企業担当者などの立場から注目したいのが、自社メディアや自社ブログのようなオウンドメディアの存在でしょう。自由なレイアウトで作成できるため、お客様の支持を集めやすいと言えます。また、字数制限がない点も魅力のひとつです。その中でも、最も注目すべき項目は「会社概要」という項目です。会社概要は、会社の名刺のような役割を果たすため、相手に簡潔に丁寧に伝えられるように工夫しましょう。ここでは、ユーザー目線を大切にした効果的な会社概要の書き方をご紹介します。
会社概要は単なる“会社の情報”だけではない

現在ではインターネットの情報化が進み、一般の方でも、たくさんの商品情報を得ることができるようになりました。そのため、商品のみをアピールするだけでは、なかなかユーザーの心に響かせるコンテンツは難しいと言えます。
そこで、会社の名刺的な役割を果たす「会社概要」を充実させることが重要です。ここでは、訪れたお客様を満足させる会社概要の記載ポイントをお伝えします。
会社の信頼性を上げる
お客様にとって会社概要という項目を閲覧する機会は、よほどのことがない限りない、といってもよいでしょう。言いかえれば、会社概要を閲覧する人は、その企業に対して余程興味をもっている人です。
例えば以下のような人があげられます。
- 口コミなどから企業名を知り、より深くその会社について知りたいという人
- ビジネス上の取引をしたいと思っている人
- 就活の最中、会社の詳細を知りたいと思っている人
- その会社の製品を購入したいと考えている人
このような方が自社サイトを訪れたときに、会社概要を目にするわけです。そのため、会社概要には信頼できる情報が簡潔に述べられていると、お客様からの印象がとても良くなります。
一方で、会社概要があまりにもいい加減に記載されていたり、分かりにくいものだと、閲覧する側は不信感を抱きやすくなります。そのため、お客様の信頼を損なわないような、魅力的な会社概要の中身を心がけてください。
会社概要は会社の名刺的な役割でもあり、自社アピールできる最高のツールとも言えます。
サービスや商品を「買おう」と決めた人が必ず見る
ユーザーは、その企業が提供するサービスや商品の信頼性に信憑性がどれくらいあるのかも気になります。
最近では、情報の多様化などから、本当に信頼できる製品なのかどうかを自分の目や耳で確かめたい、というコアユーザーも多いです。そこで、会社概要がしっかりとしたものであれば、「この会社が製造・販売している商品ならば、間違いなく信用してよいだろう」という安心感を抱けるようになります。
この場合、商品だけを気に入っていただくのではなく、会社自体を信頼し、ファンになっていただけるというメリットもあります。
会社概要ページに必要な項目とは?

会社概要ページには、「最低限必要な項目」と「開示が可能であれば記載しておきたい項目」があります。それぞれにおいて、ポイントとなる点をまとめています。
これだけは書いておきたい最低限必要な項目
会社概要において最低限必要な項目は以下の7つがあげられます。
- 会社名
- 設立
- 代表者
- 所在地
- 電話番号
- 事業内容
- 取扱製品・サービス
会社名などは英語表記も意識する
国内事業を中心としている企業でもグローバル化が進む中で、海外からのビジネスアクセスを受けるケースもあります。
外国人の訪問者が閲覧したときに、英語表記になっていることで海外からのアピールが受けやすくなるメリットがあります。もし余裕があれば、会社名だけではなく、事業内容なども簡潔な英語表記をしてみるとよいでしょう。
本社だけでなく支社も記載する
本社はその企業の中心でもあり、アクセスしやすいという面で記載は必須です。
支社がある場合、そうした所在地の数々も記載したほうがよいでしょう。特に、就活をしている学生や転職希望の閲覧者は、勤務地も考慮して活動しています。また、本社だけでなく支社を記載することで、どこの地域に勤務している社員に対しても大切に接している、という印象をユーザーに与えます。
所在地は地図があると良い
その会社と取引をしたくても、所在地が分かりにくい場所にあったり、交通手段が困難であったりすれば、お客様は訪問すること自体を苦痛に思います。こうした所在地は文字や口頭よりも地図を利用することが最大の親切につながります。まず、地図とリンクさせるなどの工夫をしてみましょう。
さらにより深いサービスを提供するのであれば、Googleのストリートビューなどを連結させることもおすすめです。こうした込み入ったサービスは、「お客様が来訪されるときに、迷わないように」という親切心が伝わります。
受付する曜日や時間帯を明確に
電話番号の欄には、電話番号やファックスだけでなく、問い合わせ用のメールアドレスなどが設けられているとよいです。また、電話対応が可能な時間帯、曜日などの詳細が記載されていると親切ですね。
開示が可能であれば記載しておきたい項目
開示が可能であれば、以下の6項目を加えておきましょう。しかし、あまりにも情報量が多いと、上記で述べた必須項目の内容の印象が薄らいでしまいます。以下の内容を付け加えたとしても、情報量のバランスは常に意識しましょう。
- 資本金
- 従業員数
- 売上高
- 取引先
- 関連会社
- 役員一覧
会社のキャッチフレーズやアピールポイントも盛り込む
会社のキャッチフレーズやアピールポイントを冒頭にもってくることもおすすめです。自社理念などをインパクトある短文で掲げるのもよいでしょう。そうすることで、ユーザー側はその会社が一番に力を入れていることがすぐに理解できます。
くどくて長い文章であればあるほど、お客様の興味は薄れてしまいます。できるだけ簡潔にアピールして、お客様に最大のインパクトを与えましょう。
動画などを盛り込む方法も
動画で社内の状況を発信する企業も増えています。動画のメリットは、社内の雰囲気や社風などが伝わりやすく、実際に見ている人を誘導しやすくします。文章や静止画よりもアピール度は高くなります。
代表者のメッセージは必要?
代表者のメッセージは、その会社を築き上げるための強い意志を伝える最高のパフォーマンスです。「どのような意気込みで会社の運営を行なってきたか」などの内容がメッセージ内に盛り込まれていると良いですね。
顔の見えない不明瞭な会社よりも、代表者が率先して発言することで会社の強い経営理念が伝わります。
さらに、ユーザに対してインパクトを与えたいのであれば、朗らかで人当たりが良い印象を与えるような代表者写真を掲載することもおすすめです。笑顔のない冷ややかな印象の写真は人当たりの悪い印象を与えてしまうため、控えてください。閲覧した訪問者に対して、威圧感や不快感を与えない写真を使用してください。
1ページのボリュームが多くなった場合
会社概要を見やすくするために、「表」にすることがおすすめです。ただし、多くの情報を1ページに詰め込み過ぎると、表示を重くしてしまいます。このようにならないためには次のようなサイト構成を意識しましょう。
- 会社概要ページには必須事項だけを載せる
- 他の詳細(経営理念・改革など)については、別ページに掲載する
この2つに注意を払うだけでも、ページ内がスッキリし、閲覧者が理解しやすくなります。
お客様の目線に配慮した会社概要を
企業サイトを閲覧する際、「会社概要までは詳しく見ない」と言う人がほとんどでしょう。しかし、その会社になんらかの興味をもった人は会社概要の項目をしっかりと閲覧します。
訪問者は、その会社概要から、その企業がどれだけお客様目線で対応しているかということもしっかり確認します。つまり、会社概要をお客様目線で親切に設計することで、企業の信頼度や信用度がアップします。そのため、その企業の商品やサービスだけでなく、企業自体の好感度を上げることができます。
閲覧して信頼を得たお客様は、結果的に「この企業の製品なら間違いない!」「ここの商品やサービスを買いたい」という気持ちになってくれるはずです。
“企業のファン”を増やすためにも、会社概要はしっかり設計してください。