オウンドメディアを導入する際には、ある程度の予算がかかるものです。これから自社サイトを作り商品やサービスの認知度を高めようとするなら、メディアの運用にかかる費用を知っておく必要があるでしょう。
そこで今回の記事は、オウンドメディアの制作に掛かる予算の相場やその内訳、外注する際の費用について詳しく解説していきます。

オウンドメディア制作に必要な予算

オウンドメディア制作に必要な予算

オウンドメディアの制作は、自社で行うのか外注するのかでかかる費用が変わります。自社で実施する方が安く済ませやすいケースが多いですが、外注することでも人件費などのコスト削減につなげられるでしょう。

どちらの方法がマッチしているかは、企業によって異なります。自社に合ったやり方を見つけるためにも、それぞれの費用の相場や必要となる作業について掘り下げてみましょう。

自社で全て行う場合

自社でオウンドメディアを制作する場合、かかる費用は人件費のみに抑えられることがあります。例えばすでに会社サイトをもっているなら、その中にオウンドメディアを設置することで、その他諸々かかる費用を削減できるからです。

ただしSEO対策をしっかり実施しクオリティの高いコンテンツを作り上げるなら、それなりのリソースがかかるもの。他の業務の合間に行うことも難しいため、オウンドメディア専任の人材を用意する必要があります。

そのため、オウンドメディアの制作を任せる社員分の給料がそのまま人件費となるので、制作にかかる期間が長引くほどコストも増えていくでしょう。

さらにコンテンツが充実した後も、定期的な更新やメンテナンスでメディアを充実させていきます。つまり運営を継続していくためには、それなりのコストを割く必要があるのです。また新規で一からオウンドメディアを作る場合、ドメインの取得やレンタルサーバー代など様々な費用がかかります。

では人件費を含めたこれらの予算について見ていきましょう。

ドメイン取得

ドメインとは、サイトのURLになる部分のことです。インターネットの世界では住所のような役割を持つため、これを取得しなければオウンドメディアを作っても一般の方に公開することができません。

そしてドメイン取得にかかる費用は、管理会社やドメインの種類によって様々です。

例えば管理会社には数多くの企業が存在しています。

  • お名前.com
  • ムームードメイン
  • バリュードメイン
  • スタードメイン
  • エックスドメイン

ドメインの種類も、様々です。

  • .jp
  • .com
  • .net
  • .org など

サイトのURLの末尾をよく見てみると、これらのローマ字になっているのを見かけたことがあると思います。

そして管理会社によって、これらのドメイン取得にかかる料金が異なるのです。2020年8月3日時点での料金を見てみると、以下のようになります。

※2020年8月3日現在の新規取得時1年目の料金
 お名前.comムームードメインエックスドメイン
.jp1,160円2,049円1,180円~
.co.jp3,660円3,980円3,980円
.com760円1,160円780円
.org1,140円×1,380円
.net599円599円1,180円

これらのドメイン契約にかかる料金は1年分なので、比較的安い出費で済ませることが可能です。時期によって特定のドメイン料金が格安になっていることもあるため、サーバーと合わせて契約する際に確認してみてください。

レンタルサーバー(自社サーバーではない場合)

レンタルサーバーとは、Webサイトを設置する土地のような役割を持つものです。ドメインと同様にこちらも契約しておかないと、オウンドメディアを設置することができません。

自社でサーバーを保有していない場合、このレンタルサーバーを管理会社から借りる必要があります。そして契約料金は、レンタルサーバーの規模や管理会社の種類によって異なるでしょう。

 初期費用月額容量
ロリポップ エンタープライズ3,000円2,000円~400GB~
エックスサーバービジネス15,000円3,240円~200GB~
CPIレンタルサーバー0円~3,800円~無制限
ConoHa WING0円~1,200円~200GB~
お名前.com レンタルサーバー無料900円~200GB~

契約期間は3ヶ月〜36ヶ月まで様々あり、長いほど一月あたりの料金が安くなる傾向です。

さらに現在では、オウンドメディアを運営する上で「企業認証SSL」の発行が欠かせません。なぜなら「企業認証SSL」は、ドメインを所有している組織が法的に存在していることを認めた証明書のようなものだからです。SEO対策として運営するWebサイトの信頼性を高めるためにも、必ず実施しておく必要があるでしょう。

「企業認証SSL」の契約には、エックスサーバーだと年間19,000円ほどかかります。しかしWebサイトのSSL化は今や必須の時代なので、必要経費と割り切って契約しましょう。

CMS構築

CMSとは、Webサイトを構築する際に必要なソフトです。一般的には、WordPressという無料のCMSが最も利用されています。

WordPressでは、外観や機能性をカスタマイズする際に約1万円から販売されている有料のテーマを購入することも多いです。買い切りタイプとなるので、割と安い費用で済ませられます。

しかし既存のテーマを利用すると、他のWebサイトとデザインが被る恐れも。そのため、オリジナルデザインのテーマを制作会社に発注するケースも見受けられます。この場合、制作費だけでなくディレクション費用などもかかるので、10万〜30万円と料金が跳ね上がるでしょう。

他にも様々なCMSがあるので、自社のオウンドメディアに合ったものを探してみてください。

  • WordPressより規模の大きいサイトに向いている「Drupal
  • スマホ向けサイトに強い「CREAM
  • セキュリティ面に強く国内の法人も数多く利用している「Movable Type

オウンドメディアの企画やマーケティング戦略

自社でオウンドメディアに関する全ての業務を行う場合、制作費以外には基本的に費用はかかりません。しかしその分、作業する人員を割くことによるコストが発生するものです。

例えばオウンドメディアの運営では、

  • 誰に対してどんな情報を発信していくかを検討する「企画」
  • 企画をもとに様々なコンテンツ制作を担う「マーケティング戦略」

などの業務が挙げられます。

ひとりの人員だけでは、これらの業務を遂行することが困難です。それぞれの業務に担当者を設置するとしても3人ほど必要になります。つまり人件費には、60万〜90万円ほどかかる計算です。

またオウンドメディアを運営できる人材がいなければ、新たに採用して人員を補充することになるでしょう。その場合、求人広告費やセミナーなどの会場費、人材紹介会社への手数料といった外部コストが発生します。

さらに採用担当者の人件費や入社後の教育などの内部コストも含めると、正社員の採用費に30万〜100万円を超えるほどの費用がかかるとも言われています。

特に自社でオウンドメディアを運営する際には、人件費や採用費などの細かい部分まで見積もりを立てた上で計画的に進めましょう。

コンテンツ制作

コンテンツ制作に関してかかる費用は、自社で一貫して行うのであれば基本的に人件費のみです。ただし記事のキーワード選定や構成、執筆や推敲などの作業があるため、それなりのコストはかかります。

よりクオリティの高い記事にするなら、ターゲットユーザーのニーズ調査やSEO対策なども考えなければなりません。ある程度の知識がないと、自社の人員だけで実施するのは難しい場合もあります。

そのため一部の作業を外注し、コンテンツのブラッシュアップや効率化を図ることも多いです。

例えばコンテンツの方向性や記事の構成までを自社で行い、執筆作業を外部のライターに依頼するケース。特に最近ではクラウドソーシングといった仲介サイトに募集をかけることで、多くのライターを集められます。1記事あたりの単価も、数千円程度や文字単価1円などと比較的おさえやすいです。

また記事制作の企画から執筆、納品までトータルで制作会社に依頼することも可能です。この場合、求めている記事のイメージに合わせてディレクションしてくれるため、自社のリソースを大幅に削減できます。

しかしその分、1記事を制作する際の単価が数万円と高くなる傾向です。人員や予算を想定した上で、どこまで自社で取り組むかを検討しましょう。

運用

記事や動画制作などを実施した後も、オウンドメディアの運用には人員が必要となります。例えば、検索サイトやSNSからの流入数を分析し記事の改善を図る、さらなるコンテンツの投稿やWebサイトのメンテナンスなどです。

こうした日々の業務を行う運用担当者が、少なくとも1〜2名は必要となるでしょう。WebサイトのみではなくTwitterやFacebookなどのSNSと連動してPRするなら、それぞれの担当者を用意し、広報部門として複数人がまとまって動くなどの選択肢もあります。

もちろん企業によって、最適な方法は変わってくるものです。できるだけ円滑に業務を進めるためにも、辞任の割り当てについてはオウンドメディアの企画段階で検討しておきましょう。

オウンドメディアを外注する場合

オウンドメディアの制作や運用自体を、外部の会社に依頼することも可能です。そしてディレクションから構築後の運用まで一貫して請け負う会社も多いため、テーマに沿ったまとまりのあるコンテンツを作りやすいのも魅力と言えるでしょう。

ただし費用に関しては、制作会社によってかなりの差が出ます。例えば、クオリティの高いサイト構築を求めるほど制作費は高くなりますし、規模の大きいサイトのメンテナンスだと月額で数十万円かかることがあります。

逆に言えば低コストのWebサイトなら制作に10万円ほど、維持費を1万円程度に抑えることも可能です。

オウンドメディアを運営する目的は、認知度アップや販売促進など様々なのでそれによってWebサイトの構成も変わります。どんなコンテンツを作るのかを明確にしてから予算を組み、外注する部分について検討すると良いでしょう。

自社で運用するにも人件費は避けられない

自社で運用するにも人件費は避けられない

上記のことから、少ない予算でオウンドメディアを作ろうと思ってもある程度の人件費は避けられません。特に人材が不足気味の企業では、オウンドメディアの業務に回せる人員が少なくなりがち。そのため計画的に運営を進めないと、通常業務と兼任になったり残業時間が長くなったりと社員への負担が増加してしまうはずです。

結果としてWebサイトの更新が滞る、担当者が異動や退職するという事態に陥ってしまい、成功に至らないケースが多々あります。

またインターネットの世界ではトレンドの流れが早く、チャンスを逃してしまうことも。いち早く最新情報を発信し、トレンド情報にも常にアンテナを張り巡らせておくことが必要になります。

臨機応変に対応するためにも、自社でオウンドメディアを運営する際には余裕をもった人員を投入し、事業へ全力投球することが重要になります。

オウンドメディアを外注する場合の予算相場

オウンドメディアを外注する場合の予算相場

オウンドメディアの外注費は、制作するコンテンツや依頼する業者によってかなり変動します。例えば、サイト構築する際の初期費用は低コストのものだと20万〜30万円ほど。しかしページ数が多く、アニメーションやスライダーなどの動きのあるサイトだと100万円程度にまで上ることもあります。

運用費については、どの程度の業務を制作会社に任せるかによって相場が変動します。例えば運用や保守、記事などのコンテンツ制作を全て任せると、規模の大きいサイトなら月額30万円以上するケースもあるようです。

一見するとかなり高額に感じられますが、自社でオウンドメディアを立ち上げると人件費(約3人分)は月60万円ほど。場合によっては、運営に関する全ての業務を自社で行うよりも費用を抑えられるかもしれません。

記事などのコンテンツ制作を自社で行い、Webサイトのメンテナンスのみを依頼するなら数万円程度で済むこともあります。自社と外注どちらで実施するかは、より質の高いコンテンツを生み出せることを基準に考えるのが無難です。

失敗しないための制作会社の選び方

オウンドメディアの構築や運営を外注するなら、できるだけクオリティの高いコンテンツ制作を実施できる会社に依頼したいものです。

しかし制作会社によっては、こちらの意図が伝わらず思った通りのコンテンツを作れない、費用が高いにも関わらずサイト構築が雑だった、ということもあり得るため、慎重に選ばなければなりません。

制作会社の選び方には、いくつかのポイントがあります。

  • 物販やサービス全般、飲食やITなどの様々な分野でどれが得意なのか
  • Webサイトのレイアウトだけでなく、記事などのコンテンツ制作にも力を入れているか
  • 運用後のメンテナンスや保守といったサポート体制は万全か など

例えば制作会社のWebサイトが綺麗に整っているか、サイトに記事などが上がっていればきちんとした文章になっているかをチェックしてみると良いでしょう。これまでの実績を公開している会社であれば、それも判断材料のひとつになるはずです。

またオウンドメディアの運用に関してやり取りする上で、こちらの目的や意図をきちんとくみ取ってくれるかも重要になります。見積もりする段階で「こういう雰囲気のサイトを作りたい」「こんなコンテンツを用意したい」など、こちらから様々な提案をしてみてください。

運営・運用だけを外注したほうが人件費を抑えられることも

一から企業のオウンドメディアを立ち上げるには、数十万円〜数百万円ほどの予算がかかります。特にWebサイトの構築は、規模が大きくなるとそれだけで100万円を超える可能性があるでしょう。

もし会社のWebサイトや別でメディアを保有しているのであれば、その中にオウンドメディアを組み込むことで構築費を抑えられるかもしれません。オウンドメディアの運用や記事などのコンテンツ制作だけだと、月額20万〜30万円程度で外注できる制作会社もあるからです。

そして20万円程度の金額なら、自社で運用する際の人件費を考えるとトータルの予算を抑えることにもつなげられます。ただし運営や運用を外注する場合には、しっかりしたコンテンツ制作を行える制作会社なのかを見極めた上で依頼しましょう。

オウンドメディアにかかる費用は決して少なくありません。事業が失敗しないよう綿密な計画や予算を立ててからスタートしてください。