Webコンテンツの集客に欠かせないのが「ロングテールキーワード」を使ったSEO対策です。しかし、ロングテールキーワードと言っても、「どんなキーワードを選んだら良いのかわからない」のが悩みのひとつではないでしょうか。そこでこの記事では、ロングテールキーワードの基礎知識や探し方(選び方)のポイントなどをわかりやすくご紹介します。

ロングテールキーワードとは

ロングテールキーワードとは

ロングテールキーワードとは、3語以上からなる検索ボリュームが比較的小さいキーワードのことです。スモールキーワード、ニッチキーワードとも呼ばれ、月間平均検索ボリュームが1,000以下のキーワードを指します。

ロングテールキーワードは競合が少なく、ユーザーニーズを満たすコンテンツが作りやすいため、検索結果での上位表示や商品・サービスの購入・成約につながりやすいという特徴があります。

これは、2004年にアメリカの雑誌「WIRED」の編集長を務めたクリス・アンダーソンによって提唱された「ロングテール理論」に基づいています。ロングテール理論とは、全体の売り上げの大部分はニッチな商品が占めるという理論で、インターネット通販やオンラインビジネスが成功する必須条件のひとつとされています。

例えば、インターネット通販のAmazonでは、全体の売り上げに占めるヒット商品の売り上げは約2割で、残りの約8割はニッチな商品の売り上げであることがよく知られています。横軸に商品、縦軸に売り上げのグラフを書くと、ニッチな商品による小さな売り上げがしっぽのように長く続く形になることから「ロングテール」と名付けられました。

これをキーワードに当てはめたのがロングテールキーワードです。大量のアクセスを集めるビッグキーワードではなく、ニッチなキーワード(ロングテールキーワード)を使って小さなアクセスを幅広く集めるSEOのことを「ロングテールSEO」とも呼びます。

ビッグキーワード

ビッグキーワードとは、検索ボリュームが大きい1語のキーワードのことで、月間平均検索ボリュームが10,000以上のものを指します。よく検索される人気のビッグキーワードは月間平均検索ボリュームが数十万にも上ります。

しかし、検索ボリュームが大きいビッグキーワードは競合も多く、質の高いコンテンツがすでに検索上位を占めているため、新規コンテンツでの上位表示は簡単ではありません。せっかく書いたコンテンツも検索上位に表示されなければユーザーから読まれず、Web集客の成果も上がらないでしょう。

これからWeb集客を始めるのなら、競合が少ないロングテールキーワードでの上位表示を狙うのが賢明です。ロングテールキーワードは正しく戦略を立て、実践と検証を繰り返すことで、着実に成果を高められるSEO対策のひとつです。

ロングテールキーワードのメリット

ロングテールキーワードのメリット

それでは、ロングテールキーワードの4つのメリットについてご説明します。

コンバージョン率が高い

ロングテールキーワードは、Webコンテンツにおける商品・サービスの購入・成約に至る割合(コンバージョン率)を高める効果があります。その理由は次の2つです。

  • 購買意欲の高いユーザーのアクセスを集められる
  • ユーザーニーズに合った的確なコンテンツが作りやすい

例えば、「モバイルバッテリー」というキーワードは、月間平均検索ボリュームが165,000のビッグキーワードです。

検索ボリュームも多いが競合性も高い

一見、このキーワードで集客できればたくさんの見込み客を集められそうな気がします。しかし、仮にこのキーワードで集客できたとしても、必ずしもコンバージョン率が上がるとは限りません。

同じ「モバイルバッテリー」というキーワードでも、ユーザーによってニーズが異なるからです。モバイルバッテリーの価格を調べたいユーザーもいれば、容量や選び方を知りたいユーザーもいることでしょう。さまざまなユーザーのニーズを一度に満たすコンテンツはそうそうできるものではありません。

一方、「モバイルバッテリー 容量 目安」は月間平均検索ボリュームが720のロングテールキーワードです。

キーワードプランナーでの調査結果

このキーワードから想定されるニーズは「モバイルバッテリーの容量の目安を知りたい」であるため、それに的確に答えるコンテンツを書ければ、ユーザーニーズを満たし、高いコンバージョン率を期待できます。

上位を狙いやすい

ロングテールキーワードは基本的に3語以上からなるニッチなキーワードを狙います。1語や2語のキーワードでは競合が多くても、3語以上のロングテールキーワードでは競合が少ないことがほとんどです。そのような競合の少ない市場で良質なコンテンツを作成できれば、検索上位を獲得できる可能性は格段に高まります。

また、最近ではGoogleの検索アルゴリズムのアップデートにより、検索順位が大きく変動することもあり得ます。1個のビッグキーワードに依存する集客よりも、さまざまなロングテールキーワードで小さなアクセスを集めた方がリスク回避にもつながります。

競合の少ない市場で上位表示を狙うことが、これからのオウンドメディアで成果を上げるコツです。

コンテンツ(記事)が作りやすい

Web集客で成果を上げるためには、検索ボリュームが大きいかどうかよりも、ユーザーの検索ニーズに合ったコンテンツを作成できているかが重要です。ロングテールキーワードを調べることは、ユーザーニーズの把握に役立ちます。

例えば、「モバイルバッテリー」の場合、以下のようなロングテールキーワードがあります。

ロングテールキーワードと月間平均検索ボリューム
キーワードボリューム
「モバイルバッテリー 容量 目安」720
「モバイルバッテリー 容量 計算」210
「モバイルバッテリー 価格 コンビニ」90
「モバイルバッテリー 価格 iPhone」30

このようなロングテールキーワードを見れば、それぞれの検索ユーザーのニーズが具体的にわかります。そのキーワードに的確に答えられるコンテンツを作成できれば、自然とユーザーのニーズも満たせることでしょう。

ここで、コンテンツづくりの原則は「ひとつのコンテンツにひとつのキーワードを設定し、ひとつの答えを提供する」ことです。ユーザーは雑多な情報を詰め込んだコンテンツよりも、自分の知りたいことにピンポイントで答えてくれるコンテンツを探しています。

ロングテールキーワードをもとに、ユーザーに満足してもらえるコンテンツを作りましょう。

ロングテールキーワード攻略がビッグワード攻略にもつながる

ロングテールキーワードで検索上位を狙うことは、ビッグキーワード攻略にもつながります。なぜなら、ロングテールキーワードで上位表示できているページのSEO効果はその上層ページのSEOにも影響を与えるからです。

例えば、モバイルバッテリーに特化したオウンドメディアを作成し、以下のように各ページのキーワード設定を行ったとします。

  • トップページのメインキーワード(ビッグキーワード)
    → 「モバイルバッテリー」
  • カテゴリーページのキーワード(ミドルキーワード※1)
    → 「モバイルバッテリー 容量」
  • コンテンツページのキーワード(ロングテールキーワード)
    → 「モバイルバッテリー 容量 目安」
※1)ミドルキーワード

ビッグキーワードとロングテールキーワードの中間ぐらいの検索ボリューム・競合のあるキーワード(検索ボリュームの目安は1,000~10,000)

オウンドメディアが最適な構造になっていれば、トップページの下にカテゴリーページ、カテゴリーページの下にコンテンツページという設計になっており、下層ページのSEO効果は上層ページのSEOも高めます。

上記のオウンドメディアの場合、「モバイルバッテリー 容量 目安」というコンテンツで上位表示できたら、そのSEO効果はカテゴリーページのミドルキーワード(モバイルバッテリー 容量)のSEOも高めます。

そして「モバイルバッテリー 容量」の検索順位が上がったら、トップページのビッグキーワード(モバイルバッテリー)での検索順位も押し上げる効果があります。

このように、ロングテールキーワードは、ミドルキーワードやビッグキーワードのSEOにも影響を与えるため、検索ボリュームが小さいからといって手を抜いてはいけません。一つひとつのコンテンツの質を高めることが、ビッグキーワード攻略につながります。

ロングテールキーワードの探し方

ロングテールキーワードの探し方

ここからは、ロングテールキーワードの具体的な探し方や選び方のコツについてご説明します。

オウンドメディアのテーマからカテゴライズ

まず、基本的な考え方としては、運用したいオウンドメディアのテーマから、1語のメインキーワード(ビッグキーワード)、2語のミドルキーワード、3語のロングテールキーワードをそれぞれ選ぶことがポイントです。

そして、トップページにビッグキーワード、カテゴリーページにミドルキーワード、コンテンツページにロングテールキーワードを設定します。キーワードごとの検索ボリュームの目安は以下の通りです。

キーワードごとの検索ボリュームの目安
ビッグキーワード10,000以上
ミドルキーワード1,000~10,000
ロングテールキーワード1,000以下

キーワードがある程度そろったら、以下のようにオウンドメディアの設計を行います。

キーワード選びとオウンドメディア設計例(※2)
キーワード選びとオウンドメディア設計例
※2)

「 」内はキーワード、( )内は検索ボリュームを表す

このように、キーワードを使い分けてオウンドメディア設計を行うことで、コンテンツづくりの方向性も明確になります。

ロングテールキーワードの探し方や選び方のポイント

ロングテールキーワードを探すポイントは、検索ボリュームの大きさや競合の多さなどをチェックして、できるだけユーザーニーズが想像できるキーワードを集めることです。オウンドメディアのテーマにもよりますが、まずは数十~100個程度のロングテールキーワードを集めてみましょう。

ロングテールキーワード選別ツール

大量のロングテールキーワードを一つひとつ手作業で調べるのはとても大変です。そこで、ここではキーワードチェックに使えるおすすめのキーワード選別ツールを3つご紹介します。

キーワードプランナー

キーワードプランナーは、Google広告が提供している無料のキーワード選別ツールです。もともとは、Google広告を出稿する企業向けのツールですが、ロングテールキーワードを探すのにも使えます。Googleアカウントを持っていれば、Google広告用アカウントを作成してすぐに利用できます。

キーワードプランナーにログインして、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックし、調べたいキーワードを入力して調べます。例えば、先ほどオウンドメディア設計で選んだ「モバイルバッテリー」のキーワードを入力してみます。

キーワードチェックの結果が表示されるので、「月間平均検索ボリューム」をクリックして、検索ボリュームの大きい順に並び替えます。先ほどチェックしたように、検索ボリュームの大きさがビッグキーワード、ミドルキーワード、ロングテールキーワードの順になっています。

キーワードプランナー表示例
「月間平均検索ボリューム」をクリックしボリュームの多い順に並べ替え

ここでもうひとつ見るべきポイントが「競合性」です。これは広告を出稿する際の競合の多さを「高・中・低」という3段階で示したものですが、コンテンツにおける競合の多さの参考にもなると言われています。

競合性が「高」のものは競合コンテンツが多い可能性があるため、できるだけ「低」や「中」のキーワードを狙うようにしましょう。実際にキーワードチェックしてみると、ロングテールキーワードの競合性がやはり低~中であるため、ロングテールキーワードを使ったSEO対策が有効であることがわかります。

さらに、キーワードプランナーでは、1個のビッグキーワードから大量のミドルキーワードやロングテールキーワードを抽出できる機能もあります。キーワードプランナーにログインして、「新しいキーワードを見つける」をクリックします。

キーワードプランナー検索例
キーワードプランナー検索例

1語のビッグキーワードを入力して、「結果を表示」をクリックすると、1語のビッグキーワードから2語または3語のキーワードが大量に出てきます。

例えば、「モバイルバッテリー」では2,000個以上のキーワードが見つかりました。このキーワード一覧も「月間平均検索ボリューム」や「競合性」をチェックできるので、ここからロングテールキーワードを探すのも効率的です。

サーチコンソール

サーチコンソールは、Googleが提供している無料の検索結果改善ツールです。すでに運用しているオウンドメディアの既存コンテンツの記事内容やキーワードの見直しに役立ちます。Googleアカウントでログインし、計測したいオウンドメディアを設定すれば利用できます。

サーチコンソールにログインして「検索パフォーマンス」をクリックすると、既存コンテンツが実際にどのようなキーワードで検索されているかが一覧で表示されます。

Google サーチコンソール表示例

サーチコンソールの検索パフォーマンスで調べられるデータは、以下の通りです。

合計クリック数そのキーワードでコンテンツがクリックされた回数
合計表示回数そのキーワードでコンテンツが検索結果に表示された回数
平均CTRそのキーワードにおけるコンテンツのクリック率
平均掲載順位そのキーワードにおけるコンテンツの検索結果の順位
Google サーチコンソール表示例

ロングテールキーワードで狙い通りにコンテンツが上位表示できているのか、上位表示されたコンテンツがしっかりクリックされているのか、などを確認できます。オウンドメディアの運用には必須のツールです。

パスカル

パスカルは、株式会社オロパスが提供している有料のSEO・コンテンツマーケティング支援ツールです。検索エンジンの上位30~50位にランキングしているページをリアルタイムにチェックして上位ページの特徴を分析、オウンドメディアのキーワードやコンテンツの見直しを提案してくれます。

キーワードごとに難易度が表示され、目視でも確認しやすいのが特徴です。通常は自社で行うべきキーワードチェックや検索順位・競合のチェックなどを自動的に行ってくれるため、作業時間を大幅に短縮できます。

費用はかかりますが、コストパフォーマンスはかなり高いです。企業が本格的にオウンドメディアを運用したいなら、パスカルをおすすめします。

定期的な見直しでロングテールキーワードの底力を上げる

定期的な見直しでロングテールキーワードの底力を上げる

コンテンツは定期的に見直すことが大切です。検索流入や検索順位、コンバージョン率などを確認し、狙ったキーワードで上手く集客できていない場合は、ロングテールキーワードの選び方やコンテンツの内容を改善する必要があります。

コンテンツを見直す際の4つのケースと対応策

コンテンツを見直すときは、次の4つの場合に分けて考えましょう。

検索流入が多くコンバージョン率も高い場合

大幅な改善の必要性はなし。記事内容を定期的に最新情報にアップデートすることで検索順位をキープできるよう努力する。

検索流入は多いがコンバージョン率が低い場合

ロングテールSEOによる集客はできているが、コンテンツの中身を改善する必要性あり。ユーザーのニーズに合った記事内容になっているかどうかをチェックし、コンテンツの質を高める。

検索流入は少ないがコンバージョン率が高い場合

ユーザーのニーズに合った良質なコンテンツが書けているが、ロングテールSEOでの集客を改善する必要性あり。狙ったキーワードと実際に検索されているキーワードに違いがないかを確認し、より検索流入を見込めるキーワードに改善を図る。

検索流入が少なくコンバージョン率も低い場合

改善しても成果を得られにくいため手をつける必要性なし。上記3つのコンテンツを優先的に改善する。

コンテンツ改善のための重点ポイント

コンテンツを改善するときは、以下の項目を重点的にチェックしましょう。

  • 記事タイトル
    ロングテールキーワードが含まれ、ユーザーの目を引きつけるタイトルになっているか。
  • 導入文(ディスクリプション)
    ロングテールキーワードが含まれ、ターゲットとなるユーザーが読みたいと思えるような文章になっているか。
  • 見出し
    ロングテールキーワードや関連キーワードが盛り込まれ、本文の内容が的確に伝わる見出しになっているか。
  • 内部リンク
    アクセスの多いコンテンツページからSEO効果を上げたいページに自然な内部リンクが貼られているか(目的ページのSEO効果をアップさせる)。

ロングテールSEOの成果を上げる秘訣は、キーワード選定とコンテンツ作成の質を高めることです。SEO対策の効果が出るまでは時間がかかります。地道にじっくりとコンテンツを磨き上げていくことが成功の近道と言えるでしょう。

検索母数が少なくてもその力はあなどれない

ロングテールキーワードは、Webコンテンツの集客に必須のSEO対策です。たとえ検索母数の少ないキーワードでも、ニッチなテーマで上位表示を狙えるキーワードなら、積極的にコンテンツ作成に活用しましょう。

今回ご紹介したロングテールキーワードの探し方や選び方を参考に、ぜひあなたのオウンドメディアに合った戦略を立てて取り組んでみてください。