Webサイトの成果(コンバージョン)を最大化するマーケティング手法として最近注目されているのがWeb接客です。Web接客を導入することで、自社サイトを訪れた個々のユーザーにあった「おもてなし」を実現し、ユーザー登録や商品購入などの成果を上げられます。この記事では、Web接客の種類と特徴、選び方のポイント、おすすめのツールなどをご紹介します。

Web接客とは

Web接客とは、Webサイトを訪れたユーザーに対して、ポップアップやチャットなどの機能を利用して、個々のユーザーにあったコミュニケーションを取ることで購買意欲やコンバージョンを高めるWebマーケティング手法のことです。

オウンドメディアやECサイトなどで導入が進んでおり、ユーザーの滞在時間や行動履歴などに応じて、適切なコンテンツを提供することでユーザーの疑問を解決したり、マッチした商品・サービスを提案したりするなど、One to Oneマーケティングを実現します。

これまで、実店舗ではお客様に対する接客は当たり前のものとして行われてきましたが、Webサイトの訪問者に対しては具体的な施策はほとんどありませんでした。

しかし、Web接客の登場により、Webサイトを訪れたユーザー一人ひとりへの接客(おもてなし)が可能になり、ユーザーの満足度を高めながらコンバージョンも向上させるという効果的な施策ができるようになったのです。

さらに、最近では新型コロナウィルスなどの感染症の拡大が心配されていることから、実店舗だけでなくWeb上での接客も需要が高まってきています。オンラインで企業とユーザー(お客様)が良好な関係性を築ける手法は、これからの時代にますます重要なものになってくるでしょう。

Web接客の必要性

Web接客が必要となってきた背景には、若者層だけではなく高齢層のインターネットユーザーが増えていることがあげられます。総務省が平成30年9月に発表した「統計からみた我が国の高齢者」調査によると、65歳以上の高齢者世帯のネットショッピングの利用は過去10年間で2.6倍にも上昇していることがわかっています。

一般的に、高齢層のユーザーは若者層に比べて、Webサイト上で必要な情報を探したり、商品やサービスを比較・検討したりすることにあまり慣れていません。ただ情報を羅列しただけのWebサイトでは、「よくわからない」という理由からユーザーが離脱する可能性も高くなってしまいます。

そこで、ユーザー一人ひとりにあった接客(おもてなし)がWeb上にも必要とされ、導入されているのがWeb接客なのです。Web接客ではさまざまなツールを使って、ユーザーとのコミュニケーションを促進することができます。

Web接客でユーザーの不安や疑問を解消

Webサイトは実店舗と違い、店員に自由に質問したり、商品を探してもらったりすることができません。「これを知りたいんだけど、どうしたらいいのだろう?」と疑問をもちながら、Webサイトを利用した経験もあるのではないでしょうか。

Web接客ではそのようなユーザー心理を分析し、ポップアップやチャットなどを使って、ユーザーにあった声かけを行えます。Webサイトの閲覧中に「何かお困りですか?」とチャット欄が表示されるのも、代表的なWeb接客のひとつです。

実際、筆者自身も自動車保険をインターネット契約するときに、どうしても解決できない疑問があり、チャット上で質問したらすぐに答えが返ってきたので安心して契約できた、という経験があります。

このように、Web接客を活用することでユーザーの不安や疑問を解消し、購買意欲やコンバージョンを高めることができます。さらに、Web接客の対応が満足いくものであれば、その企業やサービスに対する評価も高まり、ブランディングにもつながります。

Web接客のメリット

個々のユーザーに合わせたコミュニケーションを通して、ユーザーとの良好な関係性を築けるのがWeb接客の大きな魅力です。Web接客を導入することで得られる具体的なメリットは以下の4つです。

サイト離脱率を下げる

ユーザーの行動履歴に応じて最適なWeb接客を行うことでサイト離脱率を下げられます。例えば、ユーザーがWebサイトを閉じる前に、興味・関心をもってもらえそうなコンテンツやお得な情報を提示することで、ユーザーの離脱率を抑え、ページビューや回遊率を高めることができます。

購買意欲やコンバージョンを高める

ユーザーの不安や疑問を解消してあげたり、最適な提案を行ったりすることで、購買意欲やコンバージョンを高めることができます。そもそもユーザーが不安や疑問を抱くのは、その商品・サービスに関心があるからです。そのユーザー心理にWeb接客でしっかりと応えてあげれば、納得して購入してもらうことができます。

顧客ニーズを把握できる

ユーザーとのやりとりを通して、どのような情報に関心があるのか、どのようなサービスが求められているのかといった顧客ニーズが把握できます。Web接客はただ導入するだけではあまり意味がありません。顧客ニーズに応じて実践と検証を繰り返しながら、ユーザーにとって優しいサイト設計やコンテンツ作成を行うことで、より成果が上げられます。

他社サイトとの差別化やブランディングができる

Web接客は業種によってはまだ導入していない企業も多くあります。いち早く活用できれば他社サイトとの大きな差別化につながります。また、ユーザーに寄り添った接客・対応により、ユーザーの満足度が高まれば、企業やサービスのブランディングにもつながります。

Web接客の種類と特徴

Web接客の種類と特徴

Web接客には大きく分けて、「ポップアップタイプ」と「チャットタイプ」の2種類があります。ここでは、それぞれのタイプの特徴について解説します。

ポップアップタイプ

ポップアップタイプでは、ユーザーの滞在時間や行動履歴に応じて、ユーザーの興味・関心のあるコンテンツや限定キャンペーンなどを最適なタイミングで表示させることができます。

例えば、

  • 「滞在時間が5分以上」
  • 「カートに商品を入れている」
  • 「価格一覧表を見ている」
  • 「サイトを閉じようとしている」

など、ユーザーごとに最適なポップアップを表示させることが可能です。ユーザーの離脱率を抑え、顧客化へのプロセスを改善するために用いられます。

チャットタイプ

チャットタイプでは、ユーザーとのコミュニケーションを通して、不安や疑問を解消し、ユーザーとのよりよい関係性を構築することができます。

7ネットショッピング
7ネットショッピング https://7net.omni7.jp/top

チャット機能は、実際にオペレーターがリアルタイムで対応するものから、AIによって自動対応できるものまであります。対応のきめ細かさとスピード感が特徴です。ユーザーの利便性を高め、購入やお問い合わせなど、最終的なコンバージョンを高めることに用いられます。

Web接客ツールの最適な使い方とは

どんなに便利なWeb接客ツールでも、使いどころを間違えると、かえって逆効果になります。例えば、読みたいコンテンツをふさいでしまう全面ポップアップや「購入」ボタンを押さないと消えないポップアップは、ユーザーをとても不快にさせてしまいます。

Web接客の本質は、ユーザーへの「おもてなし」を実現することです。ユーザーに「心地よい体験」を提供することがWeb接客で成功するための最大の秘訣です。

そのためには、以下のようなポイントを押さえて使用することが大切です。

  • ユーザーへの配慮
    読みたいタイミングに読みたいコンテンツを表示させているか、ユーザーの利便性を妨げていないか
  • ユーザーへのわかりやすさ
    知りたいことがすぐ見つかるか、不安や疑問を解決できるサポートがあるか
  • ユーザーへの感動提供
    購入してくれたユーザー限定の特典配布、ユーザーにさらに喜んでもらえるプラスαのサービスなど

これらのポイントを定期的に確認・検証・改善していくことが、Web接客の質をより高めることにつながります。

Web接客ツールの選び方

Web接客ツールにはさまざまな種類や特徴があります。導入後に後悔しないように、以下の5つのチェックポイントを事前に確認して選ぶようにしましょう。

導入目的は何か

まず、Web接客ツールを導入する目的を明確にしましょう。オウンドメディアやECサイトなど、Webサイトの種類によって導入目的も異なります。ユーザー登録などのコンバージョンを上げたいのか、それともWebからの売上実績を上げたいのか。導入目的がはっきりするほど、ツール選びもしやすくなります。

必要な機能は何か

導入目的が明確になったら、そのために必要な機能は何かを考えてみましょう。例えば、ユーザーの離脱率を下げて無料資料ダウンロードにつなげるポップアップ機能や、ユーザーの購入率を高めるためのきめ細かいチャット機能、またはポップアップとチャットをユーザーによって使い分ける機能など。

ツールにはそれぞれ得意分野や強みがあります。あなたが導入したい機能が優れているツールを選びましょう。

取得したいデータが得られるか

ユーザーの属性や行動履歴など、ツールによって取得できるデータも異なります。必要なデータがなければ、Web接客の効果を確認・検証することもできません。Web接客の導入目的を達成するために、どのようなユーザー情報が取得できるのかもチェックしておきましょう。

予算はどれぐらいまで可能か

ツールの導入には、それなりのコストがかかります。なかには無料で使用できるものもありますが、ほとんどは初期費用や月額料金がかかります。どれぐらい予算が確保できるのかもツールを選ぶ大切な要素です。もし、最初からコストはかけられないという場合は、試用期間のあるツールで試してみるのもよいでしょう。

サポートが充実しているか

Web接客ツールの導入はそれほど難しくはありません。しかし、ツールの設定や使い方に不安がある場合は、よりサポートの充実したツールを選ぶことをおすすめします。あなたのWebサイトにあいそうなツールがいくつかあったら、サービスの質で決めるのもよいでしょう。

編集部が選ぶWeb接客ツール10選

編集部が選ぶWeb接客ツール10選

ここでは、企業がオウンドメディアや自社サイトなどで使えるおすすめのWeb接客ツールを10個を厳選してご紹介します。ポップアップタイプやチャットタイプなど、それぞれの強みや特徴がありますので、ぜひ自社Webサイトにあったツールを探してみてください。

「顧客目線」にこだわった高機能なWeb接客ツール
「KARTE」

KARTE
https://karte.io/

KARTE(カルテ)は、ポップアップ・チャットの両方に対応している高機能なWeb接客ツールです。「顧客目線」をキーワードに、ユーザーによりよいCX(顧客体験)を提供することを目的に開発され、サイト来訪者のリアルタイム解析や、来訪パターンに応じた自由度の高いポップアップ・チャットの導入が可能です。

CXプラットフォームとしても国内最大級のシェアを占めています。

KARTEの特徴

  • 業種を問わず数多くの企業で導入実績あり
  • 拡張機能や関連ツールが豊富
  • 初期費用・料金は要見積もり

ポップアップもチャットもシンプルに導入できる
「Flipdesk」

Flipdeskは、ポップアップ・チャットの両方に対応しており、来訪したユーザーの情報を自動分析し、最適なバナーやクーポン、チャットなどを表示させるWeb接客ツールです。導入方法がシンプルで、充実した運用サポートもあるため、安心して利用できます。

Flipdeskの特徴

  • 導入実績は800社、1,200サイト以上
  • 初期費用は15万円、月額料金は5,000円から
  • 導入から運用まで手厚いサポートあり

オウンドメディアでの実績が多い
「CODE Marketing Cloud」

CODE Marketing Cloudは、ポップアップ・チャットの両方に対応しているWeb接客ツールです。500社以上の企業サイトやオウンドメディアで導入され、コンバージョン改善の実績があります。BtoB、BtoCを問わず幅広い業種で利用できるツールです。

CODE Marketing Cloudの特徴

  • 企業サイトやオウンドメディアのコンバージョン改善に強い
  • 500社以上の企業で導入
  • 初期費用・料金は要見積もり

「おもてなし」を追求したポップアップ型Web接客ツール
「Sprocket」

Sprocketは、ポップアップタイプに特化したWeb接客ツールです。Web上でも実店舗と同じような「おもてなし」をユーザーに体験してもらうことを追求し、ツールの提供だけでなく、企画・実行・改善までの一連をサポートしています。迅速なPDCAで成果を出しており、利用者の継続率は93.8%を誇っています。

Sprocketの特徴

  • お客様心理を理解した100以上の成功シナリオで最適なWeb接客を実現
  • オウンドメディア・ECサイト・コミュニティサイトで多数の実績あり
  • 初期費用・料金は要見積もり

永年無料で始められるAI搭載のWeb接客ツール
「ecコンシェル」

ecコンシェルは、6,500社以上の導入社数を誇るポップアップタイプのWeb接客ツールです。高性能AIによる自動最適化で、コンバージョン改善に特化したサービスを提供しています。とにかくリーズナブルで、小規模サイトなら永年無料(フリー)で使用できます。Webサイトの規模に応じたプラン選択が可能です。

ecコンシェルの特徴

  • 小規模サイトから大規模サイトまで幅広く対応可能
  • Webサイトのコンバージョン改善に特化したサービス
  • フリープランから有料プランまでニーズに合わせた料金設定

基本機能が完全無料で使えるWeb接客ツール
「Juicer」

Juicerは、ポップアップタイプのWeb接客ツールで、Webサイト分析・改善のための基本機能が完全無料で使えるのが特徴です。ユーザーを行動履歴に応じて細分化し、反応率の高いポップアップを表示させることが可能です。

Juicerの特徴

  • 基本機能は完全無料で追加オプションのみ有料
  • コンバージョン向上やサイト導線改善に特化
  • 業種や規模を問わず、3万サイト以上で導入実績あり

サイト回遊率の向上に特化したWeb接客ツール
「KaiU」

KaiU(カイユウ)は、その名の通り、サイト回遊率を高めて、コンバージョンを改善することに特化したポップアップタイプのWeb接客ツールです。一度来訪したユーザーの離脱を防止するための多彩なポップアップ表示を得意としています。オウンドメディアでの実績もあり、これから新しくWebメディアを始めたい方にもおすすめです。

KaiUの特徴

  • ユーザーの離脱防止と回遊率向上、コンバージョン改善に特化
  • 多彩なポップアップ表示でオウンドメディアにも最適
  • 初期費用・料金は要見積もり

国内最多の導入数を誇るチャットタイプのWeb接客ツール
「Chamo」

Chamo(チャモ)は、累計4,500社以上が導入している国内最大手のチャットタイプに特化したWeb接客ツールです。個人事業から上場企業まで、さまざまな規模・業種で導入可能で、豊富な自動話しかけ機能がそろっています。15日間の無料体験もできるので手軽に始められます。

Chamoの特徴

  • 累計4,500社以上の企業サイト・ECサイトで導入実績あり
  • 直感的な操作でデザイン・メッセージを自由に作成可能
  • 料金は月額6,980円から(15日間無料体験あり)

安いのに機能が豊富なチャットタイプのWeb接客ツール
「ChatPlus」

ChatPlus(チャットプラス)は、月額1,500円から始められるチャットタイプのWeb接客ツールです。安いのに機能が豊富で、チャット機能以外にも、ユーザーのメールアドレスを取得できるポップアップ表示やユーザーをIPアドレスから自動判別できる機能などもついています。チャット代行サービスなどのオプションメニューもあります。

ChatPlusの特徴

  • 累計2,500社以上の導入実績あり
  • 有人対応もチャットボット対応も可能
  • 初期費用無料、月額1,500円から(10日間無料体験あり)

多言語対応ができるチャットタイプのWeb接客ツール
「Zendesk Chat」

Zendesk Chatは、多言語サイトにも対応可能なチャットタイプのWeb接客ツールです。企業のブランドデザインにあわせたチャットウィジェットを自由に作成できるため、ユーザーが違和感なく利用できるのが特徴です。LINEやSNSのチャットにも対応でき、ユーザーのモニタリングや分析機能も豊富です。

Zendesk Chatの特徴

  • 海外ユーザー向けの多言語サイトにも導入可能
  • フィードバック収集やファイル送信など機能が豊富
  • 月額料金は14ドルから(無料のライトプラン、無料体験期間あり)

Web接客ツールでさらに上の「おもてなし」を!

これからのWebマーケティングは、デジタルな施策だけではなく、ユーザーとのつながりを深め、心地よい顧客体験を提供していくことが求められます。Web接客ツールを活用することで、ユーザーにワンランク上の「おもてなし」を実現し、あなたのビジネスをさらに成長させることも可能です。

この記事を参考に、オウンドメディアやECサイトにもWeb接客ツールの導入を考えてみてはいかがでしょうか。