自社のマーケティング、正しいペルソナ設定ができていますか? ペルソナ設定とは顧客像を「ひとりの人」に絞ることで、見込み顧客に刺さるコンテンツを届け、売上や成果を上げる手法のことです。この記事では、「ペルソナとは何か」「ペルソナを設定する4つのメリット」「具体的なペルソナ設定方法」について、初心者にもわかりやすくご紹介します。

“ペルソナ”とは?

“ペルソナ”とは?

ペルソナとは、「商品やサービスを購入してくれる架空のひとりのユーザー像」のことです。商品・サービスの企画から販売まで一連のマーケティングにおいて、典型的な架空のユーザー像(ペルソナ)を設定することで、一貫した戦略を練ることができ、売上アップなどの成果に結び付けることができます。

ターゲット層の設定だけではだめなの?

ペルソナとよく似た言葉に「ターゲット層」があります。ターゲット層とは、年齢や性別、地域、職業、年収などの区分で分けたおおまかなユーザー群になります。

ターゲット層に対し、ペルソナはあくまでも「ひとり」のユーザー像に絞ります。例えば、ターゲット層が「30代女性」だとすると、ペルソナでは「30代女性、専業主婦、子供2人、世帯収入450万円」などのように、具体的な人物像を設定します。

ペルソナを設定することで、ユーザーの行動や価値観、興味・関心、ライフスタイル、ニーズなどが詳細に把握できるようになり、よりユーザーに刺さるコンテンツや商品・サービスの企画が可能になります。

現代は価値観や消費行動の多様化に伴い、画一化された商品・サービスでは売れない時代になりました。一人ひとりの顧客(個客)に選ばれるサービスを提供していくためにも、ペルソナ設定は今後ますます必要になってくるでしょう。

ペルソナを設定し顧客像をひとりに絞るメリット

ペルソナを設定し顧客像をひとりに絞るメリット

ペルソナ設定というと、BtoCマーケティングの概念と考えられがちですが、実はBtoBでも重要だったりします。ペルソナを設定して顧客像をひとりに絞ることには、大きく4つのメリットがあります。

ユーザーの視点で考えることができる

ペルソナ設定をすることで、ユーザーの行動や価値観、ライフスタイルなどが詳細に把握できるため、ユーザーの視点で考えることができるようになります。ユーザーの視点に立つことで、企業の視点からは見えなかったさまざまなニーズが発見できます。

例えば、「30代女性、専業主婦、子供2人、世帯収入450万円、趣味は園芸、将来の子供の学費に不安がある」まで具体的に絞ったら、このユーザーがどのような悩みがあり、どのようなコンテンツや商品に関心があるか、リアルにイメージできることでしょう。

このように、ペルソナを設定することで、ユーザーの視点を疑似体験できることから、「ユーザーに刺さるコンセプト」を発見しやすくなります。

誰に向けたメッセージなのかが明確になる

ペルソナが明確になることで、ユーザーに何を伝えたいのかもハッキリします。

商品やサービスを売るために必要なのは、ユーザーの心に響くメッセージがあるかどうかです。どんなによい商品でも、ユーザーに正しくメッセージが伝わらなければ、購入されることはないでしょう。

もし、ペルソナがあなたの親しい友人だったとしたら、そのニーズや悩みに応えるために、どのようなメッセージを伝えたらよいのかも自然とアイデアが出てくるのではないでしょうか。ひとりの顧客像を設定することで、伝えるべきメッセージや訴求すべきポイントも明確になるので、効果的な販売戦略が立てられます。

チーム内で共通認識がもてる

ペルソナを設定することで、商品開発やマーケティングにおいて、チーム内で共通認識がもてるのも大きなメリットです。

例えば、「30代女性」というターゲット層だけだったら、どのような商品が喜ばれるのか、どのようなコンセプトやメッセージがより伝わりやすいのかなど、チーム間で認識のズレが生じてしまい、無駄な労力やコストがかかってしまう恐れもあります。

このような認識のズレを防ぐためにも、ペルソナ設定はとても有効です。ペルソナ設定ではあくまでも、ひとりの顧客像をイメージするので、商品開発から販売までを一貫して取り組め、ブレのない施策が可能になります。

方向性が明確になる

ペルソナ設定を通して、どのようなユーザーに何を提供するのか、ユーザーに伝えるべきメッセージは何かがハッキリすると、マーケティング戦略の方向性も明確になります。

特に、オウンドメディアを運営していれば、ペルソナから検索キーワードを選定し、ユーザー目線に寄り添ったコンテンツの作成が可能になります。自社内だけではなく、社外のスタッフに依頼するときにも役立ちます。

よりユーザーに刺さるコンテンツを発信できるため、購入意欲を高め、成果を上げることができます。

ペルソナ設定方法

ペルソナ設定方法

それでは、ペルソナ設定の具体的な流れについて見ていきましょう。大きくは次の3つのステップからなります。

実在する人物像に近づける

まずは、ペルソナを実在する人物像にできるだけ近づけて考えましょう。ペルソナは架空のユーザー像ですが、なんとなく「このようなユーザーだったらいいな」という安易な理想像を描くのは危険です。

実在するユーザーはあなたが思っているような理想像ではありません。もし、ペルソナ設定に失敗したら、すべてのマーケティング戦略が無駄になってしまいます。「実在するひとりの顧客」をベースに考えることが大切です。

ひとりの顧客をイメージするためには、ペルソナの顔写真やイラストも設定しておくことが効果的です。その顧客がどのような興味・関心をもち、どのような生活をしているのかまで具体的にイメージできるとよいでしょう。

アンケートやインタビュー、SNSなどから情報収集

お客様へのアンケートやお客様と近く接する営業担当者へのインタビュー、SNSでのユーザーの声など、客観的な情報を収集することで、よりリアリティーのあるペルソナ設定につながります。

マーケティングの世界でよく知られる「パレートの法則(80:20の法則)」から見ると、売上の80%を上げる理想の顧客像は上位20%だと言われます。そのため、上位20%のお客様を中心にアンケートを行うことをおすすめします。

また、SNSでは、自社の商品名やブランド名などで検索すると、リアルタイムのユーザーの声を拾うことができます。SNSから情報収集するメリットは、常に最新の声を拾えること、シェア数の多さから共感しているユーザー数がわかるということです。

そのほか、オウンドメディアや自社サイトを運営しているのであれば、Googleアナリティクスのデータも参考になります。Googleアナリティクスでは、ユーザーの性別や年齢・居住地・閲覧環境・閲覧が多い日時などの傾向が詳細にわかるため、ユーザー像を絞り込むのに役立ちます。

顧客像をひとりに絞る

収集したデータを特徴や傾向ごとにグループ分けして、ひとりの顧客像に絞っていきます。以下の8項目を情報として付け加えていくことで、精度の高いペルソナを設定できます。

  • 氏名・年齢・性別・居住地
    氏名・年齢・性別・居住地などの基本情報です。年齢・性別は比較的イメージしやすいでしょう。氏名はその他の情報も合わせて、典型的なユーザー像に一致する氏名をつけてみましょう。また、地域性の高い商品やサービスの場合は、居住地もしっかりと設定しておくことが大切です。
  • 職業・役職・最終学歴
    仕事や学歴に関する情報です。特に、BtoBマーケティングにおいては職業や役職は必須項目なので必ず設定しておきましょう。
  • 家族構成
    家族構成です。既婚・未婚、子供の有無、同居人数など、家族構成を知ることは、ライフスタイルやニーズをより深く理解するための重要なヒントになります。
  • 世帯年収・貯蓄
    世帯年収や貯蓄に関する情報は、消費行動やお金に対する価値観などを把握するのに役立ちます。浪費家なのか、節約家なのかによっても、商品・サービスの企画内容が変わってくるのでとても重要です。
  • ライフスタイル
    平日・休日の過ごし方から、通勤時間・勤務時間、起床・睡眠時間など、普段どのような生活をしているのかが目に浮かぶほど、はっきりとイメージすることが大切です。ライフスタイルの理解は、新商品の企画だけでなく、既存商品のブラッシュアップにも大いに役立ちます。
  • 性格・趣味や興味の対象・特技
    どのような性格をしているかによって、マーケティング戦略や伝わりやすいメッセージも変わります。また、趣味・関心のある対象や特技などから、新たなビジネスのヒントを得られることもあり、より深いユーザー理解のためには欠かせない項目です。
  • インターネットの利用状況と利用時間
    インターネットの利用状況や利用時間は、Webマーケティングにおいてはきわめて重要です。利用状況にあったサービス提案や利用時間を狙ったキャンペーンなどの戦略を練ることができます。
  • 所持しているデバイス
    パソコン・スマートフォン・タブレットなど、所持しているデバイスに応じて、商品やサービスの内容も変わってきます。デバイスを問わない商品・サービスを企画するのもよいですし、スマホユーザーに特化した商品・サービスを企画するのも効果的でしょう。

今回、女性向けのオンラインフィットネスサービスを想定して、以下のようなペルソナを設定してみました。

ペルソナ設定例
ペルソナ設定例

このぐらい詳細なペルソナが設定できれば、商品やサービスのコンセプトや内容もかなり絞られてくるのではないでしょうか。あくまでもペルソナ設定の一例ということで参考にしてみてください。

ペルソナの設定次第で売上にも変化が?

ペルソナの設定次第で売上にも変化が?

ユーザーが何かを購入するのは、その商品やサービスに対して「自分に必要だ!」という必要性や「これが欲しい、自分にぴったりの商品だ!」という魅力を感じるからです。

もし、幅広いターゲット層に向けられたコンセプトやメッセージであれば、そこまでの魅力を感じることはないでしょう。しかし、ユーザーが「これって自分のことだ!」と思えるくらいコンセプトが絞られていれば、その商品・サービスが気になって、購入したくて仕方がないというシチュエーションを作り出すことができます。

ペルソナが実際のユーザー像に合致すればするほど、ユーザーの反応率は高まり、購入率や売上も上げることもできます。

自分にぴったりのものを購入できれば、ユーザーも喜び、顧客満足度も向上するでしょう。

ペルソナ設定は定期的に見直しましょう

ペルソナは一度設定したら、定期的に見直しましょう。ユーザー像は時間の経過や社会情勢の変化に伴い、少しずつ変わっていく可能性があるからです。お客様の声や営業担当者の話、SNSユーザーの反応などを定期的にフィードバックしながら、ペルソナに修正を加え、より実在するユーザー像に近づけていきましょう。

適切なペルソナ設定は、あなたのマーケティング戦略の柱になります。集客率・売上アップを目指すなら、ぜひあなたもペルソナ設定に取り組んでみることをおすすめします。