「ネットリテラシー」という言葉を聞いたことはあっても、正しく理解してネットを使うことができている人は意外と少ないのではないでしょうか。
ネットリテラシーを向上させることは正しくネットを利用していくために非常に重要で、社会人として企業でパソコンを利用する際にも必要です。自分自身のネットリテラシーを高め、トラブルを回避する方法について学びましょう。

ネットリテラシーとはどういう意味?

ネットリテラシーとはどういう意味?

最近よく耳にする「ネットリテラシー」という言葉ですが、その意味を正しく理解しながらネットを利用できているか、再度考えてみてください。

「リテラシー」という言葉の元々の意味は識字能力を指しますが、近年和製英語としてはそれを上手に使いこなすことができるかどうかという意味として捉えられています。つまり、ネット+リテラシーの独立した単語が一緒になった「ネットリテラシー」では、ネットを正しく使いこなせる能力があるかということを指しているということになります。

ネットリテラシーはただ普段からスマホで調べ物をすることが多い人から、仕事でネットを使う企業人まで、100%身につけておきたい能力です。

これからも続く情報化社会の中で、正しくその能力を使いこなすためにも、ネットリテラシーを向上させてネットの罠に落ちないようにしたいですね。

ネットリテラシーの欠如が起こすトラブル

ネットリテラシーの欠如が起こすトラブル

ネットリテラシーが欠如すると、あらゆるトラブルの元となります。

例えば、ネットには非常に多くの情報が溢れています。その中で、どの情報が信頼できるのかを判断するのは、ネットの情報を見た本人になります。

ネットリテラシーの欠如が起こすトラブルとしては、無意識のうちにSNSなどで誤った情報の発信と拡散をしてしまったり、間違った情報を正しいことだと勘違いして知識として取り入れてしまうことが挙げられます。

そして、時には軽い気持ちでSNSに投稿した内容が問題となって自分が加害者になってしまったり、個人情報の流出やウイルス感染など自分が被害者となることもあります。

特に、ウイルス感染などの場合は自分とやり取りしている相手もネットリテラシーが高くなければいけません。最近では取引先の担当のメールアドレスなどの個人情報が流出し、それが元となって自分もウイルスに感染するパターンも増加しているので注意したいですね。

誤った情報の拡散

誤った情報の拡散というのは、例えばデマを真実だと信じ込んでSNSで拡散するようなケースを指します。自分ではそういった気持ちで投稿した訳ではなくても、それを見た第三者がさらに拡散してデマの情報が大きく流れ、人を傷つけることも少なくありません。

このようなデマの数が多ければ他の人から見た信憑性も上がってしまい、ネットニュースなどで正しいものとして報道されてしまう場合もあります。特に、芸能人はこのデマに振り回されやすく、本人のSNSに誹謗中傷が書き込まれたり、実際にデマの情報を目にして傷ついてしまうこともあります。

一般人としては「自分のSNSに投稿するだけだから問題はない」と考えがちですが、自分もデマの拡散に加担することになりかねない、ということを覚えておいてください。

リツイートしただけでも名誉棄損?

Twitterには他の人の投稿を自由に転載する「リツイート」という機能があり、これを気軽な気持ちで使っている人も多いのではないでしょうか。リツイートは一見そのツイートを投稿したのは自分ではないため、どんなツイートに対して行っても責任はないように思えますが、それは間違いです。

もちろん、一番悪いのは批判などをツイートした人だということになりますが、それを拡散する行為でもあるリツイートも内容によっては名誉毀損にあたります。リツイートをする時は内容を見極め、慎重に行うことをおすすめします。

個人情報の流出

ネットリテラシーの欠如によって、個人情報が流出することも数多くあります。例えば、自分の住んでいる街だとわかる場所で写真を撮ってSNSにアップしたり、ハッシュタグで特定の場所を書くだけでも個人情報は流出します。

また、自分以外の親しい友人・知人の個人情報の扱い方にも注意をしなければいけません。SNSに写真と名前をアップしただけでもわかる人はわかりますし、そこから個人情報が漏れて第三者に迷惑をかける恐れもあります。

SNSなどの利用には細心の注意をはらうとともに、第三者を載せる時には必ず本人の許可をもらってください。場所や顔などもわかりにくくし、できるだけ個人情報が流出することを防ぎながらSNSを使うようにしましょう。

ウィルス感染による危険性

インターネットの利用により使用しているパソコンやスマホがウィルス感染したり、乗っ取りにあったりするという話もよく聞きますよね。これは、悪質な業者などによってウィルスに感染させてそのアカウントを使えなくしたり、メールアドレスやSNSアカウントを悪用して個人情報を盗んだり、わざとお金を振り込ませるためのものです。

最近ではウィルスに感染させるための色々なバリエーションが増えています。中にはメールアドレスのURLをクリックしただけでパソコンが使えなくなってしまったり、アプリに登録しただけで情報が盗まれてしまうこともあるので厄介です。

さらに一度ウィルスに感染すれば、他の友人・知人や取引先の人の情報も盗まれてしまう可能性も高くなります。ウィルスに感染したら、できるだけ早く周りに注意を呼びかけるとともに、怪しいアプリの登録は避けることが賢明です。

“匿名性”の過信

SNSは基本的に匿名性だから安心して何でも書ける、と思っている人も多いのは事実です。

確かに、SNSはFacebookなど一部の本名で登録しなければいけない決まりを持ったもの以外では匿名でできるから安心だと思ってしまう人もいます。しかし、SNSの匿名性は本当に個人情報が守られるものなのでしょうか。

その答えは「NO」です。

SNSでは電話番号やメールアドレスから「友達かも?」で知人が表示される経験をした人がほとんどです。また、プロバイダから発信元がわかったり、IPアドレスでも地域を特定することができるので、そこから個人情報に至ることも不可能とは言い切れません。

インターネットの利用は匿名性だということを過信せず、個人の責任を持って発信をしなければいけないのです。

年々巧妙になるネット詐欺

ネット詐欺は、当たり前のように誰もがスマホを持つようになった今始まったものではなく、以前から存在していたものです。以前はワンクリック詐欺や芸能人を装ってメールを送ってくる詐欺などが定番でしたが、この方法は有名になり、今も存在してはいるものの、引っかかる人も少なくなってきました。

今ではそのネット詐欺の種類の数も膨大に増えただけではなく、年々巧妙になっています。

例えば、ほとんどの人が登録しているようなオンラインショップのロゴやメールアドレスを真似たネット詐欺では、「アカウントが使えなくなる」などと連絡してURLにアクセスさせ、さらにIDやパスワードを入力させて情報を盗みます。

このパターンでは焦った利用者が引っかかってしまいがちですが、少しでも「変だな」と感じた時は、情報元をよく確認した上で通常の方法でログインしてみましょう。もし、問題なくログインできれば、「それは詐欺だ」と見極めることができますよね。

ネットリテラシーを鍛えるための学習方法

ネットリテラシーを鍛えるための学習方法

ネットリテラシーは、小さい頃から馴染みのあるものであった子どもよりも、大人のほうが向上させるのが難しいものです。なぜなら、大人はインターネットを使いこなす年齢が遅く、最低限の機能しか使わない人が多いからです。それと比較して子どもはたくさんのアプリを使い、インターネットを利用する時間も大人より長いと言えます。

大人も子どもも知っておくべきネットリテラシーを鍛えるための学習方法をご紹介します。

「KDDIネットスキル診断」で小手調べ

KDDIネットスキル診断は小学校高学年から高校生までを対象にした、子ども向けのネットスキル診断です。

なぜこれが大人にも有効かというと、このKDDIネットスキル診断に全問正解できなければ、大人にも必須なネットリテラシーが身についていないと判断できるからです。つまり、これを受けることによって、自分自身のネットリテラシーの高さを知ることができるのです。

もちろん、不正解があったら勉強にもなるので、子ども向けとはいえ全世代におすすめのツールであると言えます。

情報を「正しく使う」能力を鍛える

情報を正しく使う能力というのは、自分で正しい情報かを判断してそれを応用していく能力のことです。

正しい情報を見極めるためには、ひとつの情報源だけを参考にするのではいけません。当然、情報を得るためにかける時間や労力が少なければ楽ではあるのですが、それでは信憑性に欠けてネットリテラシーは低いままです。

何か自分の知らないことを調べる時には、できるだけ多くのWEBサイトや書籍を参考にしてください。そうすることによって、正しい情報は何かが見えてきて、必ず自分でそれを選ぶことができるでしょう。

ネットリテラシーを鍛えるための参考書

ネットリテラシーを鍛えるためには、その要点がまとまっている書籍を読むのも良いことです。参考書は自分でまとめる手間を省き、学習する際の時短にもなります。

荻上チキ著の「12歳からのインターネット」では、1981年生まれの比較的子どもに世代が近い著者によって執筆された、子どもと一緒に学びたいネットリテラシーの基本です。学校を会社に置き換えれば、十分親世代の役にも立ちます。

12歳からのインターネット

Amazon参考価格 1,320円

萩上 チキ 著

また、日経BPより出版されている「情報リテラシー入門 2020年度版」は比較的新しい情報が得られ、ネットリテラシー初心者にも優しい覚えておきたいキーワードが網羅された大人の参考書です。

情報リテラシー入門 2020年版

参考価格 2,530円

日経BP 発行

ネットで収集可能なネットリテラシー情報

ネットで収集可能なネットリテラシー情報としては、公的機関の情報を選択するのがベストです。

一番おすすめなのが、内閣サイバーセキュリティーから無料でダウンロード可能な情報です。これは項目ごとに分かれているものなので非常にわかりやすく、スキマ時間を使ってネットリテラシー情報の勉強ができるのも嬉しいですね。

ネットリテラシー検定で資格を取得する

ネットリテラシーを効率良く学ぶためには、ネットリテラシー検定を受験してネットリテラシーの知識が本当に身についたかを確認するのも良いかもしれません。

ネットリテラシー検定ではネットリテラシーについての正しい知識を身につけ、それを武器にして活かすことができるか客観的なチェックをすることができます。膨大な量の情報から自分を守り、加害者にも被害者にならないための資格にぜひ挑戦してみてください。

模擬試験に挑戦

ネットリテラシー検定ではWEBサイトから模擬試験に挑戦することもできます。模擬試験の問題数は50問で、試験対策としても役立つのである程度勉強をした人はチャレンジする価値があります。

模擬試験を受けることによってどのような問題が出るのか試験の傾向を知ることができるとともに、自分の理解力や合格の可能性を図ることもできます。

ネットリテラシー検定を受験するという人は、本番前に必ず模擬試験にチャレンジして合格へと近付く対策をするべきです。

公的機関の情報も参考に

最近では若年層ではなく、高齢層のインターネットの利用も増加しています。そのため、企業で働く社会人だけでなく高齢者がネットで情報を得ることも多く、高齢層がネットリテラシーを向上させることも重要です。

普段、あまりインターネットを使ったことがない高齢者は、サイバーセキュリティー講習などを受講し、ネットリテラシーの知識を得るのもおすすめです。ネットリテラシーを学ぶには公的機関からも情報が開示されていて、それは信憑性が高く、役立つものだと言えるでしょう。

公的機関のページではただ勉強ができるというだけでなく、様々な新しい情報が更新されていくので、随時それをチェックすることをおすすめします。

情報の取捨選択力が問われる時代

情報化社会が進むにつれて、キーワードで検索するだけでも膨大な量の情報が検索に引っかかるようになりました。多くの人は上位の検索結果しか見ていないかもしれませんが、正しい情報を得るためには情報の取捨選択力が問われる時代となっています。

したがって、「検索の上位に来ているから」とか「ネットニュースだから必ず正しい」というわけではなく、そこに信憑性があるかをさらに掘り下げて調べ、怪しい部分があれば切り捨てなければいけない、ということになります。

このような情報を正しく選択することができる力こそが、ネットリテラシーの能力です。誰もがネットによって詐欺にあったり情報に惑わされることがあるからこそ、ネットリテラシーを向上させてリスクを回避できるようにしてください。