GoogleとYahoo!でそれぞれ検索すると、同じキーワードでも検索結果が異なる場合があります。その理由はなぜでしょうか? この記事では、GoogleとYahoo!の検索エンジンの違いや検索結果が異なる理由、サイト運営者として知っておきたいSEO対策についてわかりやすくご紹介します。
GoogleとYahoo!の歴史と特徴

日本国内で主に使用されている検索エンジンには、GoogleとYahoo!の2つがあります。国内におけるシェア率は、Googleが約77%と最も高く、次いでYahoo!が約14%を占めています。それでは、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ここではまず、GoogleとYahoo!の検索エンジンの成り立ちや特徴についてご紹介します。
Googleの特徴
Googleは1998年、ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの2人によって創立されました。スタンフォード大学の博士課程の研究で、リンクを使用して個々のウェブページの重要性を判断する検索エンジン「Backrub(バックラブ)」を開発したのがきっかけです。
Backrubはその後「Google(グーグル)」という名称に変わり、現在のGoogle検索エンジンに進化しています。
Googleという名称の由来は、1の後にゼロが100個並んだ値を示す「googol(ゴーゴル)」という数学用語にあり、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という使命が込められています。
Googleが創立された1998年は、マイクロソフトのWindows98が発売された時期でもあり、Googleはパソコンの普及とともに検索エンジンとしての人気を高めてきました。
Google検索エンジンは独自のアルゴリズムを採用し、検索キーワードに対して最も関連性の高いページを検索結果に表示させるのが特徴です。検索結果の精度が高いことから、多くのインターネットユーザーに支持されています。
Yahoo!の特徴
Yahoo!はもともと1994年にアメリカで創立され、日本では1996年に孫正義代表取締役社長(当時)によってヤフー株式会社として創立されました。国内初の商用検索サイト「Yahoo!JAPAN」を開始し、日本のインターネット黎明期をけん引してきました。
ヤフー株式会社が創立された時期はWindows95の発売直後で、当時の検索エンジンといえばYahoo!というぐらい、大半のシェアを占めていました。
Yahoo!JAPANの検索エンジンはもともと、人手で登録したウェブディレクトリ内を検索する「ディレクトリ型検索エンジン」を搭載していました。しかし、インターネットの急速な拡大に伴い、現在ではクローラーと呼ばれると巡回プログラムによってページを効率的に登録していく「ロボット型検索エンジン」を採用しています。
現在、Yahoo!JAPANは月間約800億PVというアクセス数を誇り、日本で最も人気のあるサイトのひとつとして知られています。
GoogleとYahoo!、同じ検索エンジンでも違いはある?

ヤフー株式会社は2010年、Googleと提携してYahoo!JAPANの検索エンジンにGoogleの検索エンジンを採用することを発表しました。現在、GoogleとYahoo!は同じ検索エンジンを使用しています。それでは、両者で同じキーワードで検索した場合、検索結果はどのように異なるのでしょうか。
GoogleとYahoo!の表示結果にさほど違いはない
実は、GoogleとYahoo!で検索結果の順位自体はさほど違いはありません。同じ検索エンジンを使用しているため当然と言えるでしょう。例えば、「検索エンジン」と検索した結果、検索1ページ目には同じページが同じ順位で表示されます。
検索結果に違いが出るのはどうして?
それでは、検索結果に違いが出る場合は、どのような場合でしょうか。それは、「パーソナライズド検索」や「Yahoo!独自のコンテンツ表示」の影響を受ける場合です。次に、それぞれの場合でどのような違いが出るかについてご説明します。
「パーソナライズド検索」の影響
パーソナライズド検索とは、ユーザーの検索履歴や位置情報などに応じて検索結果が最適化される仕組みのことです。パーソナライズド検索の影響を受けると、同じキーワードでも、ユーザーによって検索結果が異なる場合があります。
パーソナライズド検索に反映されるのは、以下の2つです。
- 直前の検索結果
- ユーザーの所在位置
直前の検索結果やユーザーの所在位置によって、ユーザーごとの検索結果に若干の変化が生じます。パーソナライズド検索の影響を受けない検索結果を知りたい場合は、ブラウザの「シークレットモード(プライベートモード)」を利用すると良いでしょう。
Yahoo!独自コンテンツの表示で検索結果に違いも
Yahoo!の検索結果には、Googleとの差別化を図るために、Yahoo!独自のコンテンツが表示される場合があります。例えば、Yahoo!ショッピングやYahoo!知恵袋などです。検索結果ページの中にこれらのコンテンツが表示されることで、見た目に違いが生じることがあります。また、GoogleとYahoo!では広告の表示スタイルも異なります。
これらのことが、GoogleとYahoo!で検索結果の表示に違いが出る原因だと考えられています。
SEO対策はどうすべき?

現在、GoogleとYahoo!は同じ検索エンジンを使用しているため、基本的にはGoogle検索エンジンへの対策を行えば、Yahoo!検索エンジンにも対策できます。では、GoogleでのSEO対策はどのようにすれば良いのでしょうか。
GoogleでのSEO対策の重要なポイントとは?
GoogleのSEO対策で、最も優先して行っておきたい対策は、以下の2つです。
- SEOキーワードの選び方
- 質の高いコンテンツ作り
SEOキーワードは、検索ボリュームが多く競合の少ないキーワード(ロングテールキーワード)を選んで、検索結果の上位表示を狙うことがポイントです。
また、質の高いコンテンツを作るためには、そのキーワードを検索したユーザーがどのような疑問や悩みを抱えているかを知り、それを解決できるコンテンツを書くことが大切です。ユーザーにとって読みやすく、わかりやすい記事であるかも、記事の品質向上のための必須ポイントです。
これら2点がクリアできれば、かなりのSEO効果が期待できます。しかし、これだけで十分な成果が得られない場合は、以下のような対策も行うと、サイトのSEO評価をより高めることにつながります。
- モバイルファーストな設計
- サイトスピードの向上
- 画像の軽量化
- 内部リンク対策による回遊率の向上
あくまでもコンテンツ制作を最優先しながら、できることから一つひとつ対策していけば良いでしょう。
「定期的な効果測定と改善」がSEOを高めるコツ
コンテンツを公開したら、定期的な効果測定と改善を繰り返すことが、SEO効果を高めるコツです。
Google アナリティクスを活用してアクセスの多いコンテンツやブラウザ・デバイス・参照元などをチェックしたり、Google サーチコンソールからコンテンツが狙ったキーワードで上位表示されているのかを確認したりして、サイトのメンテナンスに生かしましょう。
サイトは常にメンテナンスが必要です。コンテンツの見直しなど必要な対策を行えば、それに応じて検索順位が上がったり、アクセス数が増えたりするなど、目に見えて成果も表れてきます。反対に、放置していても、まったく効果は上がらないので、サイトのメンテナンスは必ず行うようにしましょう。
「数」ではなく「人」を意識してSEO対策を
サイトのSEO対策は、GoogleでのSEO対策が主流です。しかし、対策するのは検索エンジンではなく、あくまでもその向こうにいる「人」だということを意識して行いましょう。
検索流入やアクセスなどの「数」にとらわれず、自社サイトがどのような経緯で見られているのか、どのような人に見てもらいたいのかをサイト運営者は最も重要視すべきです。
サイトによってユーザーの属性は、それぞれ異なります。自社サイトのユーザーに合ったコンテンツを考え、ユーザーに喜ばれるコンテンツを提供しながら、検索エンジンにも評価されるサイト構築を目指しましょう。