最近、医療系や美容系のオウンドメディアで、専門家の監修による記事を見ることが増えてきました。専門家による監修は、記事の信頼性や権威性を高め、記事の品質やSEO評価の向上にもつながります。そこでこの記事では、記事監修のメリットや注意点、依頼するときの相場などについてわかりやすく解説します。

医師監修記事が増えた背景

医師監修記事が増えた背景

医師による監修記事が増えた背景には、医療・美容系のオウンドメディアやキュレーションサイトなどが乱立するなか、情報の価値と質を高め、自サイトをより検索上位に表示させたいというニーズが高まってきていることがあげられます。

検索エンジン大手のGoogleは、Webコンテンツの評価基準のひとつに、E-A-T(専門性・権威性・信頼性)を挙げています。E-A-Tとは、Googleが検索品質評価ガイドラインに定める以下の3つの略です。

  • E(Expertise):専門性
  • A(Authoritativeness):権威性
  • T(Trustworthiness):信頼性

Googleは、特定のテーマに特化した専門性の高いコンテンツや権威のある専門家が作成したコンテンツ、信頼ある正しい情報を提供しているコンテンツを高く評価しています。

検索上位を狙うオウンドメディアやキュレーションサイトは、Googleが重要視しているこれらの評価基準を満たすことが必須要件となりました。その結果、医師などの専門家による監修記事が増えてきたのです。

実際に、専門知識や国家資格のない一般のWebライターが書いた記事と、経験と実績の豊富な現役医師が書いた記事とでは、どちらがより信頼性が高いかは明白です。E-A-Tを無視した低品質なコンテンツは、かえってユーザーの信頼を裏切ることになります。その象徴的な出来事が、2016年に起こった医療系キュレーションサイトの突然の閉鎖です。

エビデンス、薬機法への対処

2016年に閉鎖されたキュレーションサイトは、さまざまなキーワードで記事を量産し、検索上位に表示させる手法でアクセスを集めていました。しかし、他サイトからの不正な引用や医学的根拠のない記事内容が問題視され、なかには薬機法(旧薬事法)に抵触している記事も見られました。

このような問題が起きた原因として、以下の3つがあげられます。

  • コストを抑えるために専門知識や国家資格のない一般のWebライターを多く雇っていた
  • さまざまなキーワードで記事を量産したにもかかわらず、記事の品質や情報の正確性をチェックする編集機能が十分でなかった
  • 自社の利益を優先し、読み手となるユーザーの健康や生命に対する配慮に欠けていた

間違った医療情報は、ユーザーの健康に多大な影響を与える恐れがあり、極めて深刻な問題です。メディア運営者は、医学的な根拠(エビデンス)や薬機法にも配慮しなければならず、その分野に精通する人材がコンテンツ作成にかかわることが求められています。

記事監修の4つのメリット

記事監修の4つのメリット

専門家による記事監修は、ユーザーやメディア運営者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、専門家に監修を依頼することによって得られる4つの大きなメリットについてご紹介します。

正しく信頼ある情報をユーザーに伝えることができる

メディア運営者にとって最も重要なことは、正確かつ信頼性のある情報をユーザーに伝えることです。ユーザーに有益で質の高い記事は、メディア全体の評価を高め、ユーザーからの支持も得られやすくます。

専門家の監修を受けることで、記事の正確性や精度を高め、専門知識や科学的な根拠に基づいた「確かな情報」を発信することが可能です。また、中立的な立場から記事を監修してもらえるため、偏った視点や誤解を招くような表現になるリスクも防げます。

他サイトより質の高いコンテンツが作成できて差別化につながる

専門家の監修が入ることで、一般のWebライターが書いた記事で構成されるサイトに比べ、記事の質を格段に高めることができます。良い監修を行うことで、ユーザーにより伝わりやすい表現や共感・納得してもらえるコンテンツに仕上げることが可能です。

専門家の記事監修は一定のコストとプロセスを要しますが、それだけに他の競合サイトに対して大きな差別化を図ることにつながります。監修を上手く活用することで、ユーザーはあなたのサイトでしか得られない魅力やメリットをきっと感じることでしょう。

メディアや運営企業のブランディングにつながる

権威ある専門家が監修してくれることで、メディアそのものに付加価値がつき、そのテーマに特化したオウンドメディアとしてのブランディングにつながります。たとえ、立ち上げたばかりの新規メディアであったとしても、社会的信頼や権威の高い専門家の監修がつくことで、ユーザーの信用を得られ、メディアの成長を加速させることができます。

良いメディアを作ることで、運営企業のブランドイメージも向上します。

ユーザーに信頼されるオウンドメディアを構築できれば、さまざまなビジネスチャンスを創出することもできます。メディアの印象ひとつで、運営企業のブランドイメージも大きく変わるため、重要なメディア戦略のひとつとして監修を検討するのも良いでしょう。

法律違反や炎上などのリスクを回避できる

専門家による監修を受けることで、以下のようなリスクが回避できます。

  • 著作権や薬機法などの法律に違反するリスク
  • 不正確・低品質なコンテンツによる炎上リスク
  • メディアがユーザーに損害を与えた場合の企業責任リスク

これらの問題が発生した場合、メディア運営や事業の継続が困難になる恐れもあります。Webコンテンツは世界中に公開され、誰でも閲覧できるものであるため、法律やユーザーへの配慮は不可欠です。

以上の4つのメリットから、監修を受けたメディアは、結果的にユーザーからの信頼を得られ、検索エンジンからも評価される「価値の高いコンテンツ」になりやすいため、検索順位のアップにつながることも期待できます。

記事の監修を依頼するときの注意点

記事の監修を依頼するときの注意点

それでは、実際に記事を監修するうえで事前にチェックしておきたい注意点についてご説明します。監修を依頼する際の注意点は、大きく2つあります。まず、ひとつめが「誰に監修を依頼するか」ということです。

どの程度の情報を出して欲しいのか

監修を依頼したい専門家がどこまでメディア上に情報を開示してくれるのかという点も、メディアの信頼性にかかわる重要なポイントです。監修者の名前、肩書、勤務先、専門分野、経歴、執筆論文など、運営企業はどこまでメディアに掲載したいのかを明確にしておきましょう。

どの程度まで情報開示できるのかによって、監修を依頼できるかどうかが決まります。

顔出しの有無

監修者の顔出しができるかどうかも、重要な判断基準です。そもそも、監修者の顔が見えなければ、信頼できるメディアとは言えません。監修として依頼するなら、メディア上に顔写真の掲載ができるかどうかも事前に確認しておきましょう。

また、掲載する顔写真は公式的(フォーマル)なものを用意し、ふさわしい写真がない場合は撮影するなどの準備も必要です。監修者の写真によってメディアの印象も変わるため、写真の見映えにもよく気を配りましょう。

資格の確認

医師や薬剤師、税理士などの国家資格を有しているかどうかもチェックしておきたいポイントです。社内に有資格者の監修者を抱えていれば心配ありませんが、外部の専門家に依頼する場合、本当にその資格を持っているのかどうか、確認したうえで依頼することをおすすめします。

これは資格だけでなく、学歴や経歴も同様です。もし、監修者の保有資格や学歴・経歴などに虚偽があった場合、監修者本人だけでなく監修者を人選した企業側の責任も問われます。

このようなリスクを回避するひとつの方法として、監修者のキャスティングを手がける専門業者を利用する方法もあります。最近では、Webコンテンツの重要性の高まりに伴い、自前で監修者を見つけることが困難な企業に対して、ニーズにあった監修者を紹介してくれるサービスも多く誕生しています。

良い監修者を探し、質の高いコンテンツ作成に注力することが、価値あるメディアを育てるための重要なステップと言えるでしょう。

医師や専門家に監修をお願いする際の費用の相場

医師や専門家に監修をお願いする際の費用の相場

専門家に監修を依頼するときにチェックしておきたいもうひとつの注意点が「費用がいくらぐらいかかるか」です。これは国家資格の有無や情報開示の程度などの条件によっても異なります。

一般的な相場は、以下の通りです。

監修者のキャスティング20,000円前後
ライティング(専門知識を持ったライターが執筆)文字単価3~15円
ディレクション1記事あたり10,000円前後

次に、国家資格の有無や知名度の高さなど、監修者に求める条件によってどのように対応が異なるかについても見てみましょう。

有資格者の場合

医師や薬剤師などの国家資格保有者で顔出しや勤務先の開示などができる場合、相場に応じて費用を支払うケースが多いです。なかには善意で監修を引き受けてくれる医師もいますが、依頼する側としては、基本的な報酬を提示するのがマナーでしょう。

報酬の決め方としては、一般的な相場を参考にする方法のほか、給与や時給をもとに算出する方法もあります。例えば、医師や看護師の給与や時給から、作業時間に相当する報酬を設定するのも明瞭でわかりやすいでしょう。

資格はそれほど重要ではなく知名度が重要視される場合

雑誌やテレビなどで話題の美容家やインターネット上で影響力のあるインフルエンサー、著名なYouTuberなど、資格よりも知名度の高さが重要視される人物に監修を依頼する場合、かかる費用はそれぞれ異なります。

「広告宣伝費として無料で引き受けます」という場合でも、何らかの費用は必ず発生します。事前に報酬や期限などの条件をよく相談したうえで双方の納得のいく契約を結びましょう。

美容・ヘルス系記事には監修が必須

医学的な根拠(エビデンス)を必要とする美容・ヘルス系のオウンドメディアの記事では、専門家による監修が必須とされる時代になりました。多くのユーザーにとって関心の高いテーマだけに、より信頼性のある情報とユーザー目線に立ったメディア運用が求められます。

今回ご紹介した記事監修のメリットや注意点を参考にしながら、専門家による監修をあなたのメディア戦略の中でぜひ効果的に活用してください。