てやすいのでおすすめです。
- いつまでにどのような手順でメディアを構築するか
- 人員や運用コストはどの程度かけられるか
目的やコンセプトが決まったら、明文化しておくと、社内での共通認識が持ちやすくなります。また、この時点でサイト名やドメイン名などもある程度決めておくと、オウンドメディアのイメージも共有しやすいでしょう。
ペルソナ設定
ペルソナ設定とは、読者像を「自社の商品やサービス、コンテンツなどに関心のあるひとりのユーザー像」に設定することで、読者に刺さるコンテンツを提供し、成果を最大化するマーケティング手法のことです。一般的な読者層(ターゲット層)の設定とペルソナ設定には、以下のような違いがあります。
- 読者層(ターゲット層)設定
おおまかなユーザー群を設定する(例:30代女性、50代男性など) - ペルソナ設定
ユーザーの行動や価値観、興味・関心、ライフスタイルなどまで、具体的なひとりのユーザー像を設定する
ペルソナ設定には、以下のようなものがあげられます。
30代女性、専業主婦、小学生の子供が2人、世帯収入450万円、将来の子供の学費が悩み
50代男性、会社員(部長)、社会人と大学生の子供が2人、世帯収入1,000万円、投資・資産運用に関心を持つ
ここまで詳細にペルソナを設定しておけば、ユーザーのニーズに応えられる質の高いコンテンツも制作しやすく、オウンドメディアで成功する可能性も高まるでしょう。
オウンドメディアの種類を決める
ペルソナを設定したら、制作するオウンドメディアの種類を決めましょう。オウンドメディアの種類には次のようなものがあります。
- 初心者向けの基礎知識やノウハウなどを伝える「情報系」
- 業界の最新情報やトレンドなどを伝える「ニュース系」
- ユーザーの「知りたい」をまとめた「お役立ち系」
- さまざまな悩みとその答えをコンテンツにした「Q&A系」
- 専門用語の意味や使い方などを解説した「辞書系」
- 自社商品・サービスの活用法や業界の役立つ情報を伝える「ハウツー系」
一口にオウンドメディアといってもさまざまな種類があります。あなたのオウンドメディアの目的やコンセプト、ペルソナ設定などにあった種類を選びましょう。
独自ドメイン取得
サイト名が決まったら、独自ドメインを取得しましょう。独自ドメインとは「〇〇〇〇.com」や「〇〇〇〇.jp」のようなWeb上のサイト固有のアドレスのことです。ドメイン取得サービスを利用して、自分の好きな英数字を独自ドメインとして取得できます。
また、すでに自社ドメインを持っているなら、そのサブドメインまたはサブディレクトリを利用して、オウンドメディアを開設することも可能です。
サブドメインおよびサブディレクトリとは、以下のようなものです。
自社ドメインがexample.comの場合、
「〇〇〇〇.example.com」がサブドメイン
「example.com/〇〇〇〇」がサブディレクトリ(〇〇〇〇は好きな英数字を指定できる)
サブドメインおよびサブディレクトリを利用する場合は、新しく独自ドメインを取得しなくてもサイトを開設できます。
オウンドメディアのドメインの選び方3つ
- 独自ドメイン(オウンドメディア専用のドメイン)を新規取得する
〇〇〇〇.com、〇〇〇〇.jpなど - 自社ドメインのサブドメインを利用する
〇〇〇〇.sample.com - 自社ドメインのサブディレクトリを利用する
sample.com/〇〇〇〇
サイトデザインの決定
ドメインが取得できたら、サイト構築・運用システムやデザインを考えましょう。まず、サイト構築・運用システムは独自のシステムで構築するか、既存の管理システム(CMS)を使うのかを選びます。
CMSとは「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略で、サイトのコンテンツを構成する文章や画像・デザイン・レイアウト情報などを一元的に保存・管理できるシステムのことです。CMSの中でも、最も利用者が多いのはWordPressであり、国内でも多くのオウンドメディアで使用されています。
サイト構築・運用システムが決まったら、見た目や配色などのデザインもイメージしましょう。サイトのコンセプトやペルソナ設定をもとに、メインカラーやサブカラーなどの配色や画像・イラストなどの雰囲気や配置、キャッチコピーなどのアイデアを社内で出し合って、具体的に共有することがポイントです。
また、サイトデザインにおいてスマートフォン対応は必須です。現在はスマートフォンから閲覧するユーザーが増えているため、スマホ対応できるデザインを選びましょう。
サイトデザインを決めるポイント
- 独自システムとCMS(WordPress)のどちらを使って運用するか
- 見た目や配色のデザインも具体的に社内で共有する
- スマートフォン対応は必須
カテゴリー設計
サイトデザインの際に、カテゴリー分けや主要なメニューについても決めておくと、スムーズにサイト制作ができます。カテゴリーは、最初から欲張って多く設定すると煩雑になりやすいため、3~4個程度に絞ると良いでしょう。このとき、関連性のあるカテゴリーにすることがポイントです。
例えば、「テイクアウト」に関するオウンドメディアを設計するなら、「テイクアウト ランチ」「テイクアウト カフェ」「テイクアウト お弁当」などのカテゴリーに分けると、ユーザーが情報を探しやすくなります。
また、サイト上部に主要なメニューとして「テイクアウトの人気メニュー」や「テイクアウトのおすすめサービス」などを特集すると、多くのユーザーが関心を持って読んでくれるでしょう。
カテゴリーやメニューを事前に設計しておくと、コンテンツ制作の方向性も明確になるのでおすすめです。
カテゴリー設計のポイント
- 関連性のあるカテゴリーを3~4個程度に絞る
- ユーザーが情報を探しやすいカテゴリー設計が親切
- 主要なメニューもあわせて考えると良い
アクセス解析やサイト内の測定がしやすいツールの導入
サイト構築時にアクセス解析やサイト内のさまざまな測定がしやすいツールも導入しておくと良いでしょう。ツールは最初に導入しておくと、運用開始後からすぐに解析ができるため、サイト改善にも生かせます。
オウンドメディアに導入しておきたいツールは以下の3つです。
- Google アナリティクス
Google公式のアクセス解析ツール(無料) - Google サーチコンソール
Google公式の検索エンジン対策ツール(無料) - GRC
有限会社シェルウェアが提供する検索順位チェックツール(無料・有料プランあり)
Google アナリティクスとGoogle サーチコンソールは、Google公式の高機能なツールで、無料で使用できるため必ず導入しましょう。GRCは国内で最も有名な検索順位チェックツールで無料でも使用できますが、利用可能な項目数に制限があるため、本格的に使用したい方は有料プラン(年額4,950円~)がおすすめです。
また、さらに競合調査やコンテンツ制作のためのキーワードチェックなどを効率的に行いたい方向けの有料ツールもリリースされています。
キーワードファインダーやKeywordmap(キーワードマップ)、Ahrefs(エイチレフス)などが有名です。こちらはかなり作業の短縮化を見込めますが、相当のコストがかかりますので、よく検討してから導入しましょう。
運用は自社?外注?
オウンドメディアの運用を自社ですべて行うのか、外注するのかも準備段階で決めておくことをおすすめします。できるだけコストを抑えたい場合は自社運用が良いですが、社内にライティングやマーケティング、SEOなどのスキルを持った担当者がいることが必須です。社内に人員を確保できない場合は、他社へ外注することも検討しましょう。
外注はコストがかかりますが、オウンドメディア運用の経験やノウハウを持っている専門家に依頼できるため、自社だけで運用するよりも短期間で成果をあげられる可能性が高くなります。社内で確保できる人員や予算に応じて、一部の業務のみ外注することも可能です。
オウンドメディア運用で外注できる業務
- サイト設計
- キーワード選定
- 競合調査
- ライティング
- ディレクション
- SEOコンサルティング
- SNSマーケティング
- 広告運用
オウンドメディアの立ち上げ手順【コンテンツ制作編】

オウンドメディアの立ち上げ準備ができたら、次はコンテンツ制作に入ります。検索流入からの集客で最も重要なのが、ユーザーのニーズに応える良質なコンテンツです。良質なコンテンツなくしてオウンドメディアでの成功はあり得ません。オウンドメディア立ち上げ時に、少なくとも20~30記事分のコンテンツは考えておきましょう。
編集責任者やディレクション担当を決める
良質なコンテンツは、ライターだけでは制作できません。編集責任者やディレクション担当を中心にコンテンツ制作チームを作って取り組むことが一般的です。まずは、オウンドメディアの目的やコンセプトに沿って、キーワード選定やコンテンツ制作の指揮を執る編集責任者またはディレクション担当を決めましょう。
ディレクション担当は、ライターとのやりとりや制作スケジュールの管理など、コンテンツ制作の鍵を握る重要なポジションです。
キーワード選定
コンテンツ制作で必須となるのが、キーワード選定です。キーワード選定はオウンドメディアのSEO対策に直結します。キーワードは、1コンテンツあたりひとつのキーワードを設定しましょう。
1語のビッグキーワードでは競合が多すぎて上位表示が難しいため、できるだけ競合が少ない3語以上からなるキーワード(ロングテールキーワード)を選ぶことがポイントです。
また、ペルソナ設定から、ユーザーの検索意図(なぜそのキーワードを検索したのか)も考えてコンテンツ制作に生かしましょう。
キーワード選定のポイント
- 検索ボリュームが多く競合が少ない3語以上のロングテールキーワードを選ぶ
- 1コンテンツあたりひとつのキーワードを設定する
- ユーザーの検索意図を考えてコンテンツ制作に生かす
記事の構成・骨子案
キーワード選定をもとに、記事の構成・骨子案を作りましょう。記事構成のポイントは、キーワードの背後に隠れている、ユーザーの「知りたい・解決したい」というニーズを満たすことです。
例えば、「テイクアウト」に関するオウンドメディアの場合、以下のキーワードにはそれぞれ次のようなユーザーの悩みや疑問が考えられます。
「テイクアウト おすすめ チェーン店」
⇒ テイクアウトで人気のあるおすすめチェーン店を知りたい
「テイクアウト アプリ 比較」
⇒ テイクアウトを注文できるアプリがいろいろあるがどれを選んだら良いかわからない
「新宿 テイクアウト カフェ」
⇒ 新宿でテイクアウトできるカフェを知りたい
ユーザーの「知りたい・解決したい」というニーズに応える、わかりやすい記事構成・骨子案を心がけましょう。そのためには、同じキーワードですでに上位表示されている競合サイトのコンテンツを調査したり、サジェストキーワードや関連キーワードなどからユーザーのニーズをさらに深掘りしたりする、などの工夫も効果的です。
また、ユーザーのニーズに応えるだけでなく、自社の強みやカラーを生かしたコンテンツも織り交ぜると、他サイトとの差別化にもつながります。記事の構成・骨子案がしっかりあると、社内でコンテンツ制作する場合はもちろん、外注してコンテンツ制作する場合にも、良質なコンテンツを書きやすくなるというメリットがあります。
記事制作
記事の構成・骨子案ができたら、さっそく制作に入ります。コンテンツは短期間で集中して制作できると、オウンドメディアの立ち上げもスムーズに進みます。社内の人員だけではコンテンツ制作に時間がかかる場合は、納期や予算を考えて、プロの専門ライターに外注するのもひとつの選択肢です。
レギュレーションの準備
複数人でコンテンツ制作する場合、ガイドラインやレギュレーションが事前に作成されていると作業がはかどり、コンテンツも一定の品質を保ちやすくなります。ガイドラインやレギュレーションとは、以下のようなものです。
- ガイドライン
サイト全体の目的やコンセプト、おおまかな注意事項などをまとめたもの - レギュレーション
コンテンツ(記事)の書き方や表現方法などを統一させるためのルールを定めたもの
記事制作をライターに外注する際には、ガイドラインやレギュレーションのほか、秘密保持契約書なども事前にひな形を作っておくと、すぐに発注できるので便利です。
記事のチェック体制は整っていますか?
記事制作をライターに発注したら、必ずチェック体制も整えておきましょう。編集責任者やディレクション担当のもと、記事の校正・校閲ができる人員がいることが望ましいです。記事の誤字脱字や言い回し、コピペチェックなど一連のチェック作業は、コンテンツの質を高めるためにも必須といえます。
誰が担当するのか決まっていないと、責任があいまいになりやすいため、明確にしておくことが大切です。
オウンドメディアの立ち上げ手順【入稿編】

記事の執筆と品質チェックまで終えたら、オウンドメディアへの入稿を行います。ここでは、主にWordPressを使った入稿時の手順や注意点について解説します。記事の装飾や画像選定・内部リンクの設置など、ユーザーの手元に情報がしっかり伝わるように、細かなところまで配慮してコンテンツを仕上げましょう。
最低限必要なHTML知識を学習しておく
記事の入稿には、基礎的なHTMLの知識があることが望ましいです。ただし、HTMLといっても難しく考える必要はありません。WordPressの記事投稿画面では、ほとんど1クリックで記事の装飾ができるように使いやすく設計されているからです。
しかし、入稿した記事が思い通りに表示されなかったり、不具合が起こったりするケースもあります。そのような場合は、最低限必要なHTMLを学習しておいた方が対処がしやすいです。以下のような基本的なHTMLタグは覚えておくことをおすすめします。
WordPress入稿で覚えておきたいHTMLタグ
記事のタイトル | h1タグ <h1></h1> |
記事の見出し・小見出し | h2、h3、h4タグ <h2></h2> <h3></h3> <h4></h4> |
文字の強調 | strongタグ <strong></strong> |
リンクの挿入 | aタグ <a href="https://~">テキスト</a> |
画像を挿入 | imgタグ <img src="https://~.jpg"> |
記事の引用 | blockquoteタグ <blockquote></blockquote> |
箇条書き | ul、ol、liタグ <ul> <li></li> </ul> <ol> <li></li> </ol> |
アイキャッチや内部画像の選定
コンテンツのアイキャッチや内部画像を選定するのも重要な入稿作業のひとつです。なぜなら、ユーザーは文章だらけのコンテンツを好まないからです。適度なイラストや画像、図解などを挿入したコンテンツの方が読みやすく、内容も理解もしやすくなります。
画像を選定するときは、自社で撮影したオリジナル画像を使うのか、フリー素材サイトや有料のフォトストックサービスなどからダウンロードした画像を使うのかをあらかじめ決めておくと良いです。
画像は使い方を誤るとトラブルも起こりやすいため、有料・無料の素材をダウンロードして使用する場合には、素材配布サイトの利用規約を厳守して、必要であれば引用元や著作権の表示も行うようにしましょう。
内部リンクの設置
コンテンツ内に内部リンクを設置するのは、回遊率の向上や内部SEO対策のために有効です。内部リンクは、ユーザーの利便性(ユーザービリティ)や検索エンジンのクローラーの巡回のしやすさ(クローラービリティ)に大きくかかわります。主な内部リンクには、以下のようなものがあります。
- グローバルメニュー
- パンくずリスト
- ナビゲーションメニュー
- 関連ページへのリンク
内部リンクを設置するときはアンカーテキストを使い、SEO対策したいキーワードを適度に含めると効果的です。
公開前の確認でケアレスミスを防止
コンテンツの公開前には必ずプレビューを確認して、ケアレスミスを防ぎましょう。WordPressなら、記事投稿画面の「プレビュー」機能で入稿した記事が実際にどう表示されるのかを確認することができます。実際の画面でチェックすることで、気付かなかったミスが見つかるケースもよくあります。
スマートフォン表示を確認したい場合は、Google Chromeのデベロッパーツールを利用すると便利です。Windowsなら「Fn」キーと「F12」を同時に押せば、デベロッパーツールが簡単に開けます。デベロッパーツールの上部にある「モバイル端末」のマークをクリックすると、スマートフォン画面での表示を確認できます。

被リンクをもらうための仕組みはできていますか?
コンテンツは被リンクをもらうことで検索エンジンからのSEO評価が高まります。特に、オウンドメディアの立ち上げ時はまだサイトの評価が低くアクセスも少ないため、SNSでコンテンツを紹介しながら多くのユーザーに情報を見てもらい、共有・拡散してもらえる仕組みを作っておきましょう。
そのためには、オウンドメディア内に主要なSNSボタンを設置したり、コンテンツ公開時にSNSに新着記事を自動投稿できるプラグインなどを導入したりすることが効果的です。
オウンドメディアは入稿で終わりではなく、ここからがやっとスタートです。いかにユーザーにコンテンツを読んでもらえるかを考え、創意工夫をしてみましょう。
オウンドメディアの立ち上げ手順【運用編】

いよいよ、オウンドメディアの運用に入ります。オウンドメディアは運用の仕方次第で大きく成果が変わります。たとえ一時的に検索順位やアクセスが上がったとしても、何も手をつけなければすぐに落ちてしまいます。ここでは、オウンドメディアの運用で大切にしたい「3つの心がけ」をご紹介します。
SEOは生き物。日々の観察は怠らずに
まず、「SEOは生き物」だということです。日々の観察やメンテナンスを決して怠ってはならず、手をかけた分だけ成長します。Google アナリティクスやGoogle サーチコンソール、GRCなどの各種ツールを駆使して、ユーザーの動向を常に観察しましょう。最低限チェックすべきポイントは、以下の7つです。
- どの程度アクセスが来ているか(ユーザー、ページビュー数)
- どこから集客できているか(参照元)
- どのページが多く見られているか(サイトコンテンツ)
- どのキーワードでどの程度の検索流入があるか(表示回数、クリック数)
- どのキーワードが検索結果で上位表示できているか(平均掲載順位)
- 狙っているキーワードでの検索順位が何位か(Google、Yahoo、Bingでの検索順位)
- 日ごとに検索順位がどのように変動しているか(1日1回検索順位チェックを実行)
特に、検索順位やアクセスが大きく変動したら、これらのツールを使って何が原因かを調べましょう。原因を特定し、コンテンツ内容に反映させれば、検索順位やアクセスを大きく改善できます。
古い記事は放置厳禁
情報が古くなった記事は放置せずに、定期的に更新しましょう。記事を更新することは、以下のようなメリットがあります。
- ユーザーに常に最新情報を届けられるため信頼を得られる
- しっかりとメンテナンスされているサイトであることを伝えられる
- 検索エンジンからのSEO評価も上がりやすい
古い記事を更新するときは、コンテンツの内容だけでなく、記事タイトルや見出し・本文なども必要に応じて修正すると良いでしょう。記事タイトルや見出しなどを修正するときには、実際に検索されているキーワードを取り入れることがおすすめです。
短期間で結果は出ない
オウンドメディアは立ち上げてもすぐに結果は出ません。むしろ、結果が出るまで半年から1年以上もかかる場合もあります。結果を出すコツは、コンテンツの投稿と効果測定・改善を何度も繰り返すことです。PDCAをうまく回せてこそ、オウンドメディア成功への道があります。
- 目的・コンセプトに沿ったコンテンツの企画(Plan)
- コンテンツの制作および入稿(Do)
- 定期的な効果測定(Check)
- 効果測定に基づいた改善策の実施(Action)
PDCAを円滑に回すためにも、オウンドメディアの運用責任者・担当者をしっかり立てて、具体的な成果指標(アクセス数やリード獲得数)などを事前に設定しておくことが必要です。長期運用を見据えてじっくり取り組みましょう。
「ユーザーに選ばれるオウンドメディア」を立ち上げよう
オウンドメディアの立ち上げ手順は、大きく次の4つです。
- 準備(目的・コンセプト設定、サイト構築に必要な準備)
- コンテンツ制作(編集責任者の決定、キーワード選定、記事作成)
- 入稿(CMSへの入稿、画像選定、内部リンク設置)
- 運用(定期的なPDCA)
オウンドメディアは時間をかけて、やるべきことをしっかり継続すれば、着実に成果をあげられます。成果の出る早さは、以下の2点によって決まります。
- ユーザーのニーズに寄り添った良質なコンテンツをどれだけ制作できるか
- PDCAをいかに早く回せるか
これからオウンドメディアを立ち上げたい方は、この記事を参考にして、4つの手順を一つひとつ実践してみてください。ユーザーに「こんなサイトを探していた」と思ってもらえるオウンドメディア作りを目指しましょう。