あなたのコンテンツ(記事)、読まれていますか? 記事が読まれるかどうかは、Webライティングで決まります。Webライティングといっても難しいものではなく、基本を押さえれば誰でもできるものです。この記事では、初心者にもわかるWebライティングの書き方の基本をご紹介します。Webライティングひとつで、記事の質もアップしますので、ぜひ参考にしてください。
Webライティングとは

Webライティングとは、ブログやオウンドメディアなどのWeb媒体におけるライティング(文章の書き方)のことです。
ユーザーに読まれる記事には秘訣があります。それはユーザーの欲求や願望に応える内容を、いかに読みやすく、わかりやすく伝えてあげるか、ということです。そのためには、Webライティングの基本を押さえておく必要があります。
紙媒体(雑誌や書籍)との違い
Webライティングと紙媒体(雑誌や書籍)におけるライティングとでは、以下のような3つの違いがあります。
- いろいろなデバイスから閲覧される
- 文字数やレイアウトの自由度が高い
- 基本的なSEOの知識が必要
以下に、具体的な違いをご説明します。
いろいろなデバイスから閲覧される
Web媒体は、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、いろいろなデバイスから閲覧されます。ユーザーがいつでもどこでも、好きなタイミングで読めるのがWebコンテンツの最大のメリットです。しかし、それだけに、どのようなデバイスから閲覧しても読みやすく、わかりやすい構成や文章表現が必要です。
文字数やレイアウトの自由度が高い
Web媒体では、文字数やレイアウトの大きさに制限されず、自由に文章を書くことができます。通常、紙媒体では、掲載できる枠に限りがあるため、決められた文字数や一定のレイアウトの範囲でしか表現ができません。しかし、Web媒体では画面をスクロールして何ページも閲覧できるため、好きなだけ文章を書けます。
また、図表や画像なども簡単に挿入でき、自由度の高いレイアウトが可能です。さらに、公開後も情報の修正や更新が容易にできることも、Webライティングの大きな特徴のひとつです。
基本的なSEOの知識が必要
Webライティングの目的のひとつに、コンテンツを検索結果に上位表示させて、検索流入を増やすことがあげられます。例えば、検索経由でオウンドメディアに集客して、商品やサービスの購入につなげたいときなどに活用されます。
そのためには、基本的なSEOの知識が必要です。SEOキーワードの選び方や検索エンジンに評価される良質なコンテンツの作り方など、検索上位に表示させるための基本的な知識やスキルが必須です。
Webライティングの書き方:下準備

Webライティングで成果をあげるためには、下準備がとても重要です。下準備を行うかどうかで、Webライティングの質も大きく変わってきます。そこで、この項目ではWebライティングの成果を高める5つの下準備のポイントについてご説明します。
ゴールの確認
まず、Webライティングのゴール(目標や目的)を明確にしましょう。例えば、以下のようなゴールがあげられます。
- 検索流入からの集客を増やしたい
- サイト訪問者に商品やサービスを販売したい
- 自社のブランディングにつなげたい
目的によって、Webライティングの書き方も変わります。まずは、コンテンツを読んでくれたユーザーにどう行動して欲しいのか、というゴールをはっきりさせることが大切です。
「記事を読んで欲しい」読者像の設定
次に、「記事を読んで欲しい」読者像を明確に設定しましょう。読者の性別や年齢、職業、家族構成、生活スタイルなどが具体的になればなるほど、そのターゲットに響く文章を書くことができます。
読者像があいまいでは、誰に向けて書いた文章かわからず、結局誰にも読まれないコンテンツになってしまいます。読者像を具体的に設定して、その読者に喜ばれるコンテンツを作成しましょう。
キーワード選定
キーワード選定は、Webライティングの下準備でも最も重要な項目のひとつです。設定した読者像がどのようなキーワードで情報を検索しているのかを調べて、コンテンツ作成に効果的なキーワードを選びます。特に、検索流入を増やしたい場合には必須です。
キーワードには、読者が知りたいことや解決したい悩みなどが含まれています。そのキーワードで検索する読者の「知りたい」「解決したい」に応える記事を書くことが、良いWebライティングの秘訣です。
Google AdwordsのキーワードプランナーやUbersuggest(ウーバーサジェスト)などの無料ツールを活用して、検索上位を狙えるキーワードを探しましょう。
検索結果上位表示サイトのリサーチ
キーワード選定ができたら、そのキーワードで実際に検索して、上位表示サイトをリサーチしてみましょう。検索上位サイトにはどのような情報が掲載されているのか、記事タイトルや見出しはどのようにつけられているかを詳細にチェックします。
チェック項目は以下の通りです。
- どのような情報が網羅されているか
- キーワードに対してどこまで掘り下げて調べているか
- タイトルや見出しはどのようにつけているか
- 図表や画像などはどの程度使用しているか
- 読者のニーズにどこまで応えられているか
- 内容がどの程度わかりやすいか
リサーチするうえで大切なのは、読者になりきって読んでみることです。そうすると、「ここがわかりやすい」、「ここでもっとこういう情報が欲しい」といった気づきを得られます。それらをヒントに文章を書くと、より読者に満足してもらえるコンテンツを作成できます。
競合サイトをよくチェックすることで、自社サイトで制作するコンテンツの質や情報量の目安がわかります。
構成を組み立てる
上位表示サイトのリサーチをもとに、コンテンツの構成を組み立てます。典型的な文章構成である「起承転結」型は、Webコンテンツ上ではユーザーの離脱を招くため、使われません。
ユーザーに読まれやすい、おすすめの文章構成は以下の2つです。
読者が理解しやすい『SDS法』
SDS法とは、Summary(全体の概要)、Details(詳細な説明)、Summary(全体のまとめ)で文章構成をまとめる方法です。例えば、以下のような文章構成になります。
Summary(全体の概要) | 「この記事では〇〇についてお伝えします」 |
---|---|
Details(詳細な説明) | 「〇〇とは、~のことを意味し、~のような特徴があります。また、~のような事例があります」 |
Summary(全体のまとめ) | 「以上、〇〇についてお伝えしました」 |
同じキーワードを繰り返し説明することで、読者にとってわかりやすい文章構成になります。
結論重視の『PREP法』
PREP(プレップ)法とは、Point(ポイント・結論)、Reason(理由)、Example(実例・具体例)、Point(ポイント・結論)で文章構成をまとめる方法です。例えば、以下のような文章構成になります。
Point(ポイント・結論) | 「〇〇は~することがポイントです」 |
---|---|
Reason(理由) | 「それは~だからです」 |
Example(実例・具体例) | 「実際に~したら、〇〇の効果が倍になったという事例があります」 |
Point(ポイント・結論) | 「〇〇は~することが大切です」 |
PREP法では、最初に結論を述べて、その後に理由や根拠となる実例を示すことで、説得力のある文章になります。
Webライティングの書き方:リード文

それでは具体的なWebライティングの書き方についてお伝えします。まず、重要なのが記事の導入文(リード文)です。リード文の書き方ひとつで、ユーザーが記事本文を読むか、サイトを離脱するかが大きく分かれてしまいます。この項目では、記事本文まで読んでもらうための効果的なリード文の書き方についてご説明します。
読まれるリード文を書くための5つのポイント
記事本文までしっかり読まれるリード文には、次の5つのポイントがあります。
- ユーザーのどのような悩み・疑問を解決する記事かを明確に示す(結論を先に述べる)
- ユーザーの気持ちに寄り添う・共感する(ユーザーの「あるある!」を引き出す)
- ユーザーの興味・関心を引き付ける
- 記事を読むことでどのようなメリットがあるかを伝える
- 自分にも役立ちそう・実践できそうだと感じさせる
例えば、この記事のリード文は、以下のように書いています。
「あなたのコンテンツ(記事)、読まれていますか? 記事が読まれるかどうかは、Webライティングで決まります。Webライティングといっても難しいものではなく、基本を押さえれば誰でもできるものです。この記事では、初心者にもわかるWebライティングの書き方の基本をご紹介します。Webライティングひとつで、記事の質もアップしますので、ぜひ参考にしてください。」
このリード文は、以下のようなポイントから構成されています。
あなたのコンテンツ(記事)、読まれていますか? 記事が読まれるかどうかは、Webライティングで決まります。
→ ユーザーの興味・関心を引き付ける
Webライティングといっても難しいものではなく、基本を押さえれば誰でもできるものです。
→ 自分にも役立ちそう・実践できそうだと感じさせる
この記事では、初心者にもわかるWebライティングの書き方の基本をご紹介します。
→ ユーザーのどのような悩み・疑問を解決する記事かを明確に示す(結論を先に述べる)
Webライティングひとつで、記事の質もアップしますので、ぜひ参考にしてください。
→ 記事を読むことでどのようなメリットがあるかを伝える
このように5つのポイントを意識してリード文を書くと、ユーザーの興味・関心を引き付け、記事本文まで読まれやすくなります。
リード文は本文と関連する内容を120文字程度でまとめる
リード文は必ず記事本文と関連する内容を書きましょう。ユーザーの興味・関心を引き付けるために、記事本文にない虚偽の内容を書いても、信頼を失ってしまうだけです。記事本文の内容が一通りわかるようにまとめることがコツです。
また、Google検索結果にはリード文が120文字程度まで表示されます。リード文の文字数は120文字を目安にして、重要なキーワードや結論は最初に書くように心がけましょう。
見出しにも導入文を書いたほうが親切
記事の冒頭だけではなく、本文中の見出しにも導入文を書いたほうがユーザーにとって親切です。なぜなら、その見出しの項目に「何が書かれているか」が理解しやすくなるからです。
見出しに導入文がなかったり、見出しの後にすぐ小見出しがあったりすると、文章がぶつ切れになってしまい、読みにくくなります。見出しにもできるだけ導入文を書くようにしましょう。
Webライティングの書き方:本文

続いて、記事本文の書き方です。記事本文は、下準備で用意した構成に、補足情報や体験談などを付け加えて書きます。事前に構成をしっかり組み立てておくと、記事本文のライティングがとても楽になります。
多くのユーザーから支持される記事を書くためには、次の6つのポイントを押さえておくことが大切です。
情報の正確さ、新鮮さの確認
情報は正確かつ新鮮であればあるほど、価値があります。情報が更新されていない古い記事は信頼度が低く、ユーザーにも好まれません。
また、主張を裏付ける根拠として、第三者のデータを引用する場合、政府機関などの信頼できるデータを参考にしましょう。Web上にはさまざまな情報が混在しているため、信頼できる情報源をもとに、常に最新の情報に更新することが求められます。
箇条書きにできる箇所は読みやすく整える
箇条書きにできる箇所は箇条書きで表記することが、読みやすい文章に整えていくためのコツです。
文章にはリズムがあります。ただ、だらだら長く書くだけでは、リズムが悪くなって読みにくくなります。適度に箇条書きで情報をまとめることで、文章のリズムも良くなり、読みやすさ・わかりやすさが向上します。
語尾を整える
文章の語尾を整えることも、読みやすい文章を書くコツです。語尾には大きく、「ですます」調と「である」調の2種類があります。これが混在していると、非常に読みにくい文章になるため、どちらかに統一するようにしましょう。
読者に優しく柔らかい印象を与える「ですます」調は、一般的にどのような文章にも使えます。一方、「である」調は断定的で引き締まった印象を与えるため、学術論文や専門家のコラムなどによく使われます。場合によって使い分けることが大切です。
また、「~ます」「~ます」と同じ語尾が複数続くのも、文章が読みにくくなる原因のひとつにあげられます。例えば、この見出しの冒頭部分が以下のような文章だったとします。
文章の語尾を整えることも、読みやすい文章を書くコツです。語尾は大きく、「ですます」調と「である」調の2種類です。これが混在していると、非常に読みにくい文章になるため、どちらかに統一することが大切です。
「~です」という語尾が重なっているため、読んでいて違和感が残ったり、読みにくかったりしませんか? 実際には以下のように書いているため、テンポよく読みやすい文章になっているはずです。
文章の語尾を整えることも、読みやすい文章を書くコツです。語尾には大きく、「ですます」調と「である」調の2種類があります。これが混在していると、非常に読みにくい文章になるため、どちらかに統一するようにしましょう。
このように語尾を少し変えるだけで文章の印象も大きく変わります。文章を書いたら、同じ語尾が重なっていないかもよくチェックしておきましょう。
伝いたいことは明確に
文章は伝えたいことを「言い切る」形で書くことが大切です。なぜなら、「~と思います」「~かもしれません」という自信のない表現では読者に不安を与えてしまい、伝えたいことがはっきりと伝わらないからです。
例えば、この記事で「Webライティングは〇〇するのがコツです」と言い切るのと、「Webライティングは〇〇するのがコツだと思います」と言うのでは、まったく伝わり方が違います。
憶測や想像だけで書かれた文章は、自信のなさが読者にも伝わります。そのようなコンテンツは、読者からも検索エンジンからも好まれません。しっかりと裏付けできる根拠を示しながら、伝えたいことがはっきりと伝わる文章を書くことを心がけましょう。
主観になっていないか確認
主観だけで文章を書くと、公平さを欠く場合があるため、注意が必要です。Webコンテンツは世界中の人々に公開されるため、誰に読まれるかわかりません。主張が偏ったコンテンツは、読者の反発を招く恐れもあります。
特に賛否両論が予想される話題を扱う場合は、肯定派・否定派、双方の意見を述べながら、主張を伝えることが大切です。文章を書いたら、客観的な立場で読み返すクセをつけましょう。どうしても客観視できない場合は、第三者に読んでもらうのも良いです。
「話し言葉」と「書き言葉」
日本語には「話し言葉」と「書き言葉」があります。話し言葉とは日常会話で使う言葉であり、一部が短く、砕けた表現ができるのが特徴です。
- ~なんです
- でも、~けど
- ~じゃない
- ちゃんと
- だんだん
一方、書き言葉とは文章を書くときに使う言葉です。やや硬い印象も与えますが、何度も繰り返して読む文章(書籍・論文など)にはよく使われています。
- ~なのだ、~なのである
- しかし、~だが
- ~ではない
- きちんと
- 次第に、徐々に
あなたのコンテンツの方向性に沿った文章表現を選びましょう。話し言葉と書き言葉をどのように使い分けるか、事前にライティングルールを決めておくと書きやすいです。
また、どのようなライティングルールでもやってはいけない共通のNG表現として、「ら抜き言葉」と「い抜き言葉」があります。これらも、混在しないように気をつけましょう。
- 食べれない(「食べられない」が正しい)
- 見れない(「見られない」が正しい)
- 考えれる(「考えられる」が正しい)
- 決めれる(「決められる」が正しい)
- 食べてる(「食べている」が正しい)
- 見てる(「見ている」が正しい)
- 考えてる(「考えている」が正しい)
- 決めてる(「決めている」が正しい)
意外と使ってしまいやすいNG表現もあるため、文章を書いたら、ルールに従って細かくチェックしましょう。
書き終えたら必ず全体を読み直す

文章を書き終えたら、必ず全体を読み直すことが、Webライティングの質を高めるコツです。初めて読むユーザーの気持ちになって読んでみましょう。誤字脱字や読みにくい箇所、わかりにくい箇所を見つけたら、丁寧に修正していきます。
自分が当たり前だと思っていることも、意外と読者には当たり前でないことも多いです。コンテンツの主題(テーマ)の初心者にも理解できるように、わかりにいく箇所は徹底的に読者目線で補足しましょう。
より客観的に読み直したいときは、一定時間を置いてから読むのも効果的です。
Webライティングに自信をつけたい!

Webライティングは独学で高めることもできますが、もっと自信をつけたい方は、Webライティングの資格取得がおすすめです。Webライティングの資格には大きく、次の2つがあります。
Webライティング能力検定
Webライティング能力検定は、一般社団法人日本WEBライティング協会が主催しているWebライティングの資格検定です。2012年に始まった国内で最も歴史のあるWebライティングの検定であり、これまでに2000名以上が受験しています。
検定は1級から3級までがあり、国語、Webライティング基礎、コピーライティング・メールライティング、SEO、法律・倫理・炎上対策、ミニ論文の6項目の試験からなります。また、資格は2年ごとの更新制となっています。
国内の大手企業でも社員教育として多く利用されており、本格的にWebライティングを学びたい人にはおすすめです。
Webライティング技能検定
Webライティング技能検定は、一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会が主催しているWebライティングの資格検定です。4択問題(50点)とライティング問題(200点)という試験内容で、ライティングの実技問題に比重が置かれています。
専用の「Webライティング技能検定講座」の購入者のみが受験できる検定とされ、Webライティング初心者が基礎から実技までを幅広く習得できるのが特徴です。Webライティング未経験者にも取り組める内容になっています。
Webライティングを習得して「伝わる記事」をあなたのメディアに
Webライティングが身につくと、コンテンツを読んでもらいたいユーザーに向けて「伝わる文章」を書くことができます。ユーザーに伝わる記事が書けると、あなたのオウンドメディアでの成果も上がるようになります。
この記事を参考に、Webライティングの書き方の基本をマスターして、ぜひ多くのユーザーに読まれる良質なコンテンツ作成にお役立てください。