コンテンツSEOは、これからのWebマーケティングには欠かせない集客方法のひとつです。この記事では、コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違いやオウンドメディアにおけるコンテンツSEOおよびマーケティングの可能性、「質の高いコンテンツ」を作成するコツについてご紹介します。ぜひ、オウンドメディア成功のヒントにしてください。
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い

コンテンツSEOとコンテンツマーケティングとは、言葉は似ていますが意味合いは大きく異なります。わかりやすくお伝えすると、コンテンツSEOは検索エンジンからの集客を目的とし、コンテンツマーケティングは商品やサービスの購入を目的としています。まずは2つの違いを正しく理解しておきましょう。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、質の高いコンテンツを通して検索流入を増やし、見込み顧客を集客する方法のことです。
Googleは2013年ごろから、サイトのコンテンツをSEOの重要な要素として掲げてきました。コンテンツSEOでは、良質なコンテンツを通して検索上位を狙い、検索流入からの集客を増やすのが大きな目的です。
一般的には、需要があり、かつライバルが少ないロングテールキーワードを狙ってコンテンツを量産し、幅広くユーザーを集める手法が用いられています。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを通してユーザーとの関係性を構築し、商品やサービスの購入につなげるマーケティング手法のことです。
コンテンツマーケティングには、以下のようなコンテンツが必要とされます。
- 見込み顧客を集客するためのコンテンツ
- 見込み顧客の興味・関心を引き付けるためのコンテンツ
- 商品やサービスの購入を促進するためのコンテンツ
これらのコンテンツのうち、集客のためのコンテンツを担当するのがいわゆるコンテンツSEOです。コンテンツSEOとはあくまでも、コンテンツマーケティングの施策のひとつなのです。
このように、集客を目的とするものがコンテンツSEOであり、商品やサービスの購入までを目的とするものがコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングでは、ユーザーへの各種コンテンツの配信とともに、購入までの動線づくりも大切な要素として含まれます。
集客だけではオウンドメディアの存在が薄い?

検索流入からの集客だけが目的なら、従来のコーポレーションサイトやブログサイトでも十分でしょう。要は、検索上位に表示される良質なコンテンツを作成できればよいのです。
しかし、集客した見込み顧客を購入や契約などの具体的な成果に結び付けたいのなら、集客後の仕組みづくりがとても重要です。その点において、オウンドメディアにはさまざまな機能があります。
ここでは、コンテンツSEOだけでなく、コンテンツマーケティングまで含めた、オウンドメディアの役割や可能性について4つのポイントでご紹介します。
ユーザーの「知りたい」を満たす
検索経由からサイトを訪れたユーザーは、コンテンツを通して、悩みや疑問を解決したいというニーズがあります。それらに答えてあげるのがコンテンツSEOの役割です。
一方、コンテンツマーケティングではさらに、サイトを訪れたユーザーにあなたの商品やサービスについて認知してもらう必要があります。そのため、一度訪れたユーザーに対して、以下のようなコンテンツを提供してユーザーとの関係性を深めていくことが大切です。
ユーザーの認知段階に応じて必要な4種類のコンテンツ | |
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商品・サービスを 知らない | 商品・サービスを認知させるためのコンテンツ |
商品・サービスを 知っている | 商品・サービスへの興味・関心を高めるためのコンテンツ(商品の詳細情報やサービスの特徴など) |
商品・サービスの 購入を検討している | 商品・サービスの購入意欲を高めるためのコンテンツ(競合他社との違いや購入するメリット、購入特典など) |
商品・サービスを 購入したい | 商品・サービスの購入ページ、購入者限定のコンテンツなど |
コンテンツSEOでは主に集客のためのコンテンツが重要視されるので、集客に結び付かないキーワードでのコンテンツは作成されません。
しかし、オウンドメディアでは、サイトを訪問したユーザーの認知段階に応じて、さまざまなコンテンツを配信することが可能です。それぞれのユーザーの「知りたい」を満たすことで、購入までのステップを無理なく進めることができます。
Web接客ツールやダウンロードコンテンツでフォロー
サイトに訪問したユーザーを逃さず、見込み顧客として獲得していくためには、Web接客ツールやダウンロードコンテンツでフォローしていく仕組みづくりも必要です。
Web接客を導入することで、ユーザーの離脱を抑えるポップアップ表示やリアルタイムでやりとりできるチャットツールなどが手軽に利用できます。また、無料資料請求やダウンロードコンテンツを通して、見込み顧客のメールアドレスを取得して、ニーズ・状況に応じた個別のフォローや限定コンテンツの配信なども可能です。
オウンドメディアでは、Web接客ツールの導入やダウンロードコンテンツの設定が比較的簡単にできるため、見込み顧客の獲得にも大いに役立ちます。
メールマガジンへの誘導
見込み顧客の興味・関心を高めるコンテンツとして代表的なものがメールマガジンです。無料コンテンツをダウンロードしてくれた見込み顧客に、お役立ち情報や限定コンテンツなどを配信することで、見込み顧客とのよりよい関係性を構築できます。
また、見込み顧客の興味・関心の度合いに応じて、特定の見込み顧客のみを対象にしたステップメールを活用することで、さらに幅が広がります。
メールマガジンは、オウンドメディア上のコンテンツや商品購入ページに誘導することも可能です。うまく活用することで、見込み顧客をより細かくフォローでき、購入率を上げることも可能になります。
検索流入から成約までオウンドメディア上で完結する
オウンドメディアでは、コンテンツSEOによる集客から、集客した見込み顧客のフォロー、見込み顧客が求める各種コンテンツの提供、購入プロセスへの誘導などを通して、検索流入から成約までの流れを同一サイト上で完結させることができます。
また、オウンドメディアからコーポレーションサイトやオンラインショッピングサイトへの動線を作ることで、既存の購入プロセスへより効率的に誘導することも可能になります。
例えば、オウンドメディアで見込み顧客の集客とフォローを丁寧に行い、購入意欲の高い見込み顧客のみをオンラインショッピングサイトに誘導するという戦略も可能です。
このように、オウンドメディアはコンテンツSEOやコンテンツマーケティングとの親和性が高く、企業のオンラインマーケティングにおいて重要な役割を担っていることがわかります。
「質の高い」コンテンツの定義

それでは、オウンドメディアのコンテンツSEOに欠かせない「質の高いコンテンツ」とはどのようなコンテンツでしょうか。ここでは、検索上位に表示されやすく、ユーザーにも好まれる良質なコンテンツを作成するための3つのコツをご紹介します。
検索キーワードについてユーザーが知りたいことを満たしている
まず、検索キーワードについてユーザーが知りたいことを十分に満たしていることが、質の高いコンテンツの必須条件です。
ユーザーが情報を検索するのは、何かしらの悩みや疑問を解決したいからです。「これを解決したい」「これを知りたい」という検索ニーズを100%満たしているコンテンツは、検索エンジンからも高く評価されます。そのためには以下の3点をよく理解することが大切です。
- 検索しているユーザーはどんな人か
- ユーザーが今すぐ知りたいことは何か
- ユーザーがそのほかに知りたいことは何か
それでは、一つひとつの内容を詳しく解説していきます。
検索しているユーザーはどんな人か
検索しているユーザーがどのような人かによって、コンテンツの構成や内容、表現方法なども変わります。例えば、検索ユーザーが主婦なのか、ビジネスマンなのか、学生なのかによって、それぞれのユーザーにあったコンテンツの書き方が求められます。
主婦の方であれば生活に身近な言葉や例えを多く取り入れたり、ビジネスマンであればビジネス用語やよくあるビジネスシーンを織り交ぜて解説したりすることによって、ユーザーにより伝わりやすいコンテンツになります。
ユーザーの年齢や性別、職業、家族構成、生活スタイル、悩み・疑問などをできるだけ具体的にイメージすることが大切です。
ユーザーが今すぐ知りたいことは何か
検索キーワードから、ユーザーが今すぐ知りたいことは何かを理解することは、ユーザーの検索ニーズに答えるコンテンツ作成のためには不可欠です。
例えば、「写真 上達 コツ」というキーワードで検索するユーザーがいたとします。このユーザーが今すぐ知りたいことはもちろん、「写真を上達するコツ」についてですよね。
カメラの構造や理論的な話よりも、写真撮影が上達する方法やノウハウを知りたいわけです。ですから、「写真撮影が上達する7つのコツ」といったコンテンツを書いてあげたら、ユーザーのニーズを満たすことができます。
ユーザーがそのほかに知りたいことは何か
ユーザーが今すぐ知りたいこと以外に、ユーザーの潜在ニーズを満たす情報までまとめられたコンテンツは「ユーザーの役に立つコンテンツ」として高く評価される傾向にあります。
例えば、「写真 上達 コツ」というキーワードで検索するユーザーの中に、SNS映えする写真を撮りたいという潜在ニーズがあったとします。
「写真撮影が上達する7つのコツ」というコンテンツを書いた後に、補足情報としてSNS映えする写真を撮るためのコツも合わせて紹介したら、「そうそう、こんな写真を撮りたかったんだよね!」と喜んでもらえるかもしれません。ユーザーに役立つ記事は、拡散され被リンクも集まりやすいため、結果的にSEO評価も高くなります。
ユーザーが知りたいことは、必ずしも検索キーワードに表れているとは限りません。そのキーワードを検索するユーザーの行動心理や潜在ニーズまで深掘りしていくと、より質の高いコンテンツを作成することが可能です。
独自性(オリジナリティ)が高い
検索エンジンは独自性(オリジナリティ)が高く、ユーザーにとって有益なコンテンツをより高く評価します。
独自性を生み出すためには、あなた自身の体験談や感情を盛り込むことが効果的です。例えば、「写真 上達 コツ」というキーワードのコンテンツの場合、あなたが写真撮影を上達するために実際にやったことや上手く撮れた写真、失敗した写真などを紹介すると、コンテンツにも説得力が増し、ユーザーにも喜ばれます。
また、失敗したときの悔しさや、上手く撮れたときの感動まであますことなく表現できたら、ユーザーの共感を呼び、多くのファンをつかむきっかけになるかもしれません。
逆に、他サイトからの引用だらけのコンテンツやコピーコンテンツでは、ユーザーに何の価値も与えることはできません。著作権の侵害はまったく意味がなく、ペナルティが科されることもあるので、絶対にしないようにしましょう。
わかりやすい構成や表現方法で書かれている
ユーザーが読みやすく、わかりやすい構成や表現方法で書かれていることも、良質なコンテンツをつくるうえで大切なポイントです。
わかりやすいコンテンツの構成とは、以下のようなものがあげられます。
- タイトルや見出しがユーザーにとって理解しやすい
- 導入文で本文の要点をうまくまとめている
- 伝えたいことがはっきりしている
- 伝えたいことの根拠がある
- わかりやすい例題がある
- 記事のポイントが一目でわかるようにまとめられている
コンテンツを読むユーザーがどんな人かをイメージしながら、そのユーザーに向けて会話するような気持ちで書くとよいでしょう。
また、読みやすいコンテンツにするためには、以下のような表現方法も効果的です。
- ひとつの文章が長くなりすぎないようにする
- ポイントは箇条書きでまとめる
- 重要な箇所はマーカーを引く
- 補足説明や注意点などはボックスで囲む
- 画像や図解、グラフなどを使って視覚化する
以上のように、ユーザーが知りたいことをわかりやすく伝えてあげることが、質の高いコンテンツを作成していくコツになります。
なお、コンテンツを作成したら定期的にメンテナンスもしておきましょう。常に最新情報に更新されていることも、ユーザーにとって有益なコンテンツの配信につながります。
オウンドメディアならコンテンツSEOからマーケティングまで可能性大
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違いや「質の高いコンテンツ」の定義についてご理解いただけたでしょうか。
オウンドメディアなら、コンテンツSEOからコンテンツマーケティングまで、成果を上げるために必要な機能や仕組みがそろっています。あなたのサイトに訪れたユーザーを見込み顧客として効率的にフォローしていくためにも、この記事を参考にしてぜひオウンドメディアをご活用ください。