マーケティングオートメーションとは、見込み客の段階に合わせて最適化された営業を可能にする、新たなマーケティング手法のことです。その成功の秘訣は、オウンドメディアやメールによる効果的な情報発信にあります。この記事では、マーケティングオートメーションの機能や導入するメリット、見込み客に応じて必要なコンテンツなどについてご紹介します。

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーションとは、企業が見込み客を獲得・育成し、見込み度の高い顧客を営業担当者に引き渡すまでのマーケティング業務を自動化・最適化してくれる仕組みやツールのことです。Marketing Automationの頭文字から、“MA”と略されたりもします。

マーケティングオートメーションは、1992年にアメリカで初めて導入され、2014年ごろから日本の企業でも本格的に導入されるようになりました。現在では、マーケティング手法の多様化やオンラインツールの普及などにより、ますます需要が高まってきています。

マーケティングオートメーションでは、主に以下の4つのことが可能です。

  1. 見込み客の創出(リードジェネレーション)
  2. 見込み客の育成(リードナーチャリング)
  3. 見込み客の選別(リードクオリフィケーション)
  4. 見込み客の管理(リードマネジメント)

見込み客(リード)の行動や興味・関心の度合いなどを一括して管理できるようになるため、最適なタイミングでその見込み客にあったアプローチができるのが特徴です。

マーケティングオートメーションの機能

マーケティングオートメーションの機能

オウンドメディアやWeb広告などのWebマーケティングを導入している企業では、マーケティング部門と営業部門という2つの部署が連携し、見込み客をフォローしている場合がほとんどです。

一般的には、マーケティング部門が見込み客の創出から育成・選別までを行い、見込み度の高い顧客リストを営業部門に引き渡して商談へと進めていくという流れになっています。ところが、今までマーケティング部門と営業部門が異なった仕組みやツールを使っている場合が多く、営業リストの移行にも時間や労力がかかっていました。

マーケティングオートメーションの誕生は、そのような部署間の課題を解決し、顧客の創出から営業までのプロセスを共通の仕組みやツールのもとで管理することを可能にしました。さらには、顧客一人ひとりを個別に管理することで、より効率的なアプローチが実現できるようになったのです。

それでは、マーケティングオートメーションの基本的な5つの機能について見ていきましょう。

見込み客の管理・リスト作成

オウンドメディアやWeb広告、展示会、セミナーなどあらゆる集客経路から獲得した見込み客のデータを一元管理します。見込み客データには、会社名や役職、名前、連絡先などの基本情報に加え、Webサイトの閲覧履歴や送信メールの開封、クリック状況、資料請求や見積もり請求などの具体的な行動まで含まれます。

また、企業訪問や名刺交換などで得られた名刺をデータ化して、顧客情報を作成することもできます。

見込み客の行動履歴まで管理することで、その見込み客の興味、関心の度合いを把握でき、顧客にあったアプローチを行うことが可能になります。見込み客の情報は、属性や区分、購入意欲の度合いなどによって自由に抽出でき、リスト作成にも役立ちます。

メール配信機能

見込み客の属性や区分、行動履歴などから、その見込み客の興味、関心の度合いに応じて最適化されたメールを配信できます。

例えば、「Webサイトに掲載されている料金プランページを1日2回以上閲覧した」という、興味、関心が比較的高い見込み客のみを抽出して、料金プランの選び方やお得な特典の案内など、購入意欲を高めるためのコンテンツをメールで配信するといった使い方ができます。

また、見込み客がメールを開封しているか、メール内のどのリンクをクリックし、いつどのWebページを閲覧したのかなども追跡できるため、特定のリンクをクリックした見込み客のみに、事前に準備したステップメールを自動配信することも可能です。

営業担当者への通知

購入意欲が高まった見込み客の情報をタイムラグなく営業担当者に通知できるのが、マーケティングオートメーションの大きな機能のひとつです。

マーケティングオートメーションツールの中には、商品購入を検討している見込み客がWebサイトを訪問した際に自動で営業担当者に通知してくれる機能をもつものもあります。最も購入意欲が高いときに、丁寧にフォローすることで、見込み客の購入率を高められます。

一方で、購入意欲がある見込み客もフォローせずに放置すれば、競合企業に流れていくケースもあります。そのような機会損失を防ぐためにも、最適なタイミングで営業担当者が見込み客をフォローできる仕組み作りは必須と言えます。

商談候補の選別

商談候補を選別するためには、その見込み客の興味、関心の度合いや購入意欲の高さなどを適切に把握しておくことが必要です。

マーケティングオートメーションでは、見込み客の行動を細かく点数化(スコアリング)し、その点数(スコア)が十分高まった時点で商談候補に選別するため、一定の購入率を上げることが期待できます。

従来、商談候補の選別は営業担当者の経験によるところが大きいものでした。しかし、スコアという客観的な指標を用いることで、営業担当者の経験やスキルにかかわらず、購入意欲の高い見込み客との商談を常にセッティングすることが可能になりました。

各種データをレポート

マーケティングオートメーションツールを活用することで、Webサイトのページ閲覧数や流入経路、資料ダウンロード数、購入率などの各種データをレポートとして出力できます。数値をグラフにするなど、わかりやすく可視化することも可能です。

月次レポートを活用し、毎月の目標達成度や施策に対する評価を確認することで、マーケティングの改善や営業課題の解決に生かすことができます。

マーケティングオートメーションが注目される背景・導入のメリット

マーケティングオートメーションが注目される背景・導入のメリット

マーケティングオートメーションが注目されるようになった背景には、インターネットの普及により、見込み客の購入プロセスが変化してきたことがあげられます。

これまで、企業における営業では、営業担当者が電話や訪問などで見込み客に直接アプローチするのが主流でした。多くの場合、見込み客は営業担当者から提供された資料を見ながら、購入を判断していたのです。

ところが、インターネットの普及により、見込み客は各企業の商品・サービスの情報をWebサイトなどから容易に入手できるようになり、複数の商品・サービスの中から比較・検討して、購入を決めるようになりました。

そのため、商品・サービスを知ってから購入を決めるまでのプロセスが長くなり、見込み客の興味、関心の度合いも千差万別となりました。

さまざまな段階にある見込み客に効果的な情報を発信し、購入意欲を高めるために、一人ひとりにあったマーケティングおよび営業活動が求められるようになりました。そのようにして登場したのがマーケティングオートメーションです。

ここでは、マーケティングオートメーションの導入によって得られる2つの大きなメリットについてご紹介します。

的外れな営業が回避できる

営業は数を打てば当たる、というような旧来の考えでは、これからの新規顧客の獲得は簡単ではないでしょう。見込み客をスムーズに購入につなげていくためには、その見込み客が「欲しい情報」を「欲しいタイミング」で届けていくことが必要です。

マーケティングオートメーションを導入すれば、見込み客が今どのような状況にあるのかを数値化して知ることができます。また、特定の条件にあう見込み客のみを絞って、その見込み客が欲するコンテンツを提供できるため、的外れな営業や悪いタイミングでのアプローチを回避できます。

アプローチするタイミングがはかれる

これまで、営業担当者の主観や経験によって見込み客を選別し、営業をかけるケースが一般的でした。しかし、営業担当者のスキルや経験によって精度が決まるうえ、営業担当に配置できる人員によってはアプローチできる件数にも限界がありました。

マーケティングオートメーションの導入で得られる大きなメリットは、見込み客の創出から育成、選別、管理までを自動化、最適化できるため、いつ誰にアプローチしたらよいのかを、見込み客の行動や反応から判断できることです。

例えば、購入意欲の高い見込み客がWebサイト上で自社商品・サービスを調べているタイミングに合わせて、アプローチをかけるといったことが可能になります。

営業担当者のスキルや人員の数にかかわらず、一定の購入意欲のある見込み客を抽出できるため、購入率のアップが期待できます。また、営業の無駄をなくし、営業担当者のモチベーション向上にもつながります。

マーケティングオートメーションで結果を出すには1年は必要?

マーケティングオートメーションで結果を出すには1年は必要?

マーケティングオートメーションは購入意欲の高い見込み客を生み出していくための効率的なマーケティング手法です。しかし、導入から成果が出るまでには、それなりの期間が必要になります。なぜなら、マーケティングオートメーションで成果を出すためには、以下のような導入プロセスとコンテンツが必要だからです。

マーケティングオートメーション導入のためのプロセス
  • 現在の営業課題の把握
  • 導入の目的の明確化
  • 必要なツールの選定
  • 業者の選定と発注
  • 運用ルールの策定
  • ツールの導入と試験運用
  • ツールの本格運用

マーケティングオートメーションに必要なコンテンツ
見込み客を集客するための
コンテンツ
オウンドメディア、SNS、Web広告
見込み客を創出するための
コンテンツ
無料資料ダウンロード、無料相談会
見込み客の興味・関心を
高めるためのコンテンツ
メールマガジン、ステップメール
購入意欲の高い見込み客に
見てもらうコンテンツ
業者比較一覧、価格一覧表

上記のような導入プロセスとコンテンツを準備するためには、少なくとも半年はかかります。さらに、マーケティングオートメーションの導入効果を測定、検証、改善し、安定した成果を出すためには1年ほどは見ておいたほうがよいでしょう。

しかし、一度仕組みづくりができれば、新規顧客の開拓はもちろん、既存の見込み客へのフォロー体制もできるため、営業の効率化が見込めます。導入に当たっては、解決したい課題や導入目的、必要なツールなどを明確にし、自社にあったマーケティングオートメーションを採用するようにしましょう。

マーケティングオートメーションはオウンドメディアと相性が良い

オウンドメディアと相性が良い

マーケティングオートメーションで成果を出すためには、コンテンツが必要だとお話しました。特に、見込み客の集客と創出のために欠かせないのがオウンドメディアによる情報発信です。

オウンドメディアでは、以下のようなコンテンツを提供することができます。

  • 潜在的な見込み客を集客するためのコンテンツ
    特定の業界や分野における各種課題の解決につながるような役立つ情報やノウハウ
  • 自社商品・サービスへの興味・関心を高めるためのコンテンツ
    自社商品・サービスの特徴や購入するメリット、活用ノウハウ、導入事例、Q&Aなど
  • 新規の見込み客を創出するためのコンテンツ
    無料資料ダウンロードへの誘導など

また、見込み客を育成するメールマガジンやステップメールにおいても、オウンドメディアのコンテンツとリンクさせることで、よりわかりやすく充実した情報を届けることができ、相乗効果を期待できます。

マーケティングオートメーションで成功するためには、見込み客の検討段階に応じた付加価値のあるコンテンツを提供することが大前提です。そのための土台となるのがまさに、オウンドメディアによる情報発信だと言えます。

マーケティングオートメーションの本質は「見込み客を効果的に導く」こと

マーケティングオートメーションの本質は、単に新たなツールを導入することではなく、見込み客の満足度を高め、より効果的に導くためのプロセスとコンテンツの構築にあります。

見込み客の創出・育成・選別・管理の4つのプロセスとマーケティングオートメーションの役割や提供するコンテンツとのかかわりをまとめると、以下の通りになります。

1
見込み客の創出(リードジェネレーション)

オウンドメディアを活用した情報発信および無料資料ダウンロードによるリード獲得

2
見込み客の育成(リードナーチャリング)

無料資料ダウンロードやお問い合わせのあった見込み客に対してメールマガジンやステップメールなどを配信する

3
見込み客の選別(リードクオリフィケーション)

購入意欲の高い見込み客の行動や反応に合わせて適切なタイミングで営業担当者からアプローチする

4
見込み客の管理(リードマネジメント)

マーケティング部門、営業部門が共通の仕組みやツールを使用することで業務を効率化して機会損失を防ぐ

オウンドメディアを本格運用される企業であれば、マーケティングオートメーションも視野に入れながら運用することで、質の高いコンテンツ作成や効果的なWebマーケティング施策にもつながります。

この記事を参考に、オウンドメディアとマーケティングオートメーションの活用について一度検討してみてはいかがでしょうか。