近年のインターネット広告において、動画広告の注目度が高まりつつあります。なぜなら4Gや5Gといった通信技術の発展により、多くのユーザーが動画を快適に視聴できる時代になったからです。
では具体的にどんな動画広告が利用されているのでしょうか。今回は動画広告の種類と配信先の特徴などについて詳しく解説していきます。

動画広告の種類は主に3種類

一言で動画広告といっても、種類によって様々な特徴や仕組みなどをもっているもの。主に動画広告は3種類に分かれており、利用する際の目的や料金なども異なります。もちろん企業の方が動画広告を活用する際には自社の商品やサービス、利用する目的などに適したものを選ぶことが重要です。

では具体的にどんな種類の広告があるのか見ていきましょう。

インストリーム広告

インストリーム広告とは、YouTubeなどの動画配信サイトで再生される広告のことを指します。動画を再生する画面にそのまま広告を差し込むので、従来のバナー広告などよりも大画面で表示することが可能です。

映像だけでなく音声や文字を流すこともできるため、幅広い表現や訴求力の高い広告を打ち出せます。さらに広告は動画の再生前や再生中、視聴後に流れるので、必ずと言っていいほどユーザーの目に留まるのも大きな特徴です。

広告費としては、ユーザーが視聴するたびに課金されるCPV(広告視聴単価課金)が採用されています。中には完全視聴単価方式という、広告が最後まで再生されなければ料金が発生しないパターンもあり、コストを抑えて広告を打ち出したい方向けと言えるでしょう。

またYouTubeの広告を見ていると、動画のスキップが可能なものや不可能なものがあるはず。これらの広告についても解説していきます。

スキップ可能な動画広告

スキップ可能なインストリーム広告は、動画の前後や途中に再生される広告。そして再生されてから、5秒経過するとスキップできるようになる仕組みです。こちらの広告では15秒ほどの短い広告だけでなく、1分30秒〜数分の長い動画広告もあります。

再生されてから5秒後にスキップできるので、視聴するかどうかをユーザーに委ねることが可能です。そのため動画時間の長い広告でもストレスを与えにくく、興味のあるユーザーを引き込みやすくなります。

特に動画時間が長いと通販番組のような訴求力の高いもの、アニメーションや紙芝居漫画のような作り込まれたものも発信しやすいです。そのため販売促進や見込み顧客の獲得、認知度アップなどの幅広い目的に活用できるでしょう。

そして料金の発生する条件がいくつかあり、「30秒間視聴した場合」「30秒未満の広告は最後まで視聴した場合」「30秒経つ前に動画を操作した場合」などが挙げられます。

スキップできない動画広告

スキップできないインストリーム広告も、動画の前後や途中に再生される仕組みはスキップ可能なものと同様です。しかし広告をスキップできない点や、動画時間を15秒以下に抑える点が異なります。

途中で再生を止めることができないため、動画全体を通してメッセージ性のあるものにしたいときなどに最適です。また必ず最後まで再生されるので、広告のインプレッション数に応じて料金が発生します。

こちらの広告では販売促進のような直接的な利益につながるものよりも、認知度アップや見込みの高い顧客へのリーチなどに向いているでしょう。

インフィード広告

インフィード広告は、主にWebサイトやアプリにあるコンテンツ同士の間に表示される広告のことです。ユーザーが画面をスクロールして広告全体が表示された際に、動画が自動再生されます。

ユーザーの行動に合わせて動画再生がスタートするため、広告の内容を伝えやすいのがメリット。その反面、広告が掲載されているところまでユーザーがスクロールしないと、全く認知されないという欠点があります。

ただ基本的にインフィード広告は、ユーザーの目につきやすいコンテンツの中間に掲載されているので、それらのデメリットもあまり気にならないでしょう。

料金形態は、掲載する期間に応じて料金が発生する「契約期間型」、ユーザーの画面に表示されるたびに課金される「インプレッション型」、広告がクリックされるたびに課金される「クリック課金型」など様々です。

インバナー広告

インバナー広告とは、各プラットフォームにあるバナー枠に動画を設置するタイプの広告です。例えば従来のWebサイトでは、文字や画像の広告がサイドバーなどによく掲載されていました。インバナー広告はその動画版のようなものとなります。

特徴としては、通常のバナー広告のように興味のあるユーザーに対して適切な広告が表示される点です。そのため、他の広告よりもクリック率やコンバージョン(CV)率が高いメリットがあります。ただし動画自体の音声は流れず、スキップなどの細かい機能を搭載していないことが多いです。

他にもある?動画広告

大きく分けると上記の3つが主な動画広告と言えますが、他にもYouTube向けのものやモバイル向けのものといった様々な広告形態が存在します。

では具体的にどんな広告があるのか見ていきましょう。

TrueView ディスカバリー広告

TrueView ディスカバリー広告は、YouTube内に表示される広告のひとつです。主にYouTubeの検索一覧や動画再生ページのサイドバー、モバイル版のトップページなどに掲載されます。

関連動画と同じように見出しや説明文、サムネイルで表示されるため、広告に興味をもったユーザーのみがクリックして再生される仕組みです。見込みの高い顧客へ向けてアプローチすることが可能で、直接的な商品の購買やサービスの利用に結び付けられます。

料金が発生するのは、ユーザーが広告をクリックして動画が再生されたときです。そのため興味のないユーザーがクリックする可能性は少なく、コストを抑えながらも企業の利益につながる広告を打ち出せます。

バンパー広告

バンパー広告も、YouTube内に表示される広告のひとつです。2016年に提供を開始しており、比較的新しい部類の広告と言えます。この広告は、動画の前後や再生中に6秒以内で構成された広告が再生される仕組み。上記で紹介したスキップできないインストリーム広告と近い印象です。

これまでYouTubeでは、スキップできない広告の時間が30秒程と長いものがあり、ユーザーの不満やストレスにつながっていました。しかし2018年にそれらを廃止し、代わりにバンパー広告の提供でユーザビリティの向上を図ったのです。

ただしバンパー広告では動画の尺がより短くなっているため、いかに短い時間でインパクトを与えられるかがポイントになります。

料金は、広告表示のたびに課金されるインプレッション型です。つまり費用対効果を高めるためには、どんなユーザーに広告を表示させるかを的確に設定する必要があるでしょう。

アウトストリーム広告

アウトストリーム広告は、インストリーム広告とは逆で動画の外側に掲載される広告のことを指します。そしてモバイル専用広告となっており、Googleのサービスやパートナーサイト、アプリなどで配信することが可能です。

具体的にはWebサイトのバナーやコンテンツの間、アプリでは画面のバナー枠や画面が切り替わる際に表示される広告などが挙げられます。

動画広告はデフォルトで音声OFFとなっており、ユーザーがミュート解除することで音声が流れる仕組みです。料金体系は掲載している媒体によりますが、基本的には動画が2秒以上視聴された時に発生します。

マストヘッド広告

マストヘッド広告とは、YouTubeのトップページに表示される広告のことです。画面上部に大きく表示されるため、不特定多数のユーザーにリーチできます。特に新しい商品やサービスのリリース時、期間限定のイベント開催時などの短期間で多くのユーザーに宣伝したい場合に効果的です。

パソコン版では再生時間が最大で30秒間。ページを開くと音声OFFで自動再生され、ミュート解除すると音声が流れる仕組みです。またモバイル版やテレビ画面だと、再生時間に制限がありません。

料金は少し特殊で、固定の日別単価やインプレッション単価が設定されています。インプレッション制の場合、PV数に応じて課金されるため費用が高くなりやすいでしょう。

オーバーレイ広告

オーバーレイ広告とは、画面上に覆いかぶさるように表示される広告のことです。主にモバイル向けの広告となりますが、PCでも配信されています。

具体的には、以下の種類に分かれています。

インタースティシャル広告Webサイトを表示した際に画面いっぱいに表示される
アンカー広告ページをスクロールしても常に画面の上部や下部に固定される
ポップアップ広告小さいウインドウが自動的に開き広告を表示する

ユーザーの目に留まりやすい工夫がなされているため、興味のある方に表示されればクリック率が高い傾向です。しかし興味のないユーザーからすると、いちいち広告を消さなければページを閲覧できなかったり、ずっと画面に表示されたりと煩わしく感じさせてしまいます。

そのため、2016年にGoogleが過剰なオーバーレイ広告を表示するページに対して、評価を下げる方針を発表するなど、現在では敬遠されがちな広告です。

アプリ広告

アプリ広告は、その名の通りスマホアプリなどに掲載されている広告のことです。広告の種類としては、アプリ内の画面に表示される「バナー広告」、タイムライン上などに通常のコンテンツと同じ形式で掲載されている「インフィード広告」などが挙げられます。

またゲームアプリなどでよく見かけるのが、画面の切り替わり時に画面全体で表示される「全画面広告」です。ソシャゲ(ソーシャルゲーム Socialnetwork game)でスタミナ回復する際にも、全画面広告を表示することがあります。

料金形態はクリック型やインプレッション型、広告先のアプリダウンロードや商品購入などで発生するパターンなど様々です。

広告表示枠については、枠を買い取ることで一定期間中ずっと掲載し続ける純広告型やターゲット応じて最適な広告を表示させる場合などアプリによって異なります。アプリ広告を活用する際には、どのアプリでどんな設定が行えるのかしっかりと確認してから利用しましょう。

動画広告の効果が高いと言われる理由

動画広告の効果が高いと言われる理由

動画広告は映像や音を使って柔軟に表現できるため、商品やサービスの魅力を存分に伝えられます。これまでの文章や画像での発信がメインのWeb広告と違い、ユーザーの目に留まりやすく印象に残りやすいです。これが動画広告の効果が高いと言われる理由のひとつです。

また発信するターゲット層の拡大に繋げられるのも大きなポイント。例えばテレビや新聞などのマス広告は30代以降の消費者に有効ですが、若年層にアプローチしにくいです。しかし若者の利用率が高いSNSやYouTubeなどのプラットフォームで広告を打つことにより、10代〜20代のターゲット層にもしっかり訴求することができます。

特に最近はスマートフォンの普及や通信技術の発達により、多くの消費者がスムーズに動画を視聴できる環境にあります。それと同時にSNSやYouTubeなどを閲覧するユーザーも増えており、動画広告の有用性を後押ししているのです。

そしてなにより、テレビや新聞などのマス広告よりも費用を抑えられることも重要な点。もちろん料金は広告によりピンキリですが、10万ほどから制作できる動画広告もあります。表示させるターゲット層を細かく設定することで成約率を上げられるため、高い費用対効果を実現しやすいのです。

最も有効な動画広告の種類はある?

動画広告には様々なものがありますが、どれを利用すればいいのか迷っている方も多いでしょう。結論から言うと、最も有効な動画広告として挙げられるのは「インストリーム広告」と言えます。

なぜならインストリーム広告は、動画広告で利用率が一番高いから。そしてYouTubeという、巨大なプラットフォームで流れる動画広告のほとんどがインストリーム広告です。

それに動画の視聴前後や途中に差し込まれるため、必ずと言っていいほどユーザーの目に留まります。細かいターゲット設定により、見込みの高い顧客へアプローチできるのも大きなメリットですね。

もちろん企業が宣伝したい商品やサービス、発信内容などにより最適な広告の種類は異なります。しかし購買やサービス登録などのCVにつなげたいのであれば、高い費用対効果を見込めるインストリーム広告がおすすめです。

動画広告の配信先と特徴

動画広告の配信先と特徴

動画広告は、YouTubeだけでなくTwitterなどのSNSでも利用することが可能です。では配信先によってどんな特徴があり、どんなユーザー層を狙えるのでしょうか。ここからはそれぞれの配信先の特徴などについてご紹介していきます。

Youtube動画広告の種類と特徴

YouTubeは、いまは全世界で19億人以上のユーザーが利用している最大手の動画配信プラットフォームです。圧倒的なユーザーの規模に加えて、10代〜20代の若い世代の利用者が多い特徴があります。

総務省の調査によると、PCやスマホなどのデバイスを使っている10代〜20代の90%以上がYouTubeを利用しているのです。

そして若年層だけでなく30代〜40代のユーザーも80%以上いるため、幅広い世代にアプローチできるのもメリットです。

広告の種類も豊富で、より訴求力を高めたいなら確実に動画を再生できる「バンパー広告」、興味のあるユーザーのみに動画全編を見てもらえる「インストリーム広告」などが挙げられます。ターゲット層や広告の内容によって柔軟に対応できるため、YouTubeの動画広告をうまく活用できれば高い費用対効果を狙えるはずです。

Twitter動画広告の種類と特徴

Twitter動画広告
引用元 Twitter
https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/create-a-video-views-campaign/upload-a-video.html

Twitterの動画広告では、タイムライン上の投稿されたツイートの間に差し込まれる「プロモビデオ」や動画コンテンツに差し込まれるインストリーム広告が主な種類です。また、その日最初にTwitterへログインしたユーザーの画面に広告を表示させる「ファーストビュー」というユニークな広告もあります。

前述した総務省の調査データによると、TwitterはYouTubeと比べてより若い層の利用者に偏っている傾向です。そのため10代〜20代向けの商品やサービスをPRするのに向いているでしょう。

そしてTwitterでは、“いいね”やリツイートによる二次拡散力が強いのも大きな特徴。商品そのものをアピールするよりも、インパクトのある映像にすることでより多くのユーザーに伝えやすいです。その特性から、認知度の向上や企業のイメージアップにも高い効果を発揮します。

Instagram動画広告の種類と特徴

Instagram
引用元 Instagram広告|Instagram for Business
https://business.instagram.com/advertising/

Instagramの動画広告には、タイムライン上に表示させる「インフィード広告」、自身の活動や日常をまとめたストーリーズ機能の枠に掲載する「ストーリーズ広告」、ユーザーの動向に基づき関連した広告を表示させる「ディスカバリー広告」の3種類があります。

それぞれ自然な形で広告を掲載できるため、興味のあるユーザーに対して適切にアプローチすることが可能です。

Twitterと同様に10代〜30代のユーザーが多いですが、Instagramでは女性の利用者が多い傾向にあります。そのため、美容や化粧品などの女性向け商品・サービスのPRに向いているプラットフォームと言えるでしょう。

Facebook動画広告の種類と特徴

Facebookの動画広告には、動画コンテンツの合間に流れる「インストリーム広告」、タイムライン上に表示される「ニュースフィード広告」、モバイル向けの「ストーリーズ広告」などがあります。

特徴として挙げられるのは、動画広告の作成時に設定した目的やターゲット層に応じて、Facebook側が適切な配置で掲載してくれることです。つまり興味や関心の高いユーザーへアプローチしやすく、費用対効果の高い宣伝ができます。

またTwitterやInstagramに比べて少し年齢層が高く、30代〜40代のユーザーにも幅広くターゲティングすることが可能です。

そしてFacebookは実名登録の多いSNSなので、ユーザーによる二次拡散が起こればそれだけで信頼性を高められるのも大きなメリット。ビジネス目的で登録するユーザーも多いため、BtoB向けのプロモーションに活用するのも有効です。

目的別の動画広告配信ポイントと注意点

目的別の動画広告配信ポイントと注意点

動画広告では、狙ったターゲット層にしっかり訴求できるかが大事なポイントです。たとえ興味のあるユーザーに広告を発信できても、PRの仕方を間違えてしまうとチャンスを逃しかねません。 

では具体的に配信する際のポイントやどんなことに注意すればいいのか、目的別に見ていきましょう。

ブランディングを目的とした動画広告

ブランディングを目的とした動画広告では、商品の認知度アップやブランドイメージの向上などを目指すことがほとんどです。その場合、ユーザーからの共感や親近感を得ることが成功の秘訣となります。

例えばストーリー性のある動画にする、実際の体験談などを映像やアニメーションにするなど。動画でユーザーからの興味を惹きつけることができれば、自社サイトなどへ誘導しやすくなるという仕組みです。

そのため、誘導先のオウンドメディアや商品PRページへの導線を無理に引く必要はありません。動画の最後にさらっと紹介するのみにとどめておいたほうが、ユーザーは自然とURLを踏みやすくなります。

ストーリー性を重視すると動画の再生時間が長くなりがちですが、あまりに長時間だとユーザーが飽きてしまうことも。簡潔に内容を伝えるためには、30秒以内の動画に抑えるなどの注意が必要です。

購買意欲を目的とした動画配信

購買意欲を促す動画広告が目的であれば、より短く分かりやすい内容に仕上げることが大切。なぜなら消費者に行動を起こさせるには、最初の数秒間で興味を惹かなければすぐに離脱されてしまうからです。

例えばYouTubeなどで広告が表示された際に、興味のない内容だとすぐにスキップしてしまうものですよね。しかしスキップ可能になる最初の5秒間で気になってしまうと、ズルズルと最後まで見てしまった経験のある方も多いはずです。

それと同様に購買意欲を目的とするなら、いかに最初の導入部分でユーザーの心を掴めるかが重要になります。

基本的な手法として挙げられるのが、ユーザーの悩みや困りごとに訴えかけること。具体的には「こんなことに悩んでいませんか?」「この商品を利用すれば、一瞬で○○な問題が解決します」などです。

注意点としては、同じ動画広告をYouTubeやTwitterなどの様々なプラットフォームで使い回さないことです。これはブランディング目的でも言えることですが、SNSによってユーザー層は異なります。そのため広告を打ち出すメディア毎で、ターゲット層にマッチした動画制作ができると理想的です。

自社の目的に合った動画広告の活用で集客アップを狙う

様々な媒体で広告を見かける今、消費者の購買行動が慎重になりつつあります。そんな中、従来のWeb広告やテレビCMなどのマス広告では、新規顧客を獲得するのが難しくなっているのです。

そこで新たに注目されているのが、映像や音声で消費者の興味を惹きつけられる動画広告。YouTubeやTwitterなどの規模が大きいプラットフォームで提供されているため、より多くのユーザーへリーチをかけることが可能な点も大きいです。

動画広告には様々な種類があり、配信先となるメディアもいくつか存在します。そして宣伝したい商品やサービス、目的によって最適なものは異なるため、事前の調査や入念なターゲティングが欠かせません。

まずは販売促進やブランディングなどの目的に合わせて、ターゲット層の選定や動画の内容を検討してください。もし動画広告をうまく活用できれば、ランディングページやオウンドメディアなどの流入へとつなげられるはずです。