自社サイトやオウンドメディアを成長させる秘訣は、質の高い記事をユーザーに提供することです。そのためには、公開前の原稿チェックが必要不可欠です。原稿チェックはプロに依頼するほか、自社内で完結できる方法もあります。この記事では、社内で効率的に質の高い記事を生み出すために押さえておきたい原稿チェックのコツについてご紹介します。

プロではなくても原稿チェックができる?

プロではなくても原稿チェックができる?

原稿チェックは校正・校閲のプロがいるように、専門家が行うのが一般的です。しかし、最近では企業が自社のオウンドメディアを運営することも増えてきており、社内の人員だけで行っているケースも多く見られます。

その理由に、プロに依頼するとその分の費用がかかってしまうこと、自社製品・自社サービスにかかわるオウンドメディアであれば社内の人員にチェックしてもらうほうが効率的だということがあげられます。

この記事では、社内の人員だけで原稿チェックしていくために、原稿チェックの基本やポイントついてわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

“校正”と“校閲”の違い

原稿チェックには、大きく分けて校正と校閲の2つがあります。校正と校閲は、いずれも文章の誤りを正すことです。両者には以下のような違いがあります。

校正文字の表記や語句の使い方などの誤りを正すこと
校閲原稿の意味や内容など文章全体の誤りを正すこと

校正では主に誤字脱字を修正したり、執筆者が書いた原稿と実際に公開する文章に違いがないかどうかをチェックしたりします。一方、校閲では内容の事実関係を確認したり、文章中に矛盾点や不適切な表現がないかどうかをチェックしたりします。

どちらも、記事の質を高めていくためにはなくてはならない大切な工程です。

基本をふまえれば自社の人員でもチェックはできる

原稿のチェックは決して難しいものではなく、一定のルールやポイントを押さえておけば自社の人員でも十分行うことができます。

特に、自社製品・自社サービスに関する情報を取り扱うオウンドメディアであれば、校正のプロよりも社員のほうが情報に詳しくて当たり前です。自社の人員で行うほうが時間短縮、経費節約につながる可能性もあります。

それでは、さっそく原稿チェックの基本について解説していきます。

原稿チェックの基本

原稿チェックの基本

ここでは、原稿チェックの基本や注意すべき点などをお伝えします。これは自社で作った記事だけでなく、外注で作成した記事のチェックにも使えますので、ぜひ習得してご活用ください。

コピーコンテンツのチェック

まずは、コピーコンテンツのチェックです。これは原稿が他の類似する文章のコピー(複製)でないかどうかを確認する作業です。特に、社外のライターに記事を外注したときは、必ず行うようにしてください。

最近は少なくなってきたとはいえ、まだまだコピペ記事は存在します。コピーコンテンツは検索エンジンが最も嫌うものです。記事の品質を落とすだけでなく、企業の信頼にもかかわります。

コピーコンテンツを防ぐには、コピペチェックツールによる確認が効果的です。以下におすすめのコピペチェックツールを2つご紹介します。

Copy Content Detector

Copy Content Detectorは、無料で4,000文字までの文章のコピペチェックができるオンラインツールです。シンプルな設計で使いやすく、コピペチェックに必要な機能が十分そろっていることから、多くのサイト運営者に利用されています。

Copy Content Detectorでは、以下の項目がチェックできます。

類似度WEB上に似ている文章があるかどうか
一致率WEB上に単純に同じ文章があるかどうか
テキスト判定過去にチェックしたサイト内の記事と文章が類似しているかどうか

それぞれの項目で、「コピーの疑い」「要注意」「良好」の3段階による判定結果が出ます。また、自分の原稿と内容が類似しているサイトの情報なども教えてくれるのでとても便利です。

chiyo-co(旧:影武者)

chiyo-co(旧:影武者は)、記事作成代行サービス「Shinobiライティング」を手がけるCROCOが提供するオンラインツールです。実際にShinobiライティングで作成された記事のコピペチェックに使われており、品質には定評があります。

10回まで無料で使用できるお試しプランがあり、有料プランは月額4,400円(月100回分)からニーズに合わせた3つのプランがあります。なお、解析は1,000文字ごとに1回分としてカウントされる仕組みになっています。

類似率の高いサイトURLはもちろん、単語単位、文章単位でどこが同じなのかをマーカーで示してくれるので、どのくらい類似点が多いのか一目で判別できます。

チェック完了後、登録したメールアドレスに結果が送信されるので、WEBブラウザを開いて待つ必要がなく、サクサクと進めます。一度に大量の記事をチェックしたいときには重宝しますね。

まずはざっくり全文を読んでみる

ここからは、自分で原稿をチェックする方法について解説します。まずは全文をざっくりと読んでみましょう。読みながら、「あれ?おかしいな」と思うところがあれば、チェックしておきます。

原稿は印刷してから読むと見落としが少なくて済みます。パソコン上のデータだと、どうしても流し読みしやすいからです。そのうえ、印刷したほうが直接書き込んだり視覚的にも整理しやすかったりするというメリットもあります。

以下に記載する11項目についてチェックしてみましょう。

1.主観で書かれていないかチェック

企業が手がけるWEBサイトやオウンドメディアでは、客観的な事実やデータに基づく正しい情報発信が問われます。読者が一般ユーザーではなく、企業を想定している場合はなおさらのことです。個人ブログのような主観はNGです。

客観的な文章かどうかは自分だけでは判断が難しいため、他人に見てもらうとよいです。複数人でチェックするのも効果的です。

自分でチェックする場合は、いったん時間をおいてから読んでみると、より客観的に見ることができます。

2.“表記揺れ”がないか確認

表記揺れとは、同じ語句が2通り以上の異なる書き方で表記されている場合のことです。表記揺れがあると読みにくい文章になってしまうので、統一した表現にすることが望ましいです。

表記揺れの例 Web、WEB、ウェブ
2020年、令和2年
50000円、50,000円、5万円

複数の表現がある外来語や日付、金額などのほか、漢字の送り仮名やアルファベットの半角・全角文字なども含まれます。社内で一定のルールを設けて表記を統一するようにしましょう。

おすすめ書籍

記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集

Amazon参考価格 2,090円

社内でルールを統一する際に参照したい『記者ハンドブック』。多くの編集者が表記揺れの判断時に参考にしているポピュラーな一冊。

3.誤字脱字や固有名詞・土地名などの確認

誤字脱字は、信頼される記事を書くためには必ずチェックしておくべき内容です。特に注意しなければならないのが、人名や会社名、ブランド名といった固有名詞や市町村などの土地名です。

また、難しい漢字はひらがなで表記したり、専門用語はより分かりやすい言葉に言い換えたりすることも、記事の質を高めるためには重要なことです。

4.情報が古くないか、間違っていないかチェック

記事内の情報が古くないか、間違っていないかどうかも要チェックです。例えば、引用したデータは最新の調査のものか、本文の内容に合致したデータであるのかを確認しておく必要があります。

また、引用するデータは、信頼性の高い官公庁などの公的機関のものを使用するようにしましょう。

5.「ですます調」「である調」の確認

「ですます調」と「である調」が混在していないかもチェックしましょう。WEBサイトでは一般的に「ですます調」が使われる場合が多いです。報道記事やコラムなどでは、「である調」で書かれる場合もあります。

見込み客の獲得や収益化を目的にしたオウンドメディアでは、ですます調で統一したほうが柔らかく自然な印象を与えます。記事中に表や箇条書きなどを入れる場合は、である調で書くといった使い分けをするのもよいでしょう。

例文:箇条書きで「である調」を使う場合

ですます調の特徴は以下のようになります。

 

  • 丁寧で柔らかい印象を与える
  • オウンドメディアで一般的に使われていることが多い
  • 報道記事やコラムにはあまり向いていない

6.一文が長くなっていないか

一文が長いと意味が伝わりにくくなります。できるだけ短文で分かりやすい文章を心がけましょう。また、句読点をどこに入れるかによって、文章の意味がまったく変わることもあります。例えば以下の文章をご覧ください。

母親は安心した様子で遊ぶ子供を見つめた

この一文だけを読むと、安心したのは母親なのか子供なのか、よく分からないですね。以下のように句読点をつけてみましょう。

母親は安心した様子で遊ぶ子供を見つめた

 
母親は安心した様子で遊ぶ子供を見つめた

はっきりと意味が分かるようになりましたね。

自分ではどちらか分かっていても、読者には分からないものです。もちろん前後の文脈をくみ取れば分かるのでしょうが、読者に負担をかけてしまうことになります。

WEB上では文章を流し読みされることが多いため、読むのに負担がかかる文章は好まれません。深く考えずにスラスラと読める明快な文章が求められます。

7.主語と述語の関係が合っているか

主語と述語の関係がきちんと合っていることも、分かりやすい文章を書くための必須条件です。

例えば、以下の文章をご覧ください。

私の専門分野は記事を校正することです。

 

私の専門分野は記事を校正することを仕事としています。

冷静になって見れば後者の文章は主語と述語の関係がおかしいと分かりますが、日常生活では意外と使ってしまいやすい表現もあったりします。

主語(誰が)と述語(何をしたのか)をはっきりさせたうえで、その他の修飾語(いつ、どこで、何を、どのように)を書くようにしましょう。

8.一文の中に同じ単語を何度も繰り返し使用していないか

一文の中に同じ単語を何度も繰り返し使いすぎると、かえって読みづらくなります。読みにくいと感じたら、不要な言葉がないかどうかをチェックしましょう。

明らかに意味が分かり、省略しても構わない単語は書かなくても大丈夫です。ただし、読解力は個人差もあるため、必ず複数人でチェックするようにしましょう。

●省略できる単語の例
修正前私が仕事をする目的は、仕事をして社会貢献するとともに、仕事の経験を積んで将来に役立てるためだ。
修正後私が仕事をする目的は、社会貢献するとともに、経験を積んで将来に役立てるためだ。

9.見出しの順番が守られているか

見出しの順番が守られていると、筋が通って分かりやすい文章になります。WEBサイトでは、見出しの表記にh2、h3、h4などの見出しタグが使用されます。

この見出しタグには順番があり、以下のような重要度の関係性になっています。

●見出しタグの重要度

h2 > h3 > h4

見出しタグは重要度の高いものから順番に表記するルールがあります。正しい順番で表記することで、読者にとっても読みやすく、検索エンジンにも正しく認識されやすくなります。

●見出しタグを書く順番
  • 〇〇〇(h2)
    • △△△(h3)
      • ×××(h4)

上記のように、大きな見出し(h2)の下に、順番にh3、h4を入れていくとよいです。

10.避けたほうがよいとされる言葉遣いがないか

文章の中に差別的な表現や社会的に不適切な表現が入っていないかどうかを確認しましょう。意外と書いてしまいやすいNGワードが、同業者や競合関係にある他社の固有名詞です。固有名詞を出して誹謗中傷することは、倫理的にも許されない行為なので気をつけましょう。

また、人種や宗教の問題など、デリケートな内容についても、偏った表現にならないようによく注意しておきたいものです。

11.機種依存文字(環境依存文字)のチェック

機種依存文字(環境依存文字)とは、WindowsやMacなどのパソコンのOSやフォントなどに依存する文字のことです。丸囲み数字や省略文字などの機種依存文字があります。

機種依存(環境依存)文字

機種によっては文字化けする可能性もあるので、できるだけ使用しないようにしましょう。

声に出して原稿を読んでみる

原稿は目視によるチェックだけでなく、声に出して読んでみることをおすすめします。声に出すと、文章に引っかかったり、読みにくかったりする箇所が見つかることが多いです。声に出して読んでいるうちに、よりよい表現が口からぱっと出てくることもあり、自分でもびっくりするぐらい文章がよくなったという経験もあります。

普通の文章を「読まれる文章」に変えていくためには、読んでチェックすることがとても効果的です。最初は面倒くさいと感じるかもしれませんが、原稿チェックは時間をかけてじっくりと何度も繰り返していくことがコツです。それほど大切なことなので、ぜひ試してみてください。

細部まで確認し、それでも不安が残る場合は同僚や上司に相談

原稿を細部まで確認したうえで、それでも不安がある場合は同僚や上司などに相談して確認してもらいましょう。自社商品や自社サービスに関する記事であれば、内容に誤りがないか、もっと訴求できるポイントはないかなどアドバイスをもらえる可能性もあります。

文章の読みやすさや分かりやすさという点でも、自分以外の人に確認してもらうことはとても効果的です。

社内で原稿チェックを行うポイントは、共通のルールを事前に作成しておくことです。

この記事でご紹介したチェック項目について、社内で統一したルールを定めておいて、それを基準にチェックするというやり方が最も効率的です。

原稿チェックの仕方次第で記事の質が変わることも

最初はぱっとしなかった文章でも、原稿チェックの仕方次第では高品質な記事に仕上げることもできます。一方で、どんなに良い原稿が書けたと思っても、チェックが不十分では独りよがりの役に立たない記事になってしまったりすることもあります。

慣れるまでは骨が折れる作業ですが、日々継続して行うことで勘がつかめ、作業効率もアップしていきますので、ぜひ根気よく取り組んでみてください。