「エディトリアル使用」、編集に携わる方であれば一度は目にしたことがあるでしょう。今回はロイヤリティフリー画像ダウンロードサイトShutterStockの例を交えて、記事の入稿時や画像選定前に誤ってうっかり使用しないためのポイントを解説します。編集業務やデザインに関わる人は知っておくべき内容です。これを機会に理解を深めましょう。
「エディトリアル使用」ってどんな条件で利用できるの?

ロイヤリティフリー画像ダウンロードサイトShutterStockや無料・有料画像配布サイトでベクター画像や写真を閲覧している際に、「エディトリアル使用のみ」と表記された画像を見かけることがあります。
この「エディトリアル使用のみ」のある画像を使用する場合、いくつか注意しなければならない点があります。
画像配布サイト内に掲載されているエディトリアルコンテンツを利用する場合、実際に起きた出来事、例えばニュースやノンフィクション、または非商用の場合にのみ使用が許可されています。オウンドメディア担当者やグラフィックデザイナーなど編集業務に携わっている方は、これを機会におさらいしましょう。
以下で、エディトリアルとは何か、ShutterStock内での使用方法、利用時の注意点を解説していきますので確認しましょう。
エディトリアルとは
エディトリアルとは社説や論説、編集の意を表します。主に職場では書籍や新聞、雑誌、漫画など数十ページにも及ぶ媒体を綺麗にまとめる編集作業を指します。
この言葉は単に「編集」という言葉を指すのではなく、誌面に掲載される意見や文章、図、写真などを伝わりやすいように整理・配列することも含まれます。
これらの作業を専門的に行う人を「エディトリアルデザイナー」と言います。仕事内容は編集スタッフが手掛けた作品の編集や構成案をデザインに落とし込みます。それに加え、企業が発行する雑誌や商品カタログ、マニュアルなど、読者が読みやすい枠組みや構成の調整などが要求されます。
現代ではエディトリアル・デザインという学問も確立。現場や採用時には編集とデザインの両分野で豊富な経験が要求されます。これらを専門とした事務所や各会社が求人サイトでも人材を募集していますので、興味のある方は調べてみてください。
エディトリアルコンテンツとは
商業目的での使用ライセンスを画像配布元が所有していないコンテンツです。
肖像権の問題もあり、本人の許可なしに記事内へ掲載することは避けたほうが賢明です。
「たまたま撮った画像に入り込んだ一般人」であっても無断で掲載することはおすすめできません。街中の画像を使用するのであれば、人物が特定できないよう処理された画像を使用すべきです。
“商標法違反”として罰せられることも考えられます。商標登録されたロゴやマーク、地所の無断画像使用は著作権法違反で訴えられるケースもあります。Webメディアの記事であっても画像内に商標登録されているのもが写り込んでいないか、細心の注意を払いましょう。
ShutterStockで見かける“エディトリアル使用”
ShutterStock内で画像素材、ベクター画像などを探しているときに見かける「エディトリアル使用のみ」という表記。これはエディトリアルコンテンツとも呼ばれています。雑誌やメディア内の記事では、報道や教育を目的とした記事や誌面であればエディトリアル画像を使用することが許されています。
例えば、各種スポーツニュースの結果、ドキュメンタリーや筋力トレーニングのやり方を説明・解説する場合に記事内で使用することができます。公序良俗の範囲内で、商業目的でなければ画像配布サイトで掲載されている素材をダウンロードして使用することができます。
つまり価値のある報道であるのか、説明や解説が求められる内容であれば掲載は可能と言えます。その他の使用例は、ノンフィクション書籍や公共サービスの説明を目的としたコンテンツなどがあげられます。
またShutterstockは名前、名称、商標、ロゴなど個人に関わる著作物への保証は行っておらず、「エディトリアル使用のみ」と表記された画像は、製品またはサービスの宣伝では使用できない画像のため、人物や対象物の情報は得ることができません。
もし仮に、素材提供者から使用の権利を得ることができれば、エディトリアル画像を商業目的で使用することもできます。本当に必要であれば、所有者と個人間で交渉し、利用を検討することも必要でしょう。
エディトリアル使用は通常、ニュースバリューのある、または人々の興味を引く状況で、説明やイラストを目的とした使用と定義されます。認められるエディトリアルコンテンツの使用例を以下に示します。
認められていない、エディトリアルコンテンツの使用目的
- ニュース記事、アーカイブ、出版物
- ドキュメンタリー記事
- ノンフィクション書籍
- 公共サービス用のコンテンツ
エディトリアルコンテンツの使用を考えているものの、その使用目的が認められているかどうか判断できない場合は、以下の認められない使用例に照らしてご検討ください。
引用元 エディトリアルコンテンツの使用目的|Shutterstock
- 広告(PR記事を含む)
- 商業的製品
- 包装パッケージ
- 宣伝
- 商品販売
- ソーシャルメディアキャンペーン
エディトリアル使用の画像を広告や販促目的で使用できない
エディトリアル画像の使用は非営利目的に限定されます。注意しなければならないことは、エディトリアル画像は非商業用向けに用意されているため、記事内の広告素材やユニフォーム販売など、販促を目的とした商業的理由での使用は許可されていません。
例えば、芸能人、プロスポーツ選手の顔写真、各企業のロゴが含まれている画像、一般人が画像に掲載されている(同意がある場合を除く)、お店・食品など商標登録されたものなど、保有先が明確なものは使用が禁止されています。企業においては包装パッケージ、SNSでのPRやキャンペーン広告、商品販売が該当します。
万が一、許諾の範囲を超えて使用してしまった場合は、発行したパンプレットやカタログなどの回収だけでなく、著作権・肖像権など侵害や損害賠償などの訴訟に及ぶ可能性があります。実際の報道や出来事、非営利目的でない限りは使用を控えるのが賢明です。
著作権違反画像として言及された場合、アドセンス広告使用の権利が剥奪される可能性もあるようですので、ご注意ください。
「エディトリアル使用」画像をうっかり使う前に確認を
基本的に「エディトリアル使用」と表記されたものは、非営利目的での使用に限られます。使用が許諾されているものは、報道する価値があるものや、解説や説明が必要な内容に限られており、営利目的と判断された場合、発行済みの商品回収や訴訟など大事になりかねません。
画像配布サイトで提供されている素材の使用目的をダウンロードする前に確認し、営利目的でうっかり使用することがないように注意しましょう。